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日本の優秀な人材が世界水準の報酬と業務経験を得るためにどうすればいいか自身の経験から考えた

サマリー


  • グローバル基準への理解: 自分が目指す業務・業界でのグローバル基準を理解し、その中で日本と他国の報酬水準のギャップを埋めるための戦略を立てることが大切。円安が進めば進むほど日本企業が採用できる海外人材も絶対的に減っていくことは確実。

  • 英語力の強化: 今後どの経済圏が大事か不明ではありますが、英語はひとまず国際ビジネスの共通語ですし、さらには英語とビジネスの早期教育がグローバルなキャリアを成功させるための基盤を築くことになります。

  • 海外プロジェクトへの参加: 国際プロジェクトへの参加が、専門スキルと異文化間コミュニケーション能力の向上、グローバルなキャリアネットワークの構築に役立つことは間違いなし。

  • 企業によるサポート: 日本企業が従業員のグローバル人材育成を支援するために取り組むべき英語教育プログラム、海外研修、グローバルプロジェクトへの参加促進など、様々な施策が人材採用率を高めることに繋がる。

  • デジタルプラットフォームの活用: LinkedIn, Coursera, edXなどのデジタルプラットフォームがグローバル人材マネジメントにおいて今後重要な役割を果たしますし、世界の副業プラットフォームも最大限に活用しよう。


datagについて

世界をより良くするために圧倒的な速さで技術実装を!技術実装しながら事業実装できるエンジニアを増やそう!」をモットーに悪戦苦闘しているdatagの小林です。

当社では、

  • 顧客と並走して新規事業開発の成功率をUP

  • 脆弱だったり不慣れな開発組織の設計・構築・改善をトータルサポート

  • 有能な日本人に海外プロジェクト斡旋や業務特化の英語コンテンツの共有しながらキャリア育成をサポート(企業研修設計もやります)

  • 海外事業買収における技術・組織評価やPMI管理

だったりを経験あるフットワークの軽いメンバーがしっかり支援します。ご興味のある方はぜひご連絡ください

はじめに

さて、僕自身2008年からずっとリモート・グローバル体制で戦略コンサルからスタートアップでのプロダクト開発をリードしてきた経験があり、エンジニアチーム作りを日本に限定して構築しようと考えたこともないです。一方、エンジニアが採用できないけど外注にも出せないという経営者の声も多く聞きます。対面でじっくり開発した方が齟齬が少ないという意味でオフショア開発・外国人エンジニア採用に否定的な意見は理解できなくないものの、ここをどう打破するか色々と試さないと今後の日本は確実に置いてかれる可能性が高いでしょう。円安が進む中、世界と日本の高度人材に対する評価の違いが大きくなっていますし、これまで外注先であったアジア諸国の報酬との差もなくなってきています。

経済産業省の調査によると、2030年までに日本では79万人のエンジニアが不足すると試算されています。また、米国労働局の調査では、2030年までに世界的に8,500万人のエンジニアが不足するとも試算されています。別軸で今後の技術人材市場を見ると、マッキンゼーは単にエンジニアが不足するだけでなく、既存社員が習得すべきスキルにもギャップがあると報告しています。つまり、単にエンジニアを確保するだけでなく、既存の労働力のスキルレベルを刷新する(リスキリング)必要があると述べています。

ピンチはチャンス!

日本は世界から遅れてるとかよく揶揄されることが多いですよね。一方、エンジニア含めて給与バブルが起きてるとも言われることもあります。いずれにしても、私の勝手な所感だけで話しますが、日本のエンジニアやビジネス開発の人材の多くはこの円安が進むグローバル市場において、非常に過酷な、でも見方変えるとチャンス満載、の環境にあると強く感じます。ピンチはいつもチャンスです

冒頭で日本のIT技術者の報酬が世界的にすごく低く計算されてますが、これは日本企業がスキルや能力を高く評価しないだけではなく、単なる円安のせいでドルベースで計算すると低くなって”見える”のも否めないんです。ピンチをチャンスに変える人であればこれを逆手に取り、英語のスキル向上、海外プロジェクトへの参加、そして若いうちからの国際的な経験の積み重ねを通じて、グローバルな基準に見合った報酬を実現するために具体的な行動を起こすはずです。

