【サハラ砂漠🇩🇿】story③砂漠のセキュリティ〜癖のある部屋のドアと上手に付き合う方法〜
みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです。
今日は砂漠のセキュリティについて投稿できる範囲で紹介していきます。
------2020年12月下旬------
プロジェクトはじめに、セキュリティ担当のアジュマルからセキュリティブリーフィングをうける。
タイ(僕のニックネーム)。質問だ。
もしも突然、大きな音(爆発音)がしたらどうする?
---うん、びっくりする。
ははは、そらそうだ。
---何が起こったか確かめるかな。
No nonono!!!
タイ、小中学校で教わらなかったのか?
大きな音がしたら、しゃがめ、だ。
窓より、机より、とにかく低く。
そして窓は覗かないこと。
---一体アルジェリアの学校では、どんな教育をしてるのだろうか?日本の小中学校では、少なくとも、大きな音がしたらしゃがめとは教わらないだろう。
そこから、テロ対策の話へ。
もしも襲われてしまうような、テロの状況になったら、
アメリカのテロ対策マニュアルには
「ラン」「ハイド」「ファイト」
とある。
つまりは、
まず逃げろ、逃げれなければ隠れろ、騒ぐな、
本当に追い詰められたら戦え。
となっている。
ちなみに日本のテロ対策マニュアルには、この「ファイト」の部分がない。連絡を取り、助けが来るのを待て。となっているのだ。
とても平和的で、非暴力的で聞こえがいい。
もちろん僕はこうであってほしいと切に願う。
がしかし、もしもテロがおき
砂漠の真ん中で、電波もなく、
誰かに連絡をし、助けを待つ。
どう考えてもあまり現実的だとは思えない。
考え方は人それぞれだが、
もしものときの準備は自分の命を守る為に
必ず必要なスキルであり、
バクダットの時も、パレスチナの時も、
その他の活動の時もここに妥協はないのだ。
どこに集合し、誰に助けを求め、どうやって逃げるのか。僕のポケットには、24時間パスポートが入っている。
おかけでパスポートは、ボロボロだ。
-----砂漠の日常とセキュリティ-----
〜癖のある僕の部屋のドア〜
さて、砂漠の生活に溶け込んだセキュリティの話をしてみよう。
僕のサハラ砂漠での日常は、
24時間キャンプの中で生活をする。
日中はメディカルセンターで過ごす。
仕事中は、掃除の担当が僕の部屋の清掃に入ってくれる。
あまりに空気が乾燥しているので、
バケツの水をひっくり返し床をバシャバシャ洗うが本当に5分もあれば床が乾く。
ちなみに洗濯物はビッショビショで干しても、30分あればパリッパリになるほどだ。
キャンプ内は基本的に部外者は入ってこれないようにセキュリティチームが24時間守ってくれているが、やはり何が起こるかわからないので、部屋の鍵は必ず閉める。
これを忘れてはならない。
さて、
皆さんは、鍵をさしたら必ず回る、
そう思ってはいないだろうか。
答えはNOである。
僕の部屋のドアは、セキュリティレベルが高めに設定してあるため、ちょっとやそっとでは、開かないのだ。
押してもだめ、引いてもだめ。
さしたが最後。鍵が抜けなくなることさえある。
そう、鍵の中の部分が錆びているのだ。
素人にはあまりに難易度が高いため、メンテナンスチームに修理依頼をしてみた。
スグにメンテナンスチーム到着。
慣れた手付きで作業の準備をしている。
と、ボケっとから何か青い筒のようなものが見える。
ほほう、これが潤滑油か。
僕は感心していると
出てきたのは、クレ5-56(まだ売っているのだろうか?市販の潤滑油)ではなく、
「ハエスプレー」
え?
あの。鍵を直してほしいんだけど、、
そんなセリフは聞き飽きたとばかりに、冷たい目線を僕にくれるメンテナンスのボス。
鍵の錆には、これだよ。
ハエスプレー。
そうボソっと告げると、
鍵穴に、シュッ、シュッとリズミカルに
ハエスプレーをかけていく。
カチャ!
あいた。
まぢかよ。。
それも、その後、やたら鍵の開閉がスムーズではないか。
メンテナンスのボス曰く、
日頃から愛情をスプレーに込めて、丁寧に注いでこそ鍵はあくのだ、だそうだ。
それも、ハエ用。
修理!?と呼べるのかわからないが、メンテナンスのボスが僕の部屋を去るときに、
愛(ハエスプレー)を注げ!!毎日だ、毎日👍
これ以上ないほどのドヤ顔で。
対していいことを言っているとは思えないが、
郷に入れば郷に従え、である。
彼の言うとおり、毎日愛を注ぐ。(ハエスプレーだ)
しかし、数日して、
ドアが開くことが当たり前になってくると、
つい忘れてしまうことがある。
仕事が終わり、
「あーやっと仕事が終わった、
部屋に戻ってあれして、これして、、
ガヂャ、、、、、
ん?
、、、ガチャガチャガチャ
ガチャガチャガチャ、、、、、」
しまった、今朝、愛を注ぎ忘れた。。
ここまで何回このやり取りをしたことか。
1日1回、プシュー。
ハエスプレーは1人2週間に1本とキャンプのサプライルール決まっているから、
ペース配分が難しい。
愛を注ぎすぎると、ハエと戦えなくなる。
ハエスプレーがなければ、僕は間違いなく発狂するだろう。
そのくらいハエが多い。
したがって、加減がとても大事。
鍵が開かなくなる度メンテナンスチームに依頼。
このやり取りを既に7回やっている。
未だに僕の癖のあるドアは変わらない。
そろそろ、鍵自体を変えてくれ。
セキュリティー対策からいえば、もしテロが起きても、
僕の癖のあるドアは簡単に開かないからありがたい。
が、かなりの確率で、テロは起こらない。
今日も機嫌を伺いながら、そーっと鍵をさし、やさしく右に回す。
カチャ、
その音を聞いた瞬間にとてつもない安心が心の中に広がっていくのがわかる。
離れ際に、「またあとで」の愛を注ぐことも忘れない。
プシュー。
僕の癖のあるドアとハエスプレー。
サハラ砂漠での僕のセキュリティー対策はいつも万全なのである。
※投稿内容は全て個人の見解です。
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また次回お会いしましょう。
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Tai
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