『孤独の本質〜つながりの力〜』書評・抜き書きまとめメモ

『孤独の本質〜つながりの力〜』ヴィヴェック・H・マーシー著(英治出版)

書評・抜き書きまとめメモ

英治出版様より献本の機会を頂き、レビュー投稿です。

人は、集団で未来への意志を持って行動するという特性を持つことが出来たことにより、他の生物にはない独自の文化や特性を獲得してきました。

その本質を、筆者はつながりの力と呼び、そのつながりという根にある強い感覚が、孤独という感覚に敏感な身体の特性を作り出し、それが様々な病気の原因になっています。

孤独とは、「孤独感」であり、大人数といれば良いというものでもなく、内向的な人は却って大勢といる時の方が孤独感があったり、大勢の飲み会で、お話のグループや交流会みたいな所で、ふと話し相手がいなくなった時の孤独感等、多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか?

何かの一人作業のようなものに没頭していたとしても、脳科学的には、その作業を行なった直後からすぐ、社会ネットワーク的なところを司る脳の部位が活性化するとのことです。

一人の方が好き!という人も、一人という定義が生まれること自体に、デフォルトの感覚に、集団でいるという感覚が埋め込まれていると言える気がします。

そして、集団ということを定義するには、同時に集団の外という、味方とそれ以外(敵)という境界を作り出してしまう感覚があることも確かで、世界で最近起きている悲しい紛争の数々も、そういった人の来歴からくる性(さが)からするものだと言ってしまうと元も子もないのですが、そういったところをどうしていくのかという、つながりの作り方事例をこれでもかと解説してくれている本です。

個人的には、関係性エネルギーという言葉が印象に残っています。

最近、気候変動団体の運営者が集まったコンソーシアムの伴奏支援をしているのですが、そこで何をしているかということよりも、そこにある関係性エネルギーの大きさそのものが、活動や想いを突き動かし、周りにも伝播していると凄く思っています。

以下、多読書評ブロガーなることをしていた時代によくやっていた抜き書きまとめメモです。

第1章 目の前にあるのに気づかないもの

◾️孤独感

深い悲しみやさらなる孤独を生む

◾️人とつながり合うこと

気持ちを前向きにし、創造性を高める

互いが互いのためにいると感じているとき

人生はより盤石に、より豊かに、より活き活きしたものになる

◾️孤独感に例外はない

多くの人の目の前にあるのに気づかない

「帰属する場所のなさ」

「ここが家だ」とちう感覚が得られない

欠けていたのは

家の基礎となる人間同士の真のつながり

◾️社会の問題の多くが

孤独やつながりの欠如によって悪化

◾️コミュニティとしての本能

共通の目的を分かちあっているとき

共通の危機を感じているとき

対応可能な救助の呼びかけが聞こえたとき

多くの人は立ち上がり、一丸となる

◾️「3つの領域」

「親密圏の孤独(感情的孤独)」

愛と信頼の絆で深く結ばれた親友やパートナーを欲している状態

「関係圏の孤独(社会的孤独)」

良質な交友関係や社会的なつながりとサポートを求めている状態

「集団圏の孤独」

目的意識や関心を分かち合える人的ネットワークやコミュニティに飢えている状態

どれかが欠けると孤独を感じる可能性がある

主観的な感覚

大事なのは社会との接点や量や頻度ではなく、人とのつながりの質や、その関係性に対する自分の感情

◾️Solitude (単独)