僕自身、国内案件だけでなく海外案件をある程度こなしながら報酬ポートフォリオを組んで各国の経済リスクを減らせないか画策しています。高度なスキルや経験のある人であればすでに安定したキャリアポートフォリオ設計されてますし、国際的な基準に見合った報酬を受け取るために重要なステップを踏んでいるはずです。以下、

✔︎ どういう視座を持って動くといいのか
✔︎ どういうステップを踏むのか
✔︎ どういう機会が世界にはあるのか
✔︎ 結果、どういう旨みがあるのか

を整理して見たいと思います。

グローバル基準への理解: 目指すべき目標

地域や国によって大きく異なるエンジニアやビジネス開発者の報酬ですが、シリコンバレーやベルリン、バンガロールなどのテクノロジーハブでは、特に高水準の報酬が期待できます。一方、日本は現場での学びやOJT偏重が強く、人材育成・開発費は世界的に非常に低いのが現状です。これは自分が思い描くキャリア成長に投資してくれない会社を選ぶ人を増やさないのと同義ですし、より一層市場競争力も無くなっていく原因の一つです。

また、為替レートの変動や物価指数も国際的な可処分所得を計算するために重要になります。日本円が弱い状態が続くと、日本のエンジニアやビジネス人材の給与が国際的に見て低く評価されがちですが、この見方は、単純な為替レートの比較に過ぎず、実際の生活コストや購買力平価(PPP)など、より複雑な経済指標を考慮に入れる必要があります。2都市のエンジニアの平均年収が仮に2000万円だとしても、家賃や食費や光熱費が違えば結果違います。

ニューヨークの賃貸物件は60万ほどするらしいですし、日本だと10万出せば十分住めたりします。であれば、可処分所得を最大にしつつ、自身のキャリア成長の痛みを上手にコントロールできる環境がベストだと私は思ったりします。例えば、日本にいながら欧米の開発プロジェクトに副業として参加したり、バンコクに住みながら世界各国の案件をこなすこともできれば、かなり貯金や投資ができますよね。

グローバルな報酬基準の実現に向けて

時間や地域が離れていても十分世界で活躍するためにはやはりどういうスキルがあればいいのか気になります。特に、日本のエンジニアやビジネス人材がグローバル案件を探し当て、実際に業務に携わり、日本でもらうより高い報酬を得るには、以下のようなアプローチが考えられます。

  1. 英語力の強化:国際的なビジネスシーンでは英語がまだまだ共通言語となっており、流暢な英語はグローバルなプロジェクトでのコミュニケーションも楽しめるはずです。ただ、Native並みの英語文法を使えないとNGだと思い込む人も多いんじゃないでしょうか。考えて見れください、世界の大多数が英語Nativeではないってことを。意思疎通ができるレベルの英語と業務知識の深さがあれば十分やっていけます。

  2. 技術とビジネススキルの向上:グローバル市場で競争力を持つためには、最新の技術トレンドやビジネス戦略に精通していることが不可欠。日本の常識が世界の常識ではないですし、グローバルチームで仕事するにはお互いの文化の違いを抑えることでスムーズに進められることが多いです。ここでは常に自身のキャリアポートフォリオを意識して、各国共通で使えるものと各国独自で使えるものとあり得ます。

  3. 海外経験を積極的に積む:海外での実務経験は、異文化理解やグローバルなビジネス感覚を養う上で非常に有効です。日本も同じですが、継続的に一定の会社から業務を依頼される場合は、この企業のお作法を理解しているだとか、既存のチームとの相性がいいから、といった文化的理解が大事ってことが多いです。

ここからは、具体的にどういった方法でグローバルでの経験を手にしていくか僕の経験談から列挙してみます。

①英語力の強化:周りが必要なものを理解するため

英語は、国際ビジネスにおける共通語としての役割を果たしています。日本のエンジニアやビジネス人材がグローバルな基準の報酬を目指す上で、英語力の向上は避けて通れない課題です。

