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ステージ上の男を追いかける女

こんにちは!
心理カウンセラー/ボタニカルジュエリー作家の橘奈緒美です。

タイトルを見てなにそれ?と思われたかもしれません。
今日は爽やかな5月の陽気にふさわしく、ズブズブの沼についての記事です。

私は学生時代、ひたすら存在感を消して生きておりましたので、恋愛は漫画かドラマの中の出来事でした。

そんな思春期だったので、10代の後半で彼氏が出来ても、どうして良いのかわからずに数ヶ月で別れてしまったり、その後も海外をフラフラしたり転職もしていたので、まともに恋人を作ろうとも思わず過ごしていました。

距離が近づくと怖くなるという「親密感への恐れ」がバリバリだったのもありますが、たまにデートする人が何人かいて、それなりに楽しければいいじゃん!と本気で思っていたんです。

そんな私が沼女になったお話です。

イタくて楽しいアンダーグラウンド♪

そうこうしているうちに30代に入り、当時友人が連れて行ってくれたライブで、ステージ上の人に恋をしたんですね。

スポットライトを浴びる彼はとてもキラキラしていたし、それはそれは楽しそうでした。

今思うとどんなフィルターかかってんだ!目を覚ませ!と思うのですが。。

そもそもファンが少ないので全然普通に話せるし、友だちになるのも難しくはなかったのですが、当時は「こんな私とあんな素敵な人が話してくれるはずがない」という信念もあったので、その人と話せたときは、もう本当に嬉しかったんです。

とはいえ、私が親密感への恐れバリバリの超自立女なわけですから、相手も超絶野良猫野郎で、ある意味当然のようにウマは合うけど幸せにはなれない。

思わせぶりな態度を取ったかと思うとサッと引いていく。
振り回されているのはわかっているけど、追うのをやめられない。

そんな恋愛は中毒性があって、まさにアンダーグラウンド(依存先として普段は出せない姿を出せる場所)

友人のほぼ全員が「あいつはやばい、別れろ」と言うほどのことがあっても、なかなか離れられませんでした。

一人だけ、「自分が思い切りやったと思えるまで、燃え尽きるまでやったらいいよ」と言っていた友人がいたのですが、その子からも「もう病気になるからやめてよ」とお願いされるようになり、あ、これはいよいよまずいんだなと目が覚めた次第です。
彼女は沼から引きずり出してくれた、命の恩人です。ありがたや。

ただその彼のインパクトってものすごく大きくて、喪失の痛みも半端無かったんですね。
毎晩布団の中で泣いてたし、すごく不安定な時期もありました。

だから、別れたあとも似たような人を好きになって遊ばれたり(今思うと遊ばれに行ってるんですが)して、同じような傷つき方を繰り返していました。

グズグズのズブズブの沼に「いい湯ですねぇ。今度はアッチのお風呂に入ってみようかしら」なんて顔して、温めぐりのように浸かっていた沼女、それが私です。

でもね、魅力があるんですよ、あの人達!
だって、何かしらの才能や魅力があるから、注目とスポットライトを浴びているわけで。

芸術的な才能があれば尊敬もするし、女性の扱いに慣れているし、努力している人なら「ストイックで素敵!」と憧れる。

だから、惹かれてしまうのは仕方がないと思うんです。

じゃあ何が問題になるのか?

無価値感と罪悪感が沼女をつくる

恋愛では対等な関係を作るのが基本なのに、まずそこが出来ていなかったんですよね。

そして、結婚とか真面目なお付き合いにコミットしていたら、自分を大事にしてくれない人、結婚する気がない人、女癖の悪い人に行くはずもないというのも前提としてあります。

だから、顕在意識(心の表層のほう)では「結婚したい!愛されたい!」と言っていても、潜在意識(心の奥のほう)では「結婚したくない!私は愛される価値がない!」と信じていたのだと思います。

今もこの観念は私の中にまだあるので、沼を完全に出ましたよ!とは言えません。

ただ、以前の私が、魅力的とはいえ「なぜ自分をないがしろにする相手ばかり選んでは特攻していたのか?」と考えると、やっぱりそこには無価値感と罪悪感があるんだな、と自覚しています。

この無価値感を埋めてくれるほどの価値ある人=才能や魅力が豊かな人でなければいけないと言う思いがどこかにあったのだと思います。

自分にないものを持っている相手に惹かれるというのは、悪いことではないと思います。

ただ、相手に自分の穴を埋めてもらおうとすると依存になってしまい、奪われる恐れを感じた相手は逃げたくなるんですよね。

私は自立が強くて人に頼ったり甘えたりというのがドヘタクソでしたが、当時はそんな自分の依存心を引き出すような人をあえて選んでいたのかもしれません。

ある意味では「ツン」しかなかった私を「ツンデレ化」させてくれたので、ちょっとだけ感謝もしています。

そして私は罪悪感から「こんな私は愛されてはいけない」と思ってきているので、デート先で置き去り、ホテルで置き去り、約束を破られる、目の前で元カノと親しげにされる、などなどの愛されない証拠を体験しました。

