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先輩 – DAY3 + あとがき

DAY 3
10代の頃に比べて吃逆が出る頻度や場面は
ずいぶんと減ったと思う

ただ最近は
酒の割りもの用に購入したペットボトルの強炭酸を割らずに飲むと
必ず一口目か二口目で吃逆が出る

『