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“事業成長のために”SDGsに取り組む スタートアップNOINの挑戦

こんにちは、ノインの土屋です。さて今回は、スタートアップである当社のSDGsへの現状の取り組みと今後のについて、管理部の目線で記事にしていきたいと思います。

2021年からSDGsに関する議論を重ねてきていた

実は当社は2021年の下半期から、代表の渡部を中心に具体的に事業の中でのSDGsへの取り組みについて話し合いを重ねてきました。3/6から発売するABÜRという新ブランドも、3/21に実施予定のSDGsイベントもその一環です。

ABÜRは「自然の恵みを暮らしに取り入れる」をコンセプトにした新しい当社の化粧品ブランド、そしてイベントは「地球も、私も、キレイになる。」をテーマとしたSDGsに関するイベントです。

ABÜRのボタニカルオイルは植物由来100%、 フィニッシャークリームは97.6%植物由来(水含む)を実現。共に容器の一部にバイオマスプラスチックを採用し、パッケージにはFSC認証紙、本紙には再生紙を使用しています。2025年までに全アイテムのCOSMOS認証取得を目指しています。

SDGsに関する代表渡部の想い

3/2に発表したABÜRの発売のプレスリリースの中で渡部はこんなコメントをしております。

この度、「自分も地球も美しくなるサスティナブルプロダクトを、 誰もが手にできるカタチで実現する。」 という想いのもとクリエイティブディレクターに大田由香梨氏を迎え、ABÜRを立ち上げました。

すばらしいアイデンティティをもつブランドは、ここ最近非常に多くなってきている一方で、それを手にできる場が限られていたり、なかなか手の届かない価格だったりと、"誰もが手にできるもの"ではないなと感じることが多々あります。
また、普段の生活の中で"世の中に良いものを選ぶ"という選択をすることはなかなか難しく、"自分が良くなれるものを選ぶ"という行動が、やはり無理なく自然だと思っています。 それらを鑑みると、私たちは商品が「とても良くて使ってみたら、実は社会循環の中で非常に良い取り組みをしている商品だった」という体験こそが、無理なくSDGsへの意識と行動を世の中に広めていくことができる方法のひとつだと思っています。
この商品が一人でも多くのお客様の手に届き、お客様を美しくし、地球を美しくしていく。 そんな循環が、すこしでも広がってほしいと願っています。

私たちの想いに最大限寄り添ってくださり共に商品開発をしてくださったワイマック社様、「店頭什器も捨てたくない!」という想いに共感し、ヒノキの間伐材で『捨てない什器』を作るという前例のない開発にご協力いただけたコパック社様、ABÜRの想いに共感し、商品販売のチャンスをくださったLOFT様、PLAZA様、すばらしいクリエイティブを作ってくださったみなさん、プロジェクトを支えてくれたみんな、ありがとうございます!

今日よりも、美しい明日のために。

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パフォーマンスだけの企業にはなりたくない。

事業側のプロダクトやイベントでだけSDGsに取り組みつつ、管理部門での対応が遅れて内部での対応はしてないとなると、非常にかっこ悪いです。パフォーマンスだけの企業にはなりたくない。管理部門でもSDGsの取り組みを本格的に開始したいと思います。

成長とSDGs推進はトレードオフではなく、今後事業成長のためにもSDGs推進を行なうべき

一方で、当社はまだエクイティファイナンスに頼っている社員50名ちょっとのスタートアップです。時間もお金もない中で今からSDGsを検討していく余裕あるんだっけ?他にやるべきことがあるんじゃない?という論点もあります。

なぜSDGsに取り組む必要があるのか、それは「成長とSDGs推進はトレードオフではなく、今後事業成長のためにもSDGs推進を行なうべき」だからです。

当然、SDGs対応は「売上」のためにやっているわけではなく、当然やるべきことであるからというのが大前提です。一方でSDGs対応をすることで事業成長が遅れるということはなく、むしろ事業成長に寄与すると判断しているという話です。