これって私の中の「愛されてはいけない」を現実に反映しているので、ある意味自傷行為なのですが、当時は「くそやろう!なのに嫌いになれない!くそゴミ野郎!」と人のせいにしていました。(下品ですみません)

そんなわけで、無価値感と罪悪感が極まると、沼から沼へめぐり始めるのでは?と感じています。

ココから出るという決意をするには

この沼から出る決意ってかなり難しいと思っていて、例えば「もう結婚したいから出よう!」と思っていたとしても、婚活がうまく行かなかったり、思うような人と出会えなかったりすると、やっぱり引き戻されてしまいます。

だから本やブログを読んだり、セミナーを受けたり、カウンセリングを受けたりとメンタル課金するんですよね。

でも結局、自分が本気で変わろうと思えないと、どんなアクションも継続出来ません。

そもそも、沼って恋愛だけじゃなくて、何年も同じことで悩み続けていること、変わらない状況をずっと嘆いている状態のことだと思います。

問題が何であれ、何度カウンセリングを受けても、自分の本気が伴っていなければ変化は訪れません。

思ったような結果じゃないんだけど?と文句を言っても、それは自分のコミットメントが伴っていないので仕方がないことなんです。
これは自戒の意味も込めて、そう言えます。

ワークや行動習慣の提案などに対して、「それはやったけど変わらなかった」という場合、それは何年やったのだろう?と思ったりします。

数回、数週間で変わることってほぼなくて、人が行動を変えられるようになるのが早くて1ヶ月〜半年。
だいたい3ヶ月間毎日継続したことは、習慣になるそうです。

でもそれは早起きや日記、仕事の仕方など、比較的目標や達成できそうな期間がはっきりしているものではないでしょうか。

沼から出てちゃんと愛される人を見つけたい
もっとやりがいのある仕事がしたい
親やパートナーとの関係を良くしたい

というように、他人の影響を受けることは決意がぐらつく出来事も多いので、やっぱり無理だったと、継続を諦めてしまうのかなと思います。

でもそういうことこそ、長期で向き合うことをしていかないと結局元通りになってしまうんですよね。

心の問題は、十年単位の時間がかかることだって普通にあります。

ただ、書き出しとかお恨み帳ばっかりやるのは辛いのよ!というのもわかります。
そもそも私は目標に向けて努力するのが苦手なので。。
ということで、最近やっているのが「心地良さの追求」です。

これは女性性を開くためにもよく提案される方向ですが、自分の心が喜ぶことをする、嫌なことは可能な限り避ける。

私がしている具体的なことは、こんな感じ。

好きな人とだけ関わるようにする。心地の良い空間で過ごす時間を増やす。ちょっと高い花を買う。おしゃれをして出かける。異性と食事に行く。洗練されたサービスを受ける。コース料理を食べる。トレンドを調べてみる。ホテルに泊まる。丁寧にスキンケアする。嫌いな人とは極力関わらない!
などなど。

私は自営業なので、正直生活に余裕があるわけではありません。というか、ないです。
値上げのニュースを聞いて、とりあえず缶詰とプロテインで生きていけるのでは?と、ちょっとずつ買い足している程度の庶民です。

そんな私でも、上記のようなことは継続しやすいんです。だって楽しいから。
そして沼から沼へ渡り歩いていた頃と比べると、今は楽しいこと、美しいことが世界に沢山見えています。

以前のような「刺激的な恋愛や生活がしたい」とは思わなくなりました。

継続ができない、提案も響かないときは

シンドイことが継続しにくいのは当たり前。
だったら自分を喜ばせること、楽しいことをやって行きましょう。

そうしていくうちに、嫌なことが自分の世界から消えていって、最終的には自然な形で問題から離れることができるのでは?と思います。

それは根本解決じゃないんじゃないか?とか、お金と時間の浪費じゃない?と思われるとしたら、まだ「変わる覚悟」が出来ていない、「変わるのが怖い」だけかもしれません。

そういうとき、他人に「変わりたいと思わせてよ」というのは無理な話なので、まずは自分が今持っているもの、恵まれていること、そばにいてくれる人を見つめて、感謝してみましょう。

人が不平不満を持ち始めるときは、感謝が出来ていないとき。
私の沼全盛期も自分の不幸ばかりに目を向けて、誰に対しても感謝が足りていなかったな、と反省しています。

あれもこれも出来ない、と思っているなら、とにかく一日一度はありがとうございます、と心から伝える。

それだけでも、それぞれの沼から出るための第一歩になるんじゃないかな?と思います。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
橘奈緒美でした。

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