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「ハリガネロック」わたしが人生で一番愛した漫才師

ハリガネロックのボケ担当ユウキロックさんが、「芸人迷子」という本を12月8日に出版されます。読む前に、ここに、書いておこうと思う。

超個人的な記録。わたしとハリガネロック。

もともと小学生のことから、ナイナイの岡村さんのファンで、そこから雨上がり決死隊のファンになった。特に宮迫さんにはかなり入れ込んでいた。そんなとき、なにかの番組でハリガネロックを初めてみた。ちょうど12月はじめだった。なんとなく気になるなと思っていたら、今年から始まるM-1グランプリに出場していると知った。ある日の朝、M-1の番宣CMで知った。見るしかないなと思った。

あれは中3のときだったのか。M-1を見て、すんごい面白いと思って、ハイスピードではまっていき、受験が終わったらbaseよしもとに通いまくろうと思っていた。なんなら、わたしも漫才師になりたいと、本気の本気で、大真面目に思っていた。登竜門的なライブにどうやったらでれるのかとか、一応調べていた。そう、わたしの愛読書は毎月のマンスリーよしもとだったから。

無事高校生になったわたしだけど、すぐにbaseよしもと通いをするわけでもなく、漫才師になるべく何かを始めるでもなかった。ただ毎週の「マジっすか!?」は本当に楽しみにしていた。HPの画像をガラケーにダウンロードして待ち受けにしていた(ユウキロックが携帯に扮して震えていたネタが忘れられない)。ユウキロックが着ていたドクロのTシャツが欲しくて、調べたらスーパーラヴァーズのものだってわかって、同じものを買いに行った。余談だけど、これがきっかけのひとつとなり、わたしはロック系のファッションに走り、パンク、ゴスロリ、とそっち系のファッションの道を通った。

そんなかんじでわたしがもたもた、ぼーっとしているうちに、ハリガネロックは東京に進出してしまった。今思えば、今のわたしのパワーがあれば、もっとハリガネロックの漫才を観ることができたのに、大阪の劇場にももっと通えたし、東京にだって回数は多くないにしても、行けたのに。ただテレビで見ているしか、できなかった。

だけど現実問題そんなもんで、いくらファンだって言ったって、いくら好きだって言ったって、他にもいろいろあるし、ハリガネロックにばかり時間をかけていられないのだ。

また受験を経験し、大学生になってからもそうで、東京進出したことで関西のテレビ番組で見かけることが少なくなった、というかほとんどなくなったハリガネロックのことを、わたしは忘れかけていた。好きな芸人を聞かれる機会があれば絶対に名前を出すけれど、その程度で、自ら足を運ぶほどではないように思えた。

だけど忘れたわけではなった。わたしが一番好きな漫才師は、ずっとハリガネロックのままだった。テレビで漫才を観ながら、ああだこうだとネタを分析してしまうわたしは、確実にユウキロックの影響を受けていた。

そしていつのまにか社会人になったわたしは、ハリガネロック解散を知った。なんとなく、もうちょい歳をとったら、大阪に帰ってきて、NGKとかで漫才をしてくれるんじゃないかと思っていたから、驚いたしショックだった。

解散して、ユウキロックが水道橋博士さんのメルマガで連載をするということも知った。でもわたしは購読しなかった。別に今でも好きだけど、大好きだけど、何故だがあと一歩を踏み出すまでに至らないように思えた。

こんなかんじで、わたしがハリガネロックを好きだという気持ちは、本当で本物だけど、大ファンですと、応援していましたと、大声では言えない。言えるほど、時間とお金をかけれていない。M-1で2位となったあの日からの約15年間。ずっとハリガネロックをみてきたわけではない。

だけど、今回ユウキロックが本を出すと知って、すぐに予約購入した。それだけ時間とお金に余裕が出てきた、というのもあるけれど、やっぱり、ファンなのだ。好きなのだ。わたしの知らないハリガネロックを、知りたい。

こうやって文章を書くにあたり、いろいろと思い返してみたら、自分の思い出と、そのときのハリガネロックがどうだったか、とかがリンクして、「ファン」という気持ちはその人の人生の一部になっていくのだなとつくづく思った。べつにハリガネロックがわたしに何をしてくれたわけでもないのに、すっかり人生の一部である。たまげた。

「またハリガネロックの漫才を観たいです」、っていうのがファン心理であり、いちファンが綴る文章の締めの一文にはもってこいなんだろうけれど、なんかそれも違う気がして。言うならば、「またあの時のハリガネロックの漫才を観たいと思いましたので、Youtubeとかで探して観ます」。

※昔からずっと失礼ながら「ユウキロック」とニックネーム感覚で呼び捨てにさせていただいておりますもので、そのように表記いたしました。

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