「映画を観て本を読む」サイクルが人生を豊かにするかも。
本を読んでいると「映画は観たほうが良い」という言葉とたまに出会う。主にビジネス書。時代を映しているとかなんとか。
そうは聞いても、その実感は無く、その言葉が出てくる度に「映画かぁ。観たいけどなぁ。」と、2時間ほどある映画に費やす時間が無いんだ、と自然にできない理由を並べることが多かった。
本もそうだけど、すぐに成果を得られないものは、なんとなくコスパが悪そうと敬遠してしまう。悪いくせだ。
ただ、その考えを一変させる本と出会った。2冊。
1冊目は、幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』。
写真を上手くなりたいと思っていた私にとっては、衝撃的なタイトル。そしてキャッチーな表紙。
いままで「写真とは?」とちゃんと考えていなかった私にとっては、頭を殴られたような衝撃を受けた。
この本を読むことで、写真に対する考えが180度変わったと言っても過言ではない。
そして、この本に、このような一文が登場する。
そして、
なるほど。
この文を読んだときに、なんとなく時間が無いからと後回しにしていた「映画を観る」という行為が、自分の中の「やってみよう」の枠組みへと移動した気がした。
ただ、何を観たらいいのか、全く見当がつかない。
ハリウッド?日本映画?アニメ?
こういう時は、本に聞こうと思い探してみると、以前、本屋で見たことがあったこの本が見つかった。
これが2冊目。
伊藤弘了さんの『仕事と人生に効く教養としての映画』。この本では映画初心者の為に、映画研究者である著者が、映画の見方を教えてくれる。
その中で紹介されていた小津安二郎監督の「東京物語」。1953年公開。
詳しい感想は、別のnoteで書こうと思うが、この「東京物語」、内容はもちろんだが、いちいち憎いほどに画が良い。
カメラが動いたり、カットが多く切り替わったりする映画ではないのだが、どのシーンを見てもその画に魅力を感じる。
ただ部屋で話しているシーンでも、その内容に関わらず、その画だけで心が動くのを感じる。部屋の真ん中で団扇を仰いでいるだけで、心が動くなんて想像すらしていなかった。
何が良いのかとか、どの技術が素晴らしいのかなどはわからないが、ずっとこのシーンを観ていたいと思ってしまう。
そして、白黒映画にも関わらず、時折カラーに、色が付いているようにも見えてくる。不思議なことに。
今から70年も前にこのような素晴らしい映画を作っていたことに驚く。と同時に、今まで観なかった後悔と、今知ることができて良かったという喜びを感じた。
この2冊の本と出会ったことで、映画に対するイメージが大きく変わった。
今までは、ただの娯楽だと短絡的に捉えていたが、映画には人生が詰まっているのだと感じるようになった。
この2冊の本を読んでから4か月ほどで、映画館で12本、自宅で8本の映画を観た。平日、仕事を終えてからも映画館に足を運ぶほどだ。
映画を観ることで興味を持つものが増え、そこから本を読み、また映画を観て本を読むという、無限に広がるサイクルが生まれてしまった。
映画を観る習慣を数か月間続けたことで、現在、このサイクルが自分の人生をとても豊かにしていると感じている。
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35歳から目指す豊かな人生。
「豊かな人生」を送るために模索していくことを書き連ねていきます。[旅行エッセイ/読書感想文/模索したこと]などなど。
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