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「おごりたいから、400円ちょうだい」と言われたらどうする?

赤羽雄二さん『自己満足でない徹底的に聞く技術』で書かれているアクティブリスニングを実践中の畑中です。

「おごりたい」小2次男

我が家の小5長男、小2次男は、お小遣いで自分で食べたいおやつを買っています。

最近、小2次男は、学童から帰宅すると、地元の小学生たちが集まる公園に出かけていきます。

公園では、サッカーやドッジボールや鬼ごっこ、ポケモンメザスタやポケットモンスターのカードで遊ぶのが流行っています。

友だちと駄菓子屋さんに行く約束をした日は、お小遣いを持って出かけ、一緒に食べたりもしているようです。

学童から帰宅したある日、「友だちにおやつをおごってあげるから、400円ちょうだい」と言ってきました。

あなたなら、こう言われたときどうしますか?

私は、

「おごってあげるのはいいけど、自分のお小遣いの範囲でやりなさい」
「お友だちはお友だちで、自分のお小遣い持ってきているんでしょ?」
「400円、高いよ。なんで、みんなの分までおごるの?」

友だちに、おごることが当たり前になったり、たかられたら困るな…という心配や、逆におごられる側の親の立場になったときも、面倒くさいな…という思いもありました。

「おごりたい」という言葉に反応し、子どもの話を徹底的に聞くより先に、私が話し始めてしまいました。

すると、

小2次男:「もう、友だちと約束しちゃったもん」

と涙目です。

まずい!失敗した!言っちゃった!!と気づき、アクティブリスニングモードに切り替えました。

私:「お友だちと約束したんだね」

小2次男:「うん。だから、400円ちょうだい」

と涙目で、強めに訴えてきます。

私:「400円が欲しいんだね。随分高いと思うんだけど、みんなは、おやつを持ってこないの?」

小2次男:「みんなもそれぞれ、好きなおやつを持ち合うよ。僕は、みんなに地球グミを食べてもらいたんだ」

私:「あー、地球グミ」

地球グミは、いま子どもたちの間でブームになっているおやつです。販売価格は、1袋(75グラム、4個入り)で500~600円ほどで売っています。

自分のお小遣いと400円を合わせて、地球グミを買いたいようです。

小2次男:「地球グミは、食感が面白いし、中にとろーりソースが入っていて旨いんよ!だから、食べてみて欲しくて」

私:「地球グミを買って、食べさせてあげたいんだ」

小2次男:「うん、まだ食べたことがないんだって」

私:「そうなんだ。友だちの人数分あるの?」

友だちの名前を教えてくれ、1袋買えば、みんなに行き渡るそうです。

よく話を聞くと「おごる」と言っても、一方的におごるわけでもなく、「美味しいから食べてほしい」が、ことの始まりであることもわかりました。

よく話も聞かずに、余計な一言、いや二言、三言を言って、泣かせるようなことではなかったのです。

小2次男に400円を渡すと、笑顔で「行ってきます~!」と公園に出発していきました。

友だちと食べた地球グミ

夕方、公園で遊びほうけて、泥だらけになった小2次男が、帰宅しました。

「みんなで買ったおかしを食べて、楽しかった~!地球グミの食感、驚いていた~」

と、嬉しさの中に自信満々の様子がみてとれます。

「そうなんだね」と、そこからアクティブリスニングが始まります。子どもが体験したことや、感じたことを聞かせてもらえる時間は、幸せを味わえる至福の時間です。

子どもは、「○○したい」と色々なことを言ってきます。子どもの感情が動いたときの何かしたいのエネルギーは、すばらしいものです。それなのに、心配や不安から、ついよかれと思って余計なことを言って、邪魔をしがちです。

アクティブリスニングを知ってから、「余計な一言」に気づけるようになってきました。話を聞いるときに思い浮かぶ「雑念」を、いったん横におき、子どもの話を聞くようにしています。

徹底的にアクティブリスニングができると、子育ての幸せを味わえる機会が増えて、好循環が回っていきます。

「おごられる」小5長男

小5長男は、サッカーの練習日は、夜8時ごろに帰宅します。練習後はお腹がすくので、友だちとコンビニに立ち寄り、買い食いをしているようです。

各自、食べたいものを買っていると思っていましたが、ひょんなことがきっかけで、そうとも限らないことがわかりました。

小5長男と一緒に自転車で、近所を走っているときに、

小5長男:「この自動販売機、ジュースが1本100円で買えるんだよ!」

私:「ほんとだ~!!」

その道は、毎日2回、3番目長女の保育園の送り迎えで、通っています。自動販売機の横に、灰皿があり、喫煙者がよく居るので、息を止めて超特急で自転車をこいで通り過ぎます。そのため、ジュースの値段が目に入ることもありませんでした。

同じ道を通っていても、気づくことや感じることは、全く違います。そんなことを思いながら、小5長男の話をアクティブリスニングしていると、

小5長男:「100円と言えば、この間、サッカーの帰りに100円の焼きおにぎりおごってもらって、食べたんだけど、めっちゃ美味かったんだ〜」

私:「おごってもらったの?」

小5長男:「うん、『この焼きおにぎり、めっちゃ美味いから食べてみて』って、おごってくれた」

小2次男との失敗があるので、「おごる」の言葉に反応しないように気をつけます。「おごる」と聞いて、私の頭に浮かんだ「雑念」をいったん脇において、聞き続けました。

私:「『めっちゃ美味しいから食べてみて』って、おごってくれたんだ」

小5長男:「コンビニの焼きおにぎり、初めて食べんだけど、めっちゃ美味かったんだよ〜」

私:「めっちゃ美味しかったんだ~」

小5長男:「自分じゃ、絶対買わなかったけど、今度から買う。あんな美味しいものを教えてくれて、やさしいなと思ったよ」

私:「そうなんだね。●●くん、やさしいね」

小5長男は、美味しいものを教えてくれた友だちを、やさしいなと思ったようです。

「おごってもらった」という言葉に反応せず、アクティブリスニングしたら、子どもの感じたこと、考えたことを聞かせてもらうことができました。

アクティブリスニングを意識していなかったら、
「友だちにおごってもらったりしたらいけないよ」
「ちゃんと、今度お返ししなさい」

と、言われなくても、わかっている、余計な一言を言って、「うっせー、ばぁばぁ」になっていたことでしょう。

そんな余計な一言は必要ないのです。

数日後、焼きおにぎりをおごってくれた友だちが我が家に遊びに来ていました。その友だちに、小5長男は、自分の大好きなおやつを食べさせていたのです。

苦しくつらい子育てから抜け出し、家庭を安全基地にしたい方へ、情報を更新しています。

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