Lonliness (孤独)とは違う

心穏やかにひとりでいる状態

自ら進んで周りから離れている状態

ひとりになることで内省し、

自分が信じるものとのつながりを新たにしてきた

◾️孤独にまつわる調査

「UCLA孤独感尺度」を用いたAARP(全米退職者協会)の2018年調査

アメリカの45歳以上の3人に1人が孤独であると判定

カナダでは、中年および高年層の約5分の1の男性と約4分の1の女性が週に一回以上孤独感を感じる

オーストラリアでも、成人の4分の1が孤独を感じている

◾️人間関係

穏やかな暮らしにとって食べ物や水のように不可欠

孤独は人とのつながりが必要だと伝えてくる自然なシグナル

◾️社会とのつながりが強い人

ジュリアン・ホルト・ランスタッド博士

ブリンガムヤング大学の教授

人間関係と健康の関連性を示すデータ

弱い人より早死にする確率が50%も低い

社会とのつながりの欠如は、一日にタバコを15本吸うのと同じくらい寿命を縮める

肥満やアルコールの過剰摂取や運動不足よりも大きなリスク

冠状動脈性心疾患、高血圧、脳卒中、認知症、うつ、不安

孤独の場合の方がリスクが大きいと主張する論文多数

孤独感を抱く人は相対的に睡眠の質が低く、免疫システムに障害が起きる可能性が高く、衝動的な行動をしがちで、判断力が低くなる

◾️社会的処方

患者が健全な社会的つながりを構築するための社会資源やコミュニティ活動を紹介する(処方する)こと

このアプローチは、孤独が健康に影響を及ぼすこと、そして人は一般的につながりを求めるものだという認識に基づいている

第二章 孤独の進化史

◾️ジョン・カシオポ

孤独を歴史や生物学という観点から眺めた

「社会的なつながり」に対する人間の欲求

数千年にわたる進化に根差した生物学的・社会的な本能

孤独は、その欲求を満たせと伝えてくる警報として進化してきた

人間が種として生き延びてきたのは

社会集団のなかでつながりを築く能力があったからだという考察に基づいている

◾️心理学者ウィリアム・フォン・ヒッペル博士

「われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか」の著者

約300年前にアウストラロピテクスが物を投げる能力を身につけだしたころ

グループで力を合わせた方がよいというインセンティブが働くようになった

つながりは

生存の確率を高めるだけでなく

イノベーションの確率を高め

種の創造性を強化する

「人間は、たとえいますぐ何かが得られるわけではなくとも、考えていることを他者と共有するようになった地球上で唯一の動物」

感情にまつわる情報も大切

この人は獲物を寛大に分けてくれるだろうか?

あのボスは信頼できるだろうか?

助け合うために相手を信頼してよいだろうか?

