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末寺の末事 120

 勝ち組じゃなければ、生きている価値が無い世の中で、圧倒的に負け続けたりしたら、死ぬしかないよ、そりゃ。

 勝つか負けるか二択の世界で生きるのはしんどい、というか無理がある。勝ち続けてる人もやがては負けるんだから。勝ち続けるなんてのは、壮絶な負けっぷりの前フリでしかない一瞬の快楽。

 よく死の選択を、現実逃避的に捉えられる事があるけど、あれはちょっと違う気がする。
 現実に生きている(勝っている、価値がある)人が死を選択したのなら、現実から逃げたのだろうけど、現実で死んでしまっている(負けている、価値が見出だせない)人は、その負けを受け入れただけで、逃げたりはしていないような気がする。

 同じ逃げるくらいなら、勝ち負けの世界から逃げた方が楽なんじゃなかろうか。
 自らの信じるところに由って満ち足りる世界がある。勝ち組でも負け組でもなく、逃げ組でいいじゃない、人間だもの。

to be continued



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