温かい同期

実は今、訳あって会社を休職中で実家で過ごしている。
一昨日、社宅にあった荷物もすべて移動させてほぼ完全に引越しが完了した(してしまった)。
そしてこのまま会社を退職する予定だ。
(元々大学院に進学するという予定もあったので。)

会社を休むことになってから、先輩や後輩から連絡がきていて、同期からも自分のことを気遣ってオンライン飲み会の誘いが来ていたが、
精神的にどれも返事が出来ていない状況だった。
ずっと返信しないままなのも申し訳ないし、言い訳ばかりしていても何も始まらないなと思い、とりあえず同期にはちゃんと返信しようと思い、筆を取った(正確にはLINEの画面上で文字を入力した)。
そもそも人に何かを打ち明けたり、気持ちを告げたりする時、自分はなぜこんなにも緊張するんだろう？と思い、「なぜ緊張するのか」とGoogleで検索したりした。
緊張した時は、自律神経のうち、交感神経のはたらきを高めるアドレナリンを生成するノルアドレナリンという物質が大量に分泌される結果、血圧上昇や震え、動悸などが身体に引き起こされるらしい。
そして、緊張した時に行うといい対応が記載された中に、「緊張した自分のことを認める」というものがあった。
落ち着こうとすればするほど意識がそこに集中し、落ち着けないのだという。
(審議の程は定かではないけど)

そんな内容を眺めていると、ふと、こんなことを思った。
そもそも同期は自分のことを心配して気遣って連絡をくれたのだろう。
同期は味方だ。味方に自分に起こったことを話すのは(多かれ少なかれ勇気が必要だが)当たり前だ。
自分の状態を知ってもらうのはこれから進んでいくために必要な工程なのだ。
そう思うと、心が随分と楽になった。

同期からの返信には、本当に心から湧き出てきたであろうそれぞれの温かい言葉が、他の誰かではなく、確かに自分に宛てた言葉が並べられていて涙が出そうだった。
本当に巡り会えて良かったなと思ったし、いつか必ずまた会いたいなと心から思った。

砂鉄のように

同期からの返信に対する返信を考えている時、
ふと何か安心する曲を聴こうと思い、
ウォークマンでチャットモンチーの「砂鉄」を再生した。
この曲は、2018年に「完結」したチャットモンチーのラストアルバムに収録されていて、元々3人組のロックバンドだったチャットモンチーから脱退した高橋久美子(通称くみこん)が、完結するチャットモンチーの2人に向けて創ったものだ。

ほぼすべての歌詞に共感出来るのだが、すべて載せるのも何か違うので、一部掲載したい。

検索しても君の気持ちは出てこない
肝心なことだけ置いてけぼりの世界で
地球と月と太陽は何億年寄り添ってきただろう

いくらインターネットでケースに沿った他人の気持ちを調べても、結局個人個人のバックグラウンドや考え方は違うので、本人と話すことでしか本当の気持ちは分からないのだ。
(本人と話したって分からない場合もあるのに)
それに、SNSだって過程や結果を切り取って表してるだけだから、本当のところは結局人との対話から「検索」するしかないのだろう。
余談だが、地球と月と太陽は、そのまま今までの歳月を表すと共に、それぞれチャットモンチーのメンバーを表しているのかなとも思う。

好きでも嫌いでも好きさ
会っても会わなくても忘れない
だめでもだめだめでも許すよ
友達でもないのに

好きでも嫌いでも好きさ
雨の日も風の日も忘れない
メールなんてしなくても届くだろう
友達ではないけど

砂場に磁石入れたら砂鉄だけ持ち上がるように
別の星に生まれていても
僕らは出会ったのだろうね

2番のAメロでタイトルの謎が解ける。砂鉄とはまさに！
別の星に生まれていたとしても、出会ってたんだろうなんて言える美しい関係。友達ではないのに、だ。
わかるなぁ、わかる。
好きでも嫌いでも、好き。会ってなくても関係ない。だめでもどんな日でも関係ない。
わかる！

嫌いで嫌いでも好きさ
一生会えなくても忘れない
だめでもだめだめでも許すよ
それだけ忘れないで

わかるわかる！！
(友達みたいだったけど)友達ではない、一緒に仕事することも多少はあったけど、ほとんどは仕事内容がばらばらで話が通じないこともあったけど、会うと必ず不思議と安心する同期。
同期だけじゃない、先輩や後輩も。
決して「友達」フォルダじゃない不思議な感覚の関係。でもだからこそ色んなことを話せたな。
めんどくさがりな自分が率先して飲み会を開くぐらい同期大好きだったな。
同じように宇宙が大好きだったり、そうでもなかったり、色んな同期がいた。既に辞めた人もいたけど、誰が何と言おうと最高の同期だったと胸を張って言える。

おれはおれのやるべき事をやろう。
明日のことは明日もわからんから。何億年も何十億年もずっとそうだから。
後ろめたくない日々を創って、自分が自分自身に胸張れるような人間にならないと、
どこに属しても何をやっても、自分が出来ることなんかたいしたことないって思い続けてしまうから。

いつか胸を張ってまた必ず会えるように。
砂鉄のように磁石に引っ張られて、また会うべきときに。