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死を前にした人に、あなたは何ができますか?|を読んで分かったこと

このタイトル、ドキッとして、自分の無力さにグーっと胸が苦しくなります。私たちに何かできることがあるのか、と。

死を前にした人に、私たちができることがあります!

著者で医師の小澤先生が、本の冒頭でのいきなりの断言!本当に?と私は驚きました。以下、引用になります。

 それは、その人の顔の表情を大切にすることです。たとえ人は死を前にしても、穏やかな表情で過ごせる可能性があります。
 穏やかだと思える理由は人によって異なるでしょう。こちらの世界観で一方的に決めつけずに、1人の人間として、その生き方を尊重しながら、穏やかになれる条件を探してみましょう。

「はじめに」より

痛みが少ないこと、希望の場所で過ごせること、なるべく家族に迷惑をかけないこと……人それぞれに、穏やかになれる条件があり、これらの条件を援助できるのは、一部の医療者だけではない。関わる全ての人ができるのだ、と。

短かった看護師時代、死を前にした人たちに何ができるか、私はずっと悩んでいました。その時に、読めていたら…

でも、過去の躓きは、その後の人生に課題を残すのでしょうか。今また、形は違いますが、死について人生の意味について、もう一度、リベンジしようとしているのだと思います。

エンドオブライフ・ケア協会の研修に参加してみた。

エンドオブライフ・ケア協会は、有志の皆さんと小澤先生が立ち上げた協会で、命の大切さや人生の最終段階について、啓蒙や人材育成をしています。

先日、以前から興味があった研修に、思い切って参加しました。

小澤先生は、NHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演したことがあるそうです。

緊張しました!そもそも研修って、毎回、緊張しますよね。

でも、参加して良かったです。医療や介護関係の方が多い印象でしたが、学生さんも参加していました。

一緒に演習した看護師さんは、本当に一生懸命、患者さんにどう向き合えばいいのか、模索されていました。他の参加者の方も、同じ気持ちを持って、日々、仕事をされているとのこと。頭が下がります!

医療や介護等に関わっている方は、皆さん、忙しく、本来の業務だけでも手いっぱいだと思います。そんな中で、丁寧に関わろうとしていることに、胸打たれ、いつかお世話になるであろう自分としては有り難く感謝の念が湧きました。

自分にできることから

死を前に…と思うと心理的ハードルがとても高く感じてしまうことが多いと思います。私もそうで、何か特別な声掛けがあるんじゃないか、とか、安心させなくてはいけないんじゃないかとか。そう思うと、何もできる気がしなくなる…

でも、死を前にした人たちは、決して私達と切り離された人たちではなく、同じ日常を生き、他者に理解されたいと思っているのだと知りました。

それなのに私達は、怖さからあるいは無力感から、足が遠のいてしまう。

でも、出来ることはある、と小澤先生は話します。傍らで彼らの話にただ耳を傾け、うなずけばいい。例え理解できなくとも、その言葉のまま受け止めれば良い。

そして、人を支える時は、支える側も支えられる必要があることも、強調されていました。

小澤先生、エンドオブライフ・ケア協会のみなさん、参加者の皆さん。ありがとうございました。

次回は、ディグニティセラピー研修に参加してみたいな。

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ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

たどる舎
おかもと

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