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議会で、「ジェンダー平等とキャリアデザイン教育」について、質問しました。

 3月12日、ふじみ野市議会で、一般質問で「ジェンダー平等とキャリアデザイン教育」について、市役所の考えを聞きました。
 男女間における賃金格差は人権上、重大な問題です。また、わが国における男女賃金格差は男性100に対して、女性が75~77、OECD(経済協力開発機構)平均は88前後となっています。格差が他の先進国に比べて大きいことは、わが国の経済低迷の要因となっています。
 本市が、男女平等を積極的に推進する上で、女性へのキャリアデザイン教育は欠かせません。市の本気度を探る質問です。
 

女性の就業率(R2の国勢調査より)

 上の表は、いわゆるM字カーブの数値を示した表です。ふじみ野市の就業率は比較的高い。一方、25~29歳層から、30~34歳層への就業率の低下が10.6%で、いわゆる谷が深い状況です。20~24歳層の就業率が高いのも特徴です。川越市の就業率が高いのも目を引きます。

(質問:M字カーブの解消とキャリアデザイン教育)
 妊娠、出産の時期、女性の就業率が下がる状況は、いわゆるM字カーブと言われます。この時期、離職や長い期間の休職をすることは、その後の女性の職場での活躍、賃金上昇に多くは負の影響を与えることになります。離職や長い期間の休職をした場合、その後の就業について、技能や資格取得も含めた学習教育、キャリアデザインを行うことが、女性の賃金上昇には非常に重要とされており、自治体におけるキャリアデザイン教育は、同市居住の女性の賃金上昇に大きな影響を与えます。
 M字カーブの解消とキャリアデザイン教育、その効果検証も含めて本市の取組をうかがいます。

(市の回答要旨)
 わが国の女性の労働力については、国際的にも立ち遅れており、女性が非正規化する「L字カーブ」に象徴されるように、出産を契機にその後のキャリア形成に大きく影を落としています。
 本市のM字カーブの谷はやや深くなっています。この背景には、「女性は家庭で家事や子育てに専念するべき」という考え方が根強く残っていることや、女性が家事や子育てを担いながらも働き続けられる環境が整っていないことが挙げられ、社会的な意識の変革や企業等における環境整備、男性の働き方の見直し、家事・子育て等への参画を進めることが最重要課題であると認識しています。
 本市における取組としましては、在宅ワークに関するセミナーの県との共催、ビジネス支援講座などの開催、また、就職希望者が必要な情報を得られるようにビジネス関連資料の充実にも努めています。
 企業への働きかけも重要であることから、建設工事等共創入札参加資格の申請受付時に「次世代育成支援一般事業主行動計画届出書」の写し又は、「多様な働き方実践企業認定証等」の写しの提出を求めています。さらに、人権問題市民・企業講演会を通じてワーク・ライフ・バランスの促進、ハラスメント行為の防止、男女共同参画について周知を図っています。

意見:検証とアーカイブを)
 積極的な認識と方針が示されており、大変評価できます。後は、実行と検証ということになります。
多様な施策に取組んでいるですが、施策の効果検証をするには、女性へのアンケートやニーズ、意識の調査、男性の育児家事参加状況の調査を行うが重要で、こうしたことを求めていきます。
 ビジネス関連資料の充実に努められているとのことでした。資料はぜひ、ネット配信なども取り組んでいただきたくお願いします。こうしたアーカイブ、情報の共有が不十分なのは本市に限らず、全国的にも課題であります。
講座は、独自のもの(これは。市の職員のやる気、地域の意識変革につながります)や、公共施設やイオンでのパネル展やイベント開催、資料、これもウェブ配信や、子育て関連施設での配布など進めていただきたい。
 
(質問:中学校におけるジェンダー平等・キャリアデザイン教育)
 
ジェンダー平等実現には、社会、企業、行政、家庭、加えて、学校での教育が必要です。男女の賃金格差を解消する上で、高校という進路選択前に、男女共同参画の内容や、キャリア教育を学ぶことは、将来の進学や職業について積極的な効果があると考えます。一例として、高校以上での学科専攻について選択肢が広がること、大学など進学率を上げる効果、給与の高い職業選択の増加、などが期待できます。中学校におけるジェンダー平等・キャリアデザイン教育について、その効果検証も含めて取組みをうかがいます。

(市の回答要旨)
 学習指導要領では、社会科、家庭科、道徳、特別活動等の教科・領域において男女の平等や相互の理解と協力の重要性などを指導すると定めています。
 社会科や特別活動では、ユニバーサルデザインや男女平等の社会参加について、自分の将来をデザインする学習をしています。また、家庭科では、性別による固定的な役割分担意識など、アンコンシャス・バイアスの解消について理解を深め、男女が協力して家庭を築くことの重要性について学習しています。

(意見)
 効果検証の回答はありませんでした。
キャリアデザイン教育について、具体的な事例があればよかったと思います。2020年から、国の方針で、「キャリアパスポート」の作成が本市でも進められています。試験をする内容ではないのですが、理解の程度をどのように図るかが課題であり、引き続き、現場の状況を確認します。
 なお、ジェンダー平等教育では、内閣府が男女共同参画を題材にした副教材をつくっています。他市でも啓発教材をつくっており、参考になります。
キャリア教育については、埼玉もそうですが、各都道府県が指導実例など参考資料をネットで公表しており、参考になります。
 職業紹介の機会で、女性が向いているとされるしごと、クリエイティブ産業、これまで苦手とみられてきた理工系のしごとに触れること、steam教育に力を入れること、ロールモデルに必ず女性を入れることも有用でしょう。

 
 https://www.city.fujimi.saitama.jp/kosodate_kyoiku/kosodate_oen/school/gakkou220629.html

 


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