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漫画 君たちはどう生きるか 「心の声を聞きながら、共に歩む人生の探求」

(本内容は漫画 君たちはどう生きるかの感想文ですが、宮崎駿監督の映画 君たちはどう生きるかにも少し触れていますので、事前にお知らせします。ちょっとだけ映画のネタバレありますので、映画をご覧前の方はご留意ください。)




宮崎駿監督の映画”君たちはどう生きるか”を観ました。宮崎アニメの集大成のように感じた内容でした。最近の映画は公開前の番宣が多く、番宣だけで満足し観た気になり、観に行きたいと思う気持ちが薄れてしまうので、観たいと思った映画の番宣には触れないようにしています。

でも、この映画は幸いなことにほぼ番宣がないものだったので、わたしは、タイトルだけで、漫画の”君たちはどう生きるか”が宮崎駿監督によって映画化されたものとばかり思っていたので、映画が始まって、しばらく、ハテナが続き、少ししてから、別物だということに気が付き、映画の内容に集中できました。ちなみに主人公の男の子が亡くなったお母さんからもらった本の中に吉野源三郎著の”君たちはどう生きるか”が出てきたので、そこで自分の中では、ちょっとした答え合わせができたので、自分の中での満足のポイントでした。

と、前置きが長くなりましたが、今回は映画の感想ではなく、5年ほど前にベストセラーになった漫画化された「君たちはどう生きるか」の感想文を書いてみたいと思います。

吉野源三郎作の「君たちはどう生きるか」は、人生の探求と意味に焦点を当てた本であり、その中で主人公コペルくんと叔父さんの関係が印象的な要素となっています。このお話は、叔父さんのノートからの重要な引用を通じて、主人公のコペル君や読者に人生の真実と価値について深く考えさせてくれるものとなっています。

本書のテーマと内容の概要についてですが、この作品は人々が人生の意義や幸福を探求する過程を描いたものとなっていて、主人公コペルくんは、叔父さんのノートを通じて、本当の自分を見つける旅路に向かいます。叔父さんのノートは、主人公の成長と共に読者にも深い教訓と洞察を提供しています。

繰り返しになりますが、印象的に且つストーリーの中心となる叔父さんのノートには、真実と誠実さの大切さについての深いメッセージが込められています。彼は、「常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ」と述べ、ゴマかさないことの重要性を強調しています。学校での友達との関係、いじめ問題など、子供の頃の、子供たちだけの中の社会で過ごす少年少女時代に、この言葉は、主人公が自分自身と向き合い、本当の自分を大切にする姿勢を持つきっかけと勇気を与え、且つ読者にも訴えかけています。

また、叔父さんは「いろいろ経験を積みながら、いつでも自分の本心の声を聞こうと努めなさい」とも述べています。この一節は、人生の経験を通じて自己を深め、本心を見失わないよう努力することの大切さを示しています。

叔父さんのノートからの引用は、読者に強い感銘を与えますが、これらの言葉は、偽りのない正直な姿勢が人生の真の意義を見出す上で鍵となることを示唆しています。また、自己成長と自己探求の大切さについてのメッセージも込められており、叔父さんの教えが主人公のコペル君の成長に大きな影響を与えていることが感じられます。

叔父さんの言葉は、自己の正直な声を尊重し、他人との関わりや自己成長を大切にする生き方の価値を再確認させてくれました。特に、「ゴマさないことの大切さ」や「本心の声を聞く努力」についての教えは、深く心に響きました。ほとんどのごまかしやウソは、自分以外の誰かにつけても、自分には通用しません。ごまかしてる、ウソだとわかっているのですから。心を痛めて、初めてそれに気がつきます。そして、人の心の痛みにも気づきます。自分本位という意味では勿論なくて、己の心のままに生きることは難しいと社会や時代のせいにせずに、シンプルに考えることができることができるだけでも幸せことですし、心や生き方が軽やかになると思います。

最後にこの感想文のタイトルを「心の声を聞きながら、共に歩む人生の探求」としたことにも触れたいと思います。主人公のコペルくんと叔父さんの対話を通じて、本当の自己を見つける旅路と他人とのつながりの大切さを描いた漫画のテーマをタイトルに表現しました。彼らのやりとりが読者に深い感銘を与え、心の声を大切にし、共に成長していく人生の探求の重要性を示唆してくれていると思いますし、真実と誠実さ、自己成長の大切さについて深く考えさせる素晴らしい作品であると同時に、思慮深さと爽やかな余韻が残る素敵な作品だと思いました。

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