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浅間山の麓から 第4話 信州の特別な朝食

信州の特別な朝食

ふと、目を覚まし時計を見ると5:45を少しすぎていた。快晴。窓からはもう青い空と浅間山が見える。浅間山の頂上から今日は噴煙が見えない。裏庭の木では、キビタキたちがもう朝の活動を始めている。

まどろむ気分に踏ん切りをつけるようにぱっと起きて服をきる。9月に入って今日は一気に涼しくなって16度だ。半袖では寒いので薄いカーディガンをはおる。朝の準備を終える頃には6:30になっていた。

早速車に乗り込み家を出る。車のスピーカーから流れるのはユーチューブのモーニングジャズだ。浅間サンラインを上田方面に向かって車を走らせる。軽井沢で働いている人たちの車が反対車線を過ぎていく。私の目的地は浅間サンライン沿いの「雷電くるみの里」だ。

長く視界のよいドライブが続く。左側には遠く八ヶ岳連峰、そして蓼科山が見える。そして正面はるか遠くには北アルプスの山々。夏でも残雪が光る。180度パノラマの景色を見ながらのドライブが続く。

7時過ぎに「雷電くるみの里」の食堂、「湯の丸」に到着。私以外にも食事をしに来る人達がいた。キャンピングカーで旅する人や長距離トラックの運転手の人、近くに住むお年寄りなどだ。

ここは標高は800メートルくらいだろうか?山の中腹に位置している。後ろには浅間連峰に続く広大な丘陵が広がり、前にはなだらかな斜面とそれに続く盆地が開けていて、その中心には千曲川が悠然と流れている。その先には肥沃な御牧原台地が広がる。

この絶景の中に位置する湯の丸食堂では地元のお母さんたちが調理をしている。私のお気に入りは「ハムエッグ定食」。野菜を使った小鉢、信州味噌と地元野菜の味噌汁、お漬物、地元でとれた炊きたてご飯がつく。

カフェのようにおしゃれではないが地元の食材をふんだんに使った素朴な手作り定食だ。この定食を食べるため、家から車を飛ばしてやってきて、目の前に広がる絶景を見ながらその日の予定を立てるのが密かな楽しみになっている。今日も一日良い日でありますように。

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