「さらに人は、ひとりでいることを不快と感じるように進化していった」

人とのつながりが強ければ強いほど、私たちの文化は豊かになり、社会もより強固になる

◾️スティーブ・コール博士

カリフォルニア大学でゲノム科学を研究するグループ

人とつながることは身体のストレス反応を減らす

社会的行動は、不安や怯えを減らし、より安心感を与えてくれる

人と一緒にいることが普通だと感じるようにできている

オキシトニン、ドーパミン、エンドルフィンといったホルモンや神経伝達物質物質を介した体内の反応

オキシトニン

母子間の絆形成に働く

グループ内のつながりを促進する一方で、グループ外に対する警戒心も強める

エンドルフィン

自然界の鎮痛剤のようなもので、痛みの感覚を減らし、多幸感や恍惚感をもたらす

痛みを感じている時や、運動している時にも分泌されるが、人の身体に触れたり、他者とシンクロして動いたりするときにも分泌される

ドーパミン

脳の報酬系のキープレーヤー

孤立状態になると増加して、仲間を探せと促してくる

◾️マシュー・リーバマン博士

カリフォルニア大学神経科学の専門家

社会的思考と非社会思考は異なる2つのネットワークで処理されている

「神経のシーソー」

2つのネットワークを行ったり来たりする様子

「なんらかの非社会的な思考を終えるたび、ほとんど一瞬のうちに社会的な思考のネットワークが反動のようにして戻ってくる」

人間は社会的な生き物になるよう作られている

世界を社会的なものとして見る

何もしていない状態の脳にとってそれが最適

眉間の奥に位置する内側前頭前野

自分のことを考えているとき

個人的な好みを考えている時に活発になる

他者と関わっているとき

この内向きであるはずの領域の動きが活発になる

つまり

人と関わることを通して

自分自身を定義しようと試みている

私たちのアイデンティティ

社会的なスポンジのように

周りからの影響を取り込んでいく

本人も気付かぬうちに

他者の考えを取り込んでしまう

◾️知覚矮小化

乳児は他人種の人たちの顔は区別できなくなってい区別一方で

最も近く親しい人たちのちょっとしたシグナルには、より敏感になっていく

帰属意識を高め、敵かもしれない相手から身を守る

孤独の兆候が現れたとき

交感神経系が警戒態勢に入り

不安が引き起こされ

ただちに闘争か逃走かの準備が始まる

緊急事態だと読み取る

孤立から引き起こされる強い警戒態勢は

何千年もかけながら

私たちに孤独を不安だと感じさせるようになった

◾️睡眠の質の低下

孤独感が強いと

狼や敵に襲われまいと

眠りが浅くなり、頻繁に目を覚ます

自分ではよく寝たと思っていても

微弱な覚醒によって睡眠の質が低下し

疲労感や苛立ちが残る

◾️現代

人間の初期設定はリラックスして気楽にしている状態

そういう状態ではつながりを築くことに前向き

しかし現代ではそんなふうに感じている人は少ない

常に効率よく作業を終えることばかりに躍起

「遺伝しているのは孤独感ではなく、つながりの欠如に対する痛みの感覚」

◾️つながりへの欲求

人間の最も重要な生存本能のひとつ

つながりを求める本能があまりに大きいため

つながりが断たれると本当に痛みを感じる

その痛みは

痛みの原因に目を向けて対処せよと教えてくれ

人間の生存に役立つ

第3章 つながりの文化

◾️イギリスの歴史学者フェイ・バウンド・アルバーティ博士

ダーウィン 「適者生存」 

世界各地を植民地化していく過程で

「適者生存」の文化を広めていった

◾️フッター派

新約聖書の使徒言行録2章44節

信者たちは皆一つになって、すべての物を共有

150人ほど

誰もがコミュニティの一員として意義ある仕事ができるよう

各コロニーは小規模に保たれている

「自己放棄」という考えを信じ

奉仕し合うことを重要視

「他者を通して生きる」という言葉に集約 

◾️市長トム・テイト

「親切は伝染する。全員がもう少しだけ親切心を持てば、文字通りすべてが今より良くなる」

「ともに存在すること」

より高次なレベルの親切

最も深い形での親切は

人とともにいて、つながりを築くこと

◾️沖縄の「模合」(もあい)

親しい友人たちの相互扶助ネットワーク

互いの家を訪ねたり、野菜を持っていったり、たくさんの行き来がある

「地域の新参者」が参加しても、強い結びつきを築いていた

感情的に強くむすびつくことが推奨されていて

正直かつオープンに意見を伝え合っているから

友情を「実感」

◾️「男たちの小屋(men’s shed)」

「女性たちは面と向かって話すが、男たちは肩を並べて話す」

何かの試合を観たり、一緒に作業するなど

本人たちに直接焦点が当たらないものを介したほうが

男性同士はつながりやすい

オーストラリア政府

男性の孤立や孤独感は独特なものであるうえ増加傾向にあることを認め、

「男たちの小屋」は、国の男性健康政策の一部として正式に採用された

「女の子はいつも何かと比較するような感覚を持っている」

「常に周りから遅れることを心配しているけど、追いつけたと思うことは決してない」

文化的価値観とは

ある文化圏に広く普及した考えを反映したもの

個人としての願望や優先順位を押しやってしまう

集団に属することは

獣や敵から身を守ることを意味していた

「安全を感じるためには人と一緒にいる必要がある」というシグナルと同時に

「信頼を疑って他人は避けるか遠ざけておくべきだ」というシグナルを送ってくる

祖先とは違い

孤立した閉鎖的な部族や村からなる世界に住んでいるわけではない

自分が生まれたコミュニティに馴染めなかったからといって

永遠にひとりで荒野をさまようはめになるわけでもない

私たちの中にある配線は、こうした環境がなおも存在しているかのように配線されている

今必要なのは、

私たちにとって大切な集団的要素などに

人間関係、コミュニティ組織、近隣地域、社会・文化機関

再び力を入れていくこと

第4章 なぜ、いま?

