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ウツや休みは"甘え"なの?

こんにちは、きなりです🍥
今日は滅茶苦茶な天気ですね…☔
明日は警報レベルの降水量だとか。どうかみなさまご安全に…。

さて今回は表題の通り「メンタルヘルス不調(うつ病、不安障害など)は甘えなのか?」という問いについて、一緒に考えていけたらと思います。

一体どこのどなたが言い出したのか。この「○○は甘え」言説があるせいで、実際にうつ病を始めとしたメンタル不調に陥ったり、休職したりしている方が「休みたいのに休めない…」という方もいると思います。実際わたしもそうでした。

ですが、この問いに対するわたしのアンサーは…

決して"甘え"ではないです。

これはわたしの自論ではありません。医学的な根拠があります。

そもそも人がストレスを感じる仕組みについて調べてみると…

人は、身体的or心理的負担となるような出来事に直面すると、脳が、これまでの経験に照らし合わせて、その苦痛や負担の度合いを評価し、その結果不安などといった感情を引き起こすようになっています。

脳は、感情だけでなく、通常の身体活動生体バランスの維持—―要は"健康"に対しても作用しています。

なのでストレスが原因で脳に負荷がかかった時、"感情"や"健康"をつかさどる作用が阻害され、うつ病や不安障害といったメンタル不調、睡眠不足や胃潰瘍などといった身体の健康障害が発生する……というわけです。

……と、長ったらしい説明が続きましたが💦 ポイントは「脳が、これまでの経験に照らし合わせて、その苦痛や負担の度合いを評価」するという点です。

"これまでの経験"は個人によって当然バラバラです。
そのため"これまでの経験"に基づいて"苦痛や負担の度合いを評価"した結果もバラバラです。

なので、とある事案に対して「不安だ…😨」とストレスを感じる方もいれば
「へっちゃら!🥳」と前向きに捉える方もいる。何も感じない🫠って方もいるかもしれまんせんね。このように、同じ事案なのに人によって極端に感じ方が異なるのは、各人の遍歴が異なるからなのです。

だから、人より強く不安を感じたり、そのせいで心身に不調をきたし休む結果になったことは、決して"甘え"によるものなんかじゃないんです。まして、その時々の気まぐれで"甘え"てるわけでもないのです。今までの経験(特にお辛い経験)が積もり積もって、そのバランスが崩れてしまった結果です。

「だったら、「不安だ…」「怖い…」「逃げたい…」などといった負の気持ちが発生するということは、前向きな捉え方をする人に比べて経験が浅い…人生経験が豊かじゃない…ってこと?」

これについても答えはNOです

これまでの生き方や経験だけで人の良し悪しを測れっこありません。ゆえに「経験が浅い」なんて評価できる権限を持つ人もいないです。そもそも誰かと比べて不安を感じやすいのは、これまでの人生において何らかの経験・きっかけで、”注意力の高さ”という特性を獲得したとも言い換えられます。そういう意味では、(当時は辛かったとは思いますが)結果的に良い経験になったという見方もできるのではないでしょうか。

そして、言うまでもなく、感じ方の違いや経験の有無に対する優劣も存在しませんだから"甘え"とか、それに類するような表現で他人を評価することなんてできないはずなんです。

「うつは"甘え"」「休むのは"甘え"」
そういった発言はその人のものさし(価値観)でむやみに他人を評価し、さげすんでいるようにしかわたしには見えません。

しかもその"ものさし"は、その人のこれまでの経験や環境、その人を支える方たちの存在があってこそ培われたものなのに、それを他人を軽蔑する為に用いるなんて、恩知らずも甚だしいですよね~~~~おっとこれは言いすぎました🤗

社会にはいろんな個性を持つ人がいて、その異なる個性を突き合わせてみることでインスピレーションが生まれたり、お互いの個性を理解し尊重し合うことでチームワークが発揮されるものだ…と思っています。誰かの不得意を、得意な誰かが引き受ける。誰かの得意は、不得意な誰かを手助けする。

この世の中が滞りなく回っているのは、誰一人として同じ人がいない無い世界で、一人一人が(直接的にも間接的にも)助け合っているからこそだと思っています。

なのに、何かをきっかけに心を、あるいは壊し、療養せざるを得なくなった個人を誰が責められるのでしょうか。

メンタル不調者が出たときに職場としてまずすべきことは、当事者を責めるのではなく、むしろ休養をサポートし、なぜ当事者をそこまで追い込んでしまったのか原因を追究し、改善すること。―—「甘え」論者お得意の"ものさし"では、不調者を出してしまった原因は評価できないのでしょうか?

さて、最後にわたしが大好きな小説『西の魔女が死んだ』から一文引用します。

シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、誰がシロクマを責めますか。

鬱を始めとするメンタル不調になったら、しっかり療養してください。
休息が必要な時は、存分に休んでください。

「もう限界だ」「休みたい」「今すぐこの場所から逃げ出したい」
心身の崩壊の前兆を感じたら、あるいは現在進行形でそうなっていると感じたら、ご自身が「心地よい」と思える安住の地へ移ったっていいんです。

それを責めていい権利を持っている人はこの世にいません。というか、責める理由がありません。引用文を参考にすれば、ハワイより北極を選んだシロクマに対して「北極を選ぶやつは甘え」と言うようなものです。

「うつは"甘え"」「休むのは"甘え"」なんてネチネチネチネチ言ってくる人は、お門違いなこといってるな~~と放っておくか、あるいは北極に移住してもらいましょう💪🌈✨ (なんて冗談ですが、ほんとうにそんなこといちいち言ってくる人からは距離を置いた方が良いです。そういう人が近くにいると、無駄な説教で貴重な時間を削られるだけなので。)

今回の記事は以上になります!
そもそも自分の為の人生なんですから、甘えたい時は存分に甘えてもいいと思うんですよね~🍭 なんで「甘え」に対して人って厳しんでしょう。人間の考え方って奥が深いです……(?)

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
また次回もよろしくお願いします🐻‍❄️

【参照】
ストレスと脳 | 生物学科 | 東邦大学
大脳辺縁系のおはなし - Akira Magazine
情動のメカニズムの探求 - 理研 BSI


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