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【浅生鴨】ぼくらは嘘でつながっている。 元NHKディレクターの作家が明かす人間関係の悩みが消えるシンプルな思考法 【読書感想文】

どんな人でも年に数回は嘘をついています。

嘘は一方的に悪いものやいえかいものではありません。

時と場合によっては嘘は目的を達成するための道具になります。

嘘がなければ私たちは安心して社会生活を送ることができません。

みんな毎日嘘をついている


子供の頃から「嘘をついてはいけない」と言われながらその一方で
「嘘も方便」といったことわざがあります。

ほんの少し周囲を見回すだけでも
ビジネスの世界には小さな嘘がたくさんあります。

なにかあったときのためにいくらか余裕が散りばめられています。

わたしたちの日々の仕事の中で堂々と嘘を付いているし、それを咎められることはありません。

私たちはビジネスでも日常でも常に無意識に嘘をついています。

嘘は社会を安定させる


わたしたちが他人に嘘をつくのは相手をコントロールして競争で優位に立ちたいからです。

同じ話題や同じ話であっても、わたしたちは相手によって話し方や話す順番を変えています。

話題に詳しい人→いくつかの要素を省略
全く知らない人→要素を付け加える

状況や場所や一緒にいる相手によってわたしたちはは少しずつ見せる顔が違います。

家族に対して上司向けの顔で接したり、近所の子供に向ける顔で恋人に接したりすると相手は困惑してしまいます。

誰に向かってどんな嘘をつくのか?

うまく人間関係を築いて社会を一定に保っています。

嘘でも何度も聞くと真実になる


戦争や紛争による国家の嘘・・・とにかくいろいろな方法で軍人たちは嘘をついて相手を困惑させようとしていきました。

スポーツでも料理でも運転でも、同じ動作を何度も繰り返すと無意識のうちにできるようになることは誰にでも経験があります。

始めて見聞きする情報を新たに解釈して自分なりの嘘として取り込むより
一度取り込んだことのある情報を、前回と同じように変えて前回と同じ場所に収めるほうが簡単です。

すでに自分の中にある話のために
情報に接したときの親和性が高くなります。

「知っている」「見聞きしたことがある」はわたしたちを騙しがちです

人々はその嘘を正しいものだと認識し始めます。

嘘の見破り方は嘘


作家が嘘をついている登場人物にはやけに汗をかいていたり
おどおどしていたり、心拍数が上がったり呼吸が荒くなったりする行動を取らせます。

本当は存在していない体験を頭の中で作りながら話すため
無意識の身体の反応が怒らないと考えられます

誰もが確認できる客観的な事実ではないです。

多くの人が客観的に検証できる事実でなければ
それはその人だけの体験に過ぎません

「嘘の見破り方」は嘘である可能性が高い

人の行動から、その人が嘘をついているかどうかを見分ける方法や研究については
いろいろと具体的な研究報告があります。

嘘を見破ることは「暴力」になる


相手の嘘を嘘だと貢いて得意げに暴くことに、メリットはないです。

社会のルールや約束事を壊す嘘は、きちんと見抜いて対応をすべきです。

「それは嘘だ」とわたしたちが口にするとき、そこにあるのは自慢の感情だけです。

相手の話が嘘でも本当でもあなたの生活にはなんの影響もない

いちいち目くじらを建てて嘘を暴く必要はありません。

それぞれ訳があって嘘をついているため
それが他人に害を与えないものなら放っておけばいい

それを無理やり「嘘だ」と指定するのは一種の暴力に近い行為です。

もともと人間は相手の嘘を見破ることが苦手ないきもの
相手がつく嘘の半分程度しか見破ることができません

わたしたちは相手の話を「本当のことを言っている」と信じるところからスタートします。

嘘は「寛容さ」の表れになる


嘘を暴いて優位に立ちたい
勝利の気分を味わいたい気分はわかります

日常でわたしたちが出会う嘘はどうでもいい嘘ばかりです。

目くじらを立てる必要のない嘘ばかりです。

それぞれが持っている嘘を活用してわたしたちは互いに接し合っている

せっかくの能力を使わずにむき出しの世界をぶつけああうのは良い結果にはなりません。

嘘をつくとき、嘘をつかれるときその両方に必要なのは優しさ

お互いに嘘をつきながらそれをわかっていながら、笑って握手をするのが人間です。

なにかに追い詰められて、困り果てた挙げ句につく嘘こそその人の人間らしさが現れます。

人間も周りも嘘つきだと思っておく


嘘をつかれてもそんなに怒らずにいる方法があります。

それは、自分の話すことも、相手の話すこともすべてどこかに嘘があると思っておくこと

わたしたちは自分の記憶や体験でしかものごとを把握することができません。

それぞれが自分の信じる物語を話します。

あなたが話すことだって相手にとっては事実ではありません。

自分が話していることでさえ本当のことでさえ本当のことではありません。
知っておけば少し暗い嘘をつかれてもお互い様です。

もしも誰かに「あなたは嫌な人だ」と言われたとき
その「嫌な人」はあなたが考えている「嫌な人」とは一致していないです。

それほど嫌なイメージの人ではないかもしれません。

全部嘘だと思っておけば、自分が傷つきません。

相手が言っている言葉をそのまま受け取る必要はありません。

「信じたい嘘」は希望になる


自分に都合のいい言葉だけは嘘でもいいから喜んで受け取ってください

現実世界には理不尽なことや耐えられないことがたくさんあります。

なにか大きな不幸があったときに
その人の悲しみを和らげるためにつく嘘や安心させるためにつかれる嘘は
たとえそれが嘘だとわかっていても、受け入れたくなる

信じたいと願う嘘は、強い希望になります。

しかし、嘘は諸刃の剣になることもあります。

最終的には自分たち以外の嘘が認められなくなってしまう・・・

信じすぎるとその希望は苦難を呼んでしまう可能性があります。

それが嘘の良さでもあり恐ろしさでもあります。

お金が絡むと嘘は悲劇になる


人間関係のトラブルの中でも面倒くさいもののひとつにお金に関するトラブルがあります。

金の切れ目が縁の切れ目といいます。

嘘の分類の中でも、悪質な嘘や叱られるタイプの嘘には必ず詐欺や悪徳商法が入っています。

人を騙してお金を得ようとする嘘は後を絶たない

お金がたくさんある人も日々お金に困っている人も、一度頭の中にお金の嘘が入り込むと
お金のことしか考えられなくなります。

お金を求めて嘘をつく人たちの悲劇は
お金という絶対的な嘘から逃れられないこと

自分の世界にお金の嘘が進入してきたと感じたら
一度きっぱりその嘘は断ち切るほうがいい

人間関係とは「嘘を共有する」こと


朝起きてから寝るまでの間にわたしたちは必ず何度も嘘をついて嘘をつかれています。

しかし、赤ちゃんが嘘をつくことはありません。

成長して、2,3歳になってある程度言葉を使いこなせるようになるとようやく嘘をつき始めます。

おやつが欲しかったり、叱られたくなかったり親を喜ばせようとしたり
いろいろな理由から嘘をついて利益を得ようとします。

人間関係に悩んでいる人はつい自分や相手に何か問題があるとかんがえてしまいます。

お互いがそれぞれい相手をどのように捉えているのか
その嘘の付き方や嘘の受け取り方に問題があるだけで
どちらかに非があるわけではありません。

誰もが嘘をついていると思うだけでほとんどの人間関係の悩みが消える

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