SNSのヘビーユーザーは、使用頻度の低いグループに比べて孤独を感じる割合が2倍高い

SNSのヘビーユーザーのほうがうつ病になりやすい

「鶏と卵とどちらが先か」という議論を巻き起こす

問題は、スクリーンに向かう時間ばかりに気を取られて、

そのコンテンツや、技術の種類や、利用する動機についてはあまりに気してないこと

SNSは充実したつながりを発見するのに役立つ

しかし環境が不適切である場合

孤独感を悪化させる可能性がある

◾️マルチタスクという神話

マルチタスクをおこなっていると

注意力がどんどん細切れになっていき

効率性が低下し、各作業への関与の質も下がる

◾️ソーシャルメディア

他人と比較する文化を助長する

◾️本当の自分らしくいるとは

自分の弱さを見せること

それには勇気が必要

◾️日本では、2040年までに

5世帯のうち2世帯が単身世帯になる

◾️つながりを求める人の気持ち

人は自分の物語りを共有したい

誰だって、自分は大切な存在であり

互いの人生に影響を与え合っていたのだと思いたい

◾️グローバルファミリー

相手の暮らす場所を訪れ

その人と膝を突き合わせると

集団的な共感が芽生えだす

そこで生き、暮らしている人の視点から世界を見るようになる

◾️怒りの大部分

「動機帰属の非対称性」

自分たちの信念は愛に基づくものだが

敵の信念は憎しみに基づくものだと考えてしまう

イスラエルの場合

自分たちは自国民の愛のために戦っている一方で

パレスチナの人々は憎しみに駆られて戦っていると考えてしまう

逆もまたしかり

【ジョン・ポール・レデラック】

平和構築に携わってきたノートルダム大学教授

◾️立場の違う相手と

怒りを爆発させずに場を共有しながら意義ある対話をするには

「友情関係を築く必要がある」

「行動で友情を示さなければならない」

その「友情」には何が必要?

