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犯罪以外ならなんでもOK

ときどき、学生と話したり、時に学生向けにプレゼンする機会がある。

学生からの質問を募ると、必ず1人くらいはこういうことを聞いてくる学生がいる。
「学生の時に『これをやっておいた方がいい』と思うことはありますか?」


わたしの結論「逆に『やらない方がいいこと』は犯罪以外存在しない。つまりなんでもやっておいたほうがいい」




ここ数年は大学院に在学中から一級建築士試験を受験できるように制度改正されたので「一級建築士は学生の時にとったほうがいいですか?」もよく聞かれる。数は少ないが本当に在学中に合格してしまう学生もいるので、周りのそういう学生を意識してのことだろう。

「学生の時にしか遊べないのだから沢山遊んだ方がいい」、「専門職を目指すなら自分の研究を極めた方がいい」、「見聞を広げるために留学した方がいい」

色々な答えがあるだろうが、時間と金と体力に余裕があるなら全部やった方がいいに決まっている。

取れるものなら資格は学生の時にとったほうがいい。英語はペラペラでTOEICは800点以上あった方がいい。留学はしたほうがいいし、プログラミングはできた方がいい。身体を鍛えて体力をつけた方がいいし、本を沢山読んで見識を広げた方がいい。インターンも起業もした方がいいし、成績は学校でトップになるのがいい。

それらは全て、自分の武器になるからだ。
しかも英語でもプログラミングでも、別に1流になれなくても、そこそこ出来るだけで世の中では十分重宝される。

僕は在学中は自分の好きなこと以外を本当に何もやらなかったので、卒業してから、働きながら資格を取ったり英語の勉強をするのにとても苦労した。

だから簡単に「資格や英語なんて社会人になってからでもいつでもできるよ」とはなかなか答えにくい。

勉強なんてネットがあればほとんどタダなのだから、やれることは時間と体力のある若いうちにやったほうがいい。

「英語も勉強しなきゃなあ、あ、プログラミングもAI知識も必要だなあ…」なんて言っているうちに、何も身につかないまま歳をとっていくのがこの世の常だ。
そう思ったのなら今すぐ、少しでも何かをやった方がいい。




…と、そんな言い方をしても学生の得になることはなにもなく「興味を持ったことは、なんでもチャレンジした方がいいと思いますよ」と抽象的な返答をすることにしている。

やらなきゃいけないことは無限に出てくる。
仕事も家事も育児もやった上で、勉強もしなきゃいけない。

けれど、けっきょく時間は有限だ。
有限の時間の中で、やれることを少しでも多くやった人間が、最後の最後には一番強いに決まってる。

若い頃は、そのことに気づくのもなかなか難しいのだけど。

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