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英語で履歴書を書く:Chat GPT活用日記 その2

今週、とくにこの土日はけっこう頑張った。

仕事と家事をこなすかたわら、外資系企業への転職を果たすべく英語の履歴書を完成させた。土日は昼寝もしてたけど。


あまり詳しく知らなかったが、英語圏では(というか日本以外では?)「履歴書」というものは無くて、日本で言う「職務経歴書」にあたる「CV」のみを提出するのが通例のようだ。

CVとは「Curriculum Vitae」の略で、メールアドレスや電話番号などの最低限の連絡先と、職務経歴や資格だけが、ほぼ箇条書きのスタイルで書かれたA4の書類である。

もちろん、生年月日や顔写真などのプライベートな情報は掲載しないし、志望動機も書かない。実績・スキル紹介の一本勝負で、清々しい。

転職指南のサイトを見ると、多くてもA4で2-3ページ以内にまとめろ、というようなことが書かれている。
ジョブキャリアのない学生と、経験を積んでこれから転職しようとする経験者では傾向が若干違うようでもあるが、おおむね非常にシンプルである。

履歴書の志望動機欄やエントリーシートなど、グダグダと文章を書くよりもずっといい。求職者にとっても、企業側にとっても、非常に良い形式だと思う。




シンプルなドキュメントとはいえ、あまり得意でない英語で、自分のキャリアを正確に伝達しようとするのはなかなかハードルが高い。

そこで今回は、最近ハマっているChat GPTをフル活用した。

使い方は簡単である。以下は、実際にCVを作成するときに使ったプロンプトである。(一部、●●●でぼかしを入れている)

(わたし)
英語のCVを作成しています。以下の文章を、動詞から始まる箇条書きの文章に書き換えてください。英語は難しすぎる表現は避けてください。

「現在、●●●のマネージャーとして、●●●をする●●●なプロジェクトを手がけています。」


(ChatGPT)
Currently working as a ●●● manager on a ●●● project to ●●●.

こんな具合である。

出力された英文は、だいたい自分が予測した英文とほとんど変わりないものだったが、その出力に至るスピードや文法的正確性は、Chat GPTのほうが圧倒的だ。

Chat GPTの翻訳は、普通に出力するとNew York Timesのような気取ったエレガントな鼻持ちならない表現になってしまうことがあるので、途中から「英語は難しすぎる表現は避けてください」という一文を足すことにした。

これにより、だいたい自分のライティング・スピーキング力が追い付くくらいの英文にすることができた。

また、自然言語の対話型AIならではのつかい方もある。
わたしの日本語を翻訳してくれたChat GPTの出力に対して

(Chat GPT)
Addressing ●●● challenges  to achieve the realization of ●●●.

(わたし)
Addressing じゃない言葉で言い換えてくれる?

(ChatGPT)

Resolving ●●● challenges  to achieve the realization of ●●●.

こんな具合である。
自分で書き直した文章を入力して「これって文法的にあってるかな?」と聞けば、文法的正確性の観点から修正もかけてくれる。

慣れてくると、「」内の日本語を、Chat GPTが翻訳しやすいであろう語順に書くことも出来るようになってくる。我ながら、人間の適応力に驚くばかりである。




とはいえ、この使用方法には重要な注意点もある。

最低限の英語読解力・ライティング・スピーキングの能力がないと、おそらく使い物になるCVにはならない。

もちろん、自分が書いた日本語を翻訳するだけならいくらでもできる。

「この単語は日常会話ではよく使うけど、ビジネスのシーンではどうかな?」とか「この言い方だとちょっと文語的じゃないかな?もう少し柔らかい言い方ないかな?」くらいの判断力は持ち合わせていないと、今のChatGPTを身の丈にあわせて使いこなすのは難しそうだ。

ただ適当に翻訳しただけのCVを面接会場に持って行って、いざ面接を受ければ「コイツ、適当に自動翻訳かけただけでロクに英語できないな」とバレるのは確実である。

スピーキングが全くできない求職者が、New York Timesの記事のような、一生に一度も使わなそうな小難しい単語をならべたCVを持ってくれば、そうなるのは当然だろう。

そして、そんなCVを丸暗記して面接で読み上げようものなら、目を覆うような悲惨な事態になろう。

日本語に置き換えれば、きっと「~と存じますれば、積年の身に着けたる我が技術を貴公の組織にて益々熟達せしめたい所存でございまする」みたいなことになっているのではなかろうか。





「バカとはさみは使いよう」である。

この場合、Chat GPTはバカでもあるし、ハサミでもある。

Chat GPTを使っているわたし自身が、一番のバカなのかもしれないが。





その1はこちら:

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