見出し画像

わたしの名前は干支から

昭和のど真ん中…よりちょっと後半?

わたしの両親はおそらく「団塊世代」と言われる年齢に位置するのだろう

とかく田舎は跡取り問題にうるさい。よって、嫁は「男児」の出産を求められた。ある家では、子どもが産まれるまで嫁は「戸籍に入れて貰えない」という所さえあったようだ

結果懐妊の際には当然のように「男児」の名前しか考えられていないというのが現実で、我が家もそれそのものだった

わたしの名前は『新吾』だったらしい
よくある話だ。おそらくこれは、時代劇の好きな父の思い入れある名前だったのだろうと想像に難しくはない。多分「十番勝負」の彼だ。だが、

出てきたのは「女児」(=゚ω゚)ノ わたしは女である

さて、悩んだ。むしろ投げたと言ってもいい
まったく思い浮かばなかったらしい (。-_-。)

小学校低学年だろうか…「名前の由来」という宿題が出る。もしくは生れた時の「誕生秘話」を親に取材する…というたぐいの宿題が出る。当然名付けられた方は、気に入ろうと気に入るまいと「由来」は気になる。さぞ壮大な、素敵なエピソードのもと名づけられたのだろう…と期待する。が、

わたしの名前は「干支」からとってつけられた。⇐ここからの説明になる

「戌」の「ぬ」をとって『ぬめ子』さんだとか、「羊」の「じ」をとって『実子』さんだとかいう、そういった類の名付け方をされたのである

がっかりした・・・・

しかも最悪なことに! 父の母親(わたしの祖母)曰く「根性悪の姑(父の祖母)と同じ名前だ」と言われたのです。そう、わたしの父は自分の祖母の名前をうっかりだかすっかり忘れてわたしの名前を付けたということになるのです
これは心外。わたしは幼少のころから祖母(父の母親)が苦手で、その祖母をいびりまくったという「姑」の名と一緒だというのですから…その時点でこの祖母とは一生そりが合わないこと決定です。べつにいいけど

せっかく『新吾』なんて名前の候補があったのだから、せめて『新子』さんとか『吾衣(あい)子』さんとか、変わったところで『吾紗(あがさ)』さんとか? そこに結びつくセンスがないのなら、当時も容易に思いつきそうな『吾姫(あき)』さんだとか、そういう名前は思いつかなかったのだろうか?・・・・と、今更ながらに思う

今でこそ自分の名前は嫌いじゃない。けど、幼少の頃は皆が通る道のように当然「嫌い」だった。だって説明できる? 「兎」の「ぎ」とって『吟子』です…なんて、ロマンもへったくれもないこと

しかし、名付けられたら最後。一生ついてまわる「呼び名」です。「人間」「女」の次に来るくらいのわたしの分別用語なのです
そこで少女は心に誓うのですよ。自分の子どもにはきちんと意味のある素敵なエピソードの元に名付けてやろうと!(でも実際我が子の名付けは逆の意味で投げやりだった…ふたりめも女の子と思い込みかわいらしい名前しか考えていなかったから…親子だねぇ)もしかしたらこれが原因で名前考えるのが好きになったのかもしれない、わたしは6人の名付け親なので

そしてわたしは自分なりに考えた。子ども心に、自分の名前に素敵なエピソードをつけてやろうと考えたのです
まず漢字ね、ここは父に感謝です。数ある漢字の中で、書きにくい字だったとはいえこの字を選んでくれたことだけは絶賛です。さてそれらをひとつひとつバラして意味を調べ、もっともらしいエピソードをこじつけたんです。実にむなしい作業だった。でも!

発見がありました。わたしの名前は漢字を逆さから読むと、ちゃ~んと?「干支」の名前に仕上がるんです。この偶然には運命を感じましたよね、ささやかながら
そこから徐々に自分の名前が好きになって行ったのかもしれない。素敵な偶然もありましたしね (#^.^#)





この記事が参加している募集

名前の由来

まだまだ未熟者ですが、夢に向かって邁進します