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コンサル会社は本当に経営のプロか?

コンサルタントというと、何となくプロって感じがして権威性があると思いませんか?

ビジネス系のブログやユーチューバーを見ると、「〇〇コンサルティング」と肩書を付けて活躍している人を多く見ます。

また、副業で月収○万円稼ぐためのコンサルティングを受けるには100万以上の投資を求められている場合もあります。

かといってコンサルタント全てが詐欺師とは言い切れませんが…


経営コンサルティングは経営のプロか?

経営コンサルティングというと、一見聞き映えが良いものです。

病院の経営者が変わり後を引き継ぐのがコンサルティング会社となったのですが、そのコンサルティング会社は都内に本社があり、スタッフも都会的な雰囲気を持ち、整備されたオフィスの中でホワイトな環境の中で業務に励む雰囲気を醸し出しています。

人は見た目が印象というように、清潔感があって身なりが整った姿はプロというイメージを抱きます。

素朴なこの病院と十分なギャップがあるな…と思いましたね。

…というか、経営者が変わってこの病院のほんわかとした雰囲気を持続できるのだろうかと一瞬不安になったのですが、後継となる事務長が「この病院のスタッフは素晴らしい人ばかりだし、今までの方針をそのまま引き継ぎましょう」と言った言葉に安堵しました。


この病院は介護療養型病床を抱えていました。

しかし、この介護療養型病床は淘汰していく方向性もあることから、診療報酬が減算するとのことでした。

その為、国からの報酬から賄うには、医療療養型に変換すれば経営が落ち着くだろうという判断をされました。

一見合理的…

私はこの考えはあまり芳しくないと思っていました。


重症患者を受け容れて診療報酬からの収入を増やす

国からの収入が増えれば病院の経営もある程度安定します。

始めは病床の転換というところから入ったので、これまで介護療養型病床に入院されていた方を近隣の施設に支援するために退院をさせます。

この入れ替えによって空床が増えてしまい、病院の収入は一時期激減しました。

後に医療療養病床の患者様を受け容れて満床にして何とか経済的には落ち着くようになりました。

それから常に重度な方(診療報酬が高い)を受け容れ、収入も安定するようになりました。

確かに収入という面から見れば、それはそれでよかったのかもしれませんが…


マーケティングがなされていない

コンサルティング会社というと経営のプロで且つマーケティングのプロのように思われますが。。。

本当にそうなの??って話です。

というのも、この病院は医療療養型病床の運営を中心に行い、外来やデイケアについては蔑ろ…というと言い方が悪いのですが、それほど重要視していません。

特に外来は患者様の声を知ることが出来るところ。

これまでの常連客も当院を利用しています。

何故、この病院を選ぶのか?

この病院に何を求めているのか?

この声に一切傾けていません。

元々、当院はリハビリに力を入れている病院でした。

…ということは寝たきり患者の延命治療なんかよりも、近隣住民たちの介護予防に努めたら?って思うんですね。

これが経営方針に背いていると言われればそれまでですが、医療療養型にするのなら、老健にした方が良かったのではというのが私個人の意見です。

というか、院長も同じことを仰っていました。

それに今は地域密着型の医療や介護を提供する時代。

それだからこそ、地域との繋がりを深め、近隣住民の声を聞くことは重要じゃないかと思います。

それでは地域住民が当院に対して「寝たきり患者を収容する病院」であることを求めていたのかというとそういうわけでもありません。

経営に関わる一部のスタッフは、「この病院の評判は前より良くなった」と豪語しています。

ところが近隣住民からは良からぬ声を耳にしています。

この病院、何だか年寄り病院になってしまったねぇ…

前は電話一本で救急車が来てくれたのに。

最近、この病院、変だよね…

このような口コミを直接耳にするということは、近隣住民からすれば、新しい経営者によって病院に裏切られたも同然なことなのです。

これは、医療コンサル会社がいかにリサーチを行っていないのか如実に表れているところです。


現場はブラック

介護療養から医療療養に変換すれば、人員配置基準にも変更があります。

これだけ看護師を増やしたら人件費がかかるのでは?と思うのですが。

しかし、介護と違い医療依存度が各段に増えた現場では、看護師の人数を増やしても仕事が煩雑になるのでハードになります。

現場からはもう少し人を増やしてほしいと嘆きの声もありました。

そして、患者様は介護療養の時代と比べると、口から食事を食べられる方はほんの少数であり、声掛けに反応することが出来ない人ばかりです。

現場スタッフからは「私達は患者様から元気をもらっているのに、今は患者様から元気をいただけない。声掛けにも全く反応がないから見るのもツライ」とのこと。

介護の時代は、ホールに患者様が集まり、賑やかな雰囲気で食事を楽しんでいたのですが、医療療養に代わってからは、ホールで食事を食べる方は1名、2名程度です。

行事もいまいち盛り上がらなくなったし、以前から働いているスタッフにとって、虚しさを感じるものです。


コンサル会社はメリットをもたらしたのか?

これに対しては、ハッキリとNoとしか言えません。

もし、これが時代にニーズに合わせて地域密着性を重要視していたのなら、また違っていたのかと思います。

雇われの身となると、結局決断を下すのはトップなので、逆らえば「辞めれば?」という話。

こちらの提案は皆無なものです。

しかも、診療報酬の大元は国民の税金から成るもの。

沢山払った税金が、汚い経営方針の病院(コンサル会社)の収入源に化けてしまっているのです。

自分の会社の収入のためという視点から捉えれば経営のプロかもしれません。

でも、商売はサービス提供者とお客様がウィンウィンだからこそ成り立つのではないのでしょうか。。。


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