オーセンティシティ

つながろうと働きかけ、心を開き、本当の自分を出し合うこと

違いやバラつきのある相手ともつながれるように

関係性に対して正直かつ積極的であること

◾️信頼と結束

十分な信頼があれば

人々はつながろうと働きかけ

心を開くことができる

自分の懸念や不安を伝えることができる

つながろうと働きかけることは

相手への恐怖、あるいはこちらが相手に対して着せていた汚名を振り払っていくこと

◾️つながろうと働きかける目的

ただ相手と会って共通点を見つけ

「友情を再構築」するために必要な信頼を育む事

そのためには

小さく始めつつも

より質の高い関係になるよう積極的に取り組むこと

◾️積極的な関わりの実践のために

レでラックは学生たちに、3つの基本的な課題を与えている

1.理解を目指して話を聞くこと

2.心からの気持ちを話すこと

3.それらを続けること。残りの人生ずっと。粘り強く。

ムービングトゥギャザー

『一緒に進んでいく』

事態全体を解決に進めていこうなんて思わず、何人かの人と、重力に逆らいながらも一緒に進んでいくことを考えればいい

◾️人間には2つの基本的な願望がある

自分のありのままの姿で快適に過ごすことと

この素晴らしい地球で快適に過ごすこと

コミュニティがなければ、私たちは苦しむことになる

呼吸をするために酸素がないようなものだ

第5章 孤独の仮面を剥がす

◾️小さな善意は

その善意をお返しせねばという暗黙の義務感を生む

◾️贈り物への返礼を行う『互酬』という社会通念

感謝や相互尊重の気持ちが呼び起こされ

協力関係が促され

互いの信頼や絆が強化される

◾️信仰において

奉仕をする側もされる側も、どちらも恩恵が受けられる

◾️理想的なのは

奉仕を通して

人間の深い部分に思いやりが浸透し

人格に織り込まれていくこと

◾️マハトマ・ガンジー

「自分を知る最良の方法は、他者への奉仕に没頭することだ」

◾️真に治癒的な相乗効果が生まれるのは

共通の目的を達成するために周りと一緒になって行動を起こすとき

「少なくともはじめのうち、大切なのは他の人に会うことよりも、目的を見つけて自分より大きな何かに奉仕すること」

◾️人間は社会的な生き物であるため

自分のことばかり考えている状態が正常でないことは身体が知っている

神経生物学的に言えば

だからこそ力を合わせて何かポジティブなことを成し遂げると

脳は報酬を与えてくれる

良いことをすれば良い気分になる

◾️ヨガとマインドフルネス瞑想

自分の中を深く探り

より深く向き合うことができた

より深く、より本来に近い自分を理解できるようになった

内側から導かれて行動するようになった

◾️トラウマや病気など

困難にもかかわらず

活き活きと過ごせる強さの源

「親代わり」の存在

子供ひとりには、いずれか一人いれば良い

重要なのは

親代わりの人が愛情深く身近で対応してくれて

感情的に安定していて成熟していること

愛情深く育てられた人たちは

信用があり信頼できるコミュニティを頼ることを学んでいった

◾️スペースギャザリング

大学にあればよかったこと

『より深く、より自分らしい会話と友情』

3分間、参加者の目を見つめ合うエクササイズをしてから、自己紹介

人生で一つ、とてもうまくいっていることは何ですか

苦しんでいるのはどんな部分ですか

消えない教訓

本当の自分らしさを表現して伝え合うことを後押しする文化を育むべき

◾️自分自身とも

心の中で親しい関係性を築いてサポートすることが重要

親しい友人と接する際の優しさ、励まし、素直さを持って自分に接していく

◾️自己認識とは

自分を発見し受け入れていく過程

自分の自然な本能、感情、行動を正直に眺め、それらをより良く理解することで

本来の自分に反することのない意思決定を下せるようになること

自分の性格や行動に居心地の悪さを感じる部分があるとしても

自分を知ることは、それに建設的な形で対処する手助けとなる

◾️畏敬の念

美しいタスマニアブルーガムユーカリの木々の前に立ち、1分間見上げる

もう一方のグループには、同じ場所に立ちながら、隣の高層ビル。1分間見上げてもらった

ペンを「偶然」落とす

木を見上げていたグループの方が、落とした人を多く手伝ってくれた

◾️自分自身とのつながりを深めると同時に

自分という存在は

見えない部分でつながり合った大きなものの一部であることを思い出させてくれる

誰であっても、感謝すべき対象はたくそんある

誰でも、人に提供できるものをたくさん持っている

自己認識とは思いやりを土台にして互いに手を差し伸べ合うとき