  1. 毎日の英語学習の習慣化:英語学習を日常生活の一部にすることで、自然と英語力が身につきます。僕は高校時代から字幕付きの映画をみて俳優がいってることを逐一真似して口ずさむようにしてました。日本にいても日本語で考えるのではなく、英語で日々の表現をするとどういう文章になるのか留意してました。今ではGPT使うなり翻訳アプリ使えば楽ちんです。

  2. 英語で実務に直結するコミュニケーション:日常生活や仕事の中で英語を積極的に使用することは大事です。でもまずは業務で使われる英語のいいまわしやスキットを集めて絶えず型を作って随時使うことが大事です。または業界誌を読むのいいでしょう。

  3. オンライン英語学習プラットフォームの利用:DuolingoやRosetta Stoneなどのプラットフォームを活用し、楽しみながら学習できます。ただ一般的なオンライン学習だと業務特化のシチュエーションでの英語はわからないですし、業界独特な言い回しを即座に集められそうにもありません。これはオンラインまたは海外で実施されるMeetupに積極的に参加すれば有益です。

私が代表しているdatag社ではソフトウェア開発、プロダクト開発、プロジェクトマネジメントの領域に特化した英語教材や英語教育相談を受けていますのでご興味あれば。

②海外プロジェクトへの参加:成果物のレベルを理解するため

海外プロジェクトやオフショア案件に参加できれば、日本のエンジニアやビジネス人材でも日本のやり方とは違った体制や手法で成果物を作成することができます。同時に報酬は外貨で支払われるため円安の今では国内案件よりは手取りが増える可能性が高いです。また、海外での実務経験は専門スキルだけでなく異文化間コミュニケーション能力やグローバルな視野を広げることにもなり、長期的にキャリアに非常に有用です。

海外プロジェクト参加のメリット

  • スキルセットの拡大:海外プロジェクトに参加して最初に戸惑うのが、参加メンバーの背景にある文化的な部分を理解しきれず、お互いの働き方や言葉の理解の深さもわからず対話が成り立たないことではないでしょうか。専門スキルを向上させるにはプロジェクトに参加するメンバーそれぞれの文化的背景を理解しつつ、多様な技術やビジネスモデルに触れながら、専門スキルの向上を目指せばいいと思います。異文化理解の深化:異なる文化背景を持つチームメンバーと協働することで、グローバルなビジネス環境で求められる異文化理解が養われます。

  • キャリアネットワークの構築:海外でのプロジェクト参加を通じて、国際的なキャリアネットワークを築くことは今後自身の差別化を図る上でも大事になってきます。これには、海外のフリーランスの募集情報が集まるサイトに登録する方法と国際色豊かな国内プロジェクトに参加する必要があります。前者の例として、remote.coやwe work remotelyやFiverrrなど登録して徐々に経験と報酬単価を上げればいいです。そういう動き方であれば同じプロジェクトメンバーだったり、海外のMeetupに参加して仲良くなるなど、海外案件や海外人材とのつながりが出来上がります。

  • 企業内キャリア研修としての海外案件:企業が社内で英語教育プログラムを提供したり、海外での研修や留学を通じて従業員が国際的なビジネススキルを習得できるよう支援し、さらにはグローバルプロジェクトへの参加を積極的に促進することで、従業員はキャリアアップの機会を与えらたと感じる場合も多く、離脱率の低下も期待できます。datagでオフショア人材を使った開発案件や事業開発案件に100%コミットして並走しながら監督・サポートします。

終わりに

円安が進行する中、日本企業はこれまでのように強い立場で海外人材の採用・オフショア連携はできなくなっています。日本のエンジニアやビジネス人材にとって、自らのスキルとキャリアをグローバルレベルで展開し、国際的な基準の報酬を得るためにも、何をすればいいのか整理しましょう。英語力の強化は、この過程で不可欠な要素であり、国際ビジネスの共通語としての役割を果たします。また、若いうちからの英語とビジネスの経験は、グローバルな競争力を養うための基盤となります。


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