事業の側面では、消費者の商品選定の基準は変わりつつあり、今後そうじゃない商品は売れなくなっていくというのは明白です。SDGsへの認知率については世代別でみると10代が圧倒的TOPで、次が20代です。その流れは不可逆的であると言えます。

スタートアップは新しいプロダクトや手法で、トレンドの最先端を走りマーケットを作っていくことで急成長をする戦略をたてるべきですが、この話はエンジニアリングやマーケティングのことだけでなく、どのマーケットを押さえに行くかの戦略としても重要です。

また事業を伸ばすという意味で一番重要な会社の資源は「ヒト」です。優秀な人を採用し、会社に惹きつけ続け、最大のパフォーマンスを発揮してもらうためには社員にとって魅力的な会社であり続ける必要があります。SDGsに本気で取り組むことが他の企業との差別化要因となり、社員のロイヤリティ向上や採用に寄与し、事業成長に寄与すると考えられます。

最後にファイナンスの観点でも本件は非常に重要な戦略と考えています。当社は次にシリーズDのファイナンスもありますが、当然IPO時のファイナンスもありますし、IPOはゴールではないです。上場後も事業成長とともに株価を上げ続け、株式市場でしっかりと存在感がある企業を目指しています。テスラはテクノロジーの最先端企業ではありますが、同時にグリーン銘柄でもあります。SDGsに本気で取り組んでいることが事業価値をあげ、大きく資金調達ができることで更に事業を加速できるはずです。

大きく出てしまいましたが、とはいえ人的リソースもお金も大きな余裕はないので、全方位に網羅性のある素晴らしい制度の導入はできないです。まずはノインとしては事業や社員へのメリットを結びつけやすい、そして今のフェーズでやれる等身大の施策を導入していきたいと思います。

SDGsを意識した制度設計の経験があることが、キャリアとして強みになる時代が来る

管理部門としてSDGsへの取り組みをすること、これは個人的にもチームメンバーにとっても新しい挑戦になります。スタートアップが限られたリソースの中で向き合っていくには難しい課題ですが、スタートアップらしく難しい挑戦にこそワクワクできたらいいなと。そしてメンバーのキャリアにとってもいい機会にできるといいなと思ってます。これからの世の中、SDGsを意識した制度設計や運用の経験があることが、キャリアとして強みになる時代が来ると思います。何より私が一番ワクワクしてるかもしれません。

過去の事業の反省とこれからについて

大方針は決まりましたが、私たち自身まだまだ勉強は不足しています。また過去についてはそのような事業方針や知見があったわけではないので、一部SDGsの概念のない事業運営をして来てしまっています。

専門家の方から見ると理解不足と感じる部分や、方針と足元の事業の矛盾などあるとは思います。2022年度以降の意思決定に関してはSDGsの視点を取り込んでいくと共に、至らない点についてフィードバックがあれば真摯に改善していきたいと思います。

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取り組んでいく課題の一部と考え方について

大方針だけ出しておいて具体的に何やるんだっけ?みたいなところも触れておかないと「言ってるだけ」みたいになっちゃうので、今考えている施策の一部をご説明いたします。

管理部目線でリストアップした施策は100を超えましたが、カテゴライズすると20項目程度になりました。その20項目を経営会議で議論しそのうち18項目について前向きに検討を開始することで合意しました。

だいぶ幅広に出したんですが、まさかこんなに承認されるとは、、!ちょっと自分の首が締まりました。やるつもりで提案しましたが、「本気でやってみようぜ」というノインの文化を感じた瞬間です。さすがに一気に消化はできませんが今年一年で全部対応できたら良いなと。

項目ごとの議論はこれからになりますが、一部は以下のような内容になります。でかいことを語った割には普通のことしか書けませんが、まずはトリッキーなことではなく、当たり前のことを粛々とやるのが管理部門です。