私たちは人生を変え、世界を癒やす力を手にすることができる

第7章 つながりの3つのサークル

◾️友情

本質的にいえば

パートナーや家族や気の合う仲間やコミュニティのつながりを保ち続ける社会的な接着剤

◾️互酬的な性質のもの

個人の交流や感情にとって最も健全で有益な関係

互いに支え合う人たちは健全な友情関係を築く傾向がある

積極的に奉仕し合うこと

気持ちを語って共有し、心から耳を傾け合う

相手を理解しようと努める

◾️友人とは

相手のことを気にかけていると示す存在であり、

そうすることで

相手の人間的価値を鏡のように映し出す存在

◾️友情において考えるべきことは

相手がこちらに何をもたらすかではなく

互いの前でそれぞれがどんな自分を出し、どんなことができるかだ

何をするでもなくともに時間を過ごすというのは、ある意味で、失われた技術になっている

帰属意識を感じられることへの感謝

【イギリスの進化心理学者ロビン・ダンバー博士】

「インナーサークル(内円)」
「ミドルサークル(中間円)」
「アウターサークル(外円)」

◾️「インナーサークル(内円)」

相互の絆が最も強い

時間とエネルギーを必要とする

同時期には15人ほど

60%の時間とエネルギーを費やす

そのうちの殆どのエネルギーを費やすのは5人を超えない

デジタル上では

この60対40の比率が簡単に逆転

◾️「ミドルサークル(中間円)」

150人ほどに広げられる

互いの人生の交わりを楽しめる相手

関係圏における孤独を防ぐクッション

ミドルサークルの友人を得るには

歌うグループに参加することが最善の方法の一つ

相手がいて息を合わせながら体を動かすと、得られる効果が劇的に高まる

◾️「アウターサークル(外円)」

職場の仲間や知人

500人やそれ以上にまで拡大できる

【ミシガン大学にある「ポジティブ組織学センター」らの責任者を務めるウェイン・ベーカー博士】

◾️「関係性エネルギー」

職場によき友人がいる従業員は

会社のための行動を起こそうとする

関係性エネルギーは連鎖反応を起こす

◾️「ハイクオリティ・コネクション」

肯定的配慮

相手から知られ愛されているという感覚

尊重され大切にされているという感覚

こちらのウェルビーイングを心から気遣い関心を示してくれる人に出会って気分が高揚したときに実感できる

ただ気分が良くなるだけでなく、人生への肯定感やエネルギーを与える

◾️「マイクロモーメント」

ささいで自然発生的な交流を通して同僚たちとの関係性が強化される

相手の顔を見て調子はどうかと尋ねるだけでも、相手を気遣っているのに等しい

【ジンガーマンズ】

◾️自然の生態系は全てつながっている

私たちも、コミュニティや、従業員同士や、自分とのつながりを大切にしなければうまくいかない

◾️リーダーの気持ち

入った瞬間からリーダーの気持ちでいてもらうことを伝え

組織に積極的に関わってもらう

「たとえば、テーブルを片付ける係の人だとしても、その人は僕よりも利用客と関わる機会が多いんだから、入った時からリーダーなんだ」

全ての従業員は、どの部門の会議にも参加することができる

◾️おしゃべり歓迎ベンチ

友情ベンチ

誰かが立ち止まって話しかけても構わないという方はお掛けください

第8章 ひとつの大家族

◾️感情の健康を維持する

「RULER」 5つの重要なスキルの頭文字

感情を認識する(Recognizing)
 相手と自分の生理的反応や認知を読取る
感情を理解する(Understanding)
 様々な感情の原因結果影響を理解する
感情を名づける(Labeling)
 あらゆる感情を説明する語彙を持つ
感情を表現する(Expressing)
 あらゆる人へ複数の文脈で適切に表現
感情を調整する(Regulating)
 成長・関係構築等の為に戦略的に調整

自尊心、共感力、高いコミュニケーションスキル

健全な人間関係を築く

◾️親切の潜入捜査官

名前を引いた生徒に親切な行為をすること

◾️愛するみんなへ

あなたたちがかけがえのない存在なのは

愛を与えたり、受け取ったりふる力があるからに他なりません

それがあなたたちの持っている魔法なのです

孤独や苦しみを感じたら

両手を心臓に置いてみよう

そして、目を閉じる

人生を通してそばにいてくれた友人や家族のことを考えよう

そういう人たちの温かさや優しさが、あなたの苦しみを洗い流し

幸せで満たすのを感じよう

そうしたら、さあ、目を開けよう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?