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どう弾いたら周りが合わせやすいかを考える

私はソロ志向ではありませんので協奏曲を練習する事はありません。
合奏、アンサンブルに特化している部分があります。
ですので、どう弾いたら周りが合わせたいかを常に考えて弾いています。
アインザッツという言葉があります。フレーズの出だしという意味です。
合わせる意味では出だしが9割です。
出だしが揃わないとその後を揃えたとしても逆に揃えに行く時の急加速で
バタバタした演奏に聴こえてしまいます。
そこでパートのトップはザッツを出すという作業をします。
パートのトップはフレーズの出だしで大きく振りかぶったりして
後ろに合図を出します。

私が気を使っている事は
フレーズの入る1小節前になったら楽器を顎に乗せ背後に準備を促します。
ただこの時に背後の飛び出しを制止する為に弓を持つ右手は
ダラリと下げておきます。
準備はしてね。でもマダ入らないよ。というメッセージです。
フレーズが入る2拍前に弦の上に弓をセットします。
入る1拍前に楽器のヘッドを振り上げながら息を吸い込みます。
コレをブレスを取ると言います。
入るタイミングで楽器のヘッドを元に戻しながら弾き始めます。

少し難しいのがアウフタクト等の弱拍や裏拍から入る曲です。
やる事は同じなのですが意外に難しいのです。リズム感が問われます。

合わせが崩れやすいフレーズはシンコペーションなのですが
シンコペーションのフレーズの場合は音の出だしも大事ですが
小節上の本来の拍感も重要なので
身体で拍を取って背後に伝えます。

シンコペーション

頭の音の次の4分音符の真ん中に本来の2拍目が有るので
ココに合図を入れます。不自然にならない程度にアクセントも入れます。

刻みが延々続くフレーズでも本来の拍感は背後に伝えます。

刻み

アンサンブルの崩れやすいポイントで急に出てくる装飾的な
速いフレーズでは走りやすいので出口から逆算して弾く事が重要です。

装飾的フレーズ

速い部分の音価を正確に入れることが重要なのではなく
出口の音、この例では3拍目を合わせに行く事に注目して
2拍目のタイではと3拍目のアタマはカラダが沈み込むザッツを入れ
3拍目の裏のアップのスタッカートをタイトに合わせる事に注力します。
こう考えると弾いている裏では実はかなり忙しいのです。

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