ちなみにまだここには書けないのですが、COOの千葉と一緒に「おお、それ面白いね」と皆さんに思っていただけそうなものも考えてはいるので、いつか公開できたらいいなと。まだ実行を公表・判断するには検討が足りません。(人も足りん!経理Mgr欲しい)。

EC事業の配送資材を環境に配慮した資材への切り替え
これは既に購入済みのストック資材が相当数あります。それらを破棄して切り替えは一番SDGsじゃないのですぐに変更とはいきません…。しかしタイミングを見て新しい素材に切り替えを行っていきます。またそもそも緩衝材などを減らしていくことにも取り組んでいきます。

障がい者雇用の促進
多様な働き方とか先進的な人事制度や働き甲斐を語る前に、やるべきことやらなきゃダメじゃん?っていう視点は大事です。働き方や雇用形態を複数用意し、全職種での募集を行なっています。最低でも法定雇用率を1年以内に達成できるよう推進していきます。

ダイバーシティに関して
業界柄、女性比率は6割強と高めの当社ですが、管理職クラスの比率は2割弱と低いです。これは管理職以上のレイヤーの転職マーケットの母数による影響が大きいと考えていますが、3年以内に内部昇格を含めて比率のバランスを改善していきたいです。社内には有力な候補が複数名いるので時間の問題かなと。また女性に限ることなくマイノリティの方も同様です。そしてコスメは別に女性だけのものではないですし、美容が大好きと公言できる男性がもっと増えてもいいかなとも思います。

マイノリティの方の受け入れ対応
同性パートナーを配偶者と認める人事制度や福利厚生制度への変更をします。またLGBTへの理解促進のための研修などもやっていきます。3年ほど前、実はノインの選考で「御社でマイノリティに関してどの程度受け入れ態勢ありますか?」といった質問をいただいたことがあります。正直ここは自分のLGBTに関する知識不足感が否めない。。。ずっとその時から心に引っかかってたので、今年は本気で勉強します。

男性の育休促進
2022年4月からの法改正がありますね。まぁでもここはとりあえず書いたけど、あんまり心配してません。実は私は2年前の第2子出産のときに2週間の休暇を取っています。休みたいと言ったとき、「どうぞー。」みたいな、渡部も千葉もごく軽いリアクションだった気がします。休むことが特別なことではないので、たぶん大した会話にならなかったのか私もあまり覚えてないです。風土はあるのでどんどん事例を増やしていくだけかなと。

柔軟な働き方に合わせた制度の文書化の推進
今春、産休に入る予定の方が3名もいます。退職ではなく産休を選んでもらえて嬉しいです。
既にノインには産休から復職した事例もありますし、当社はパパママ比率が非常に高いです。フルリモートだったり、時短だったり、コアタイム内での家庭の都合への合わせ方だったり、過去は柔軟に対応してきたと思います。一方で「上長の判断」任せになってしまってる部分に課題感を感じます。今後100名以上になっていく過程ではきちんとガイドラインを整え、全部署でフェアな運用がなされるよう準備をしていきたいと思います。

ペーパーレス化の推進
原則、契約書は電子締結、請求書もPDF発行とすることでペーパーレスを実現していきたいです。化粧品業界はまだ紙が主流、なんだったらFAXも使っているのでお断りされちゃうことが多いのですが、まず当社はペーパーレスを推進しているということを外部広報することから頑張っていきたい。あと社内的なワークフローや備品関係もペーパーレスやエコ資材を前提に組みなおしていきたいと思います。最終的には名刺なんかも廃止される世の中になると嬉しいですね。

最後に

イケてる制度を作り上げて恥ずかしくない状態で社外に公表するのではなく、まずはやるぞ!という宣言から外部に赤裸々にだしていくのがノインっぽいかなと思ってます。これから具体的な取り組み事例や、場合によっては反省点や失敗なども発信していきます。

ノインという会社やノインの管理部門の成長過程を発信していきますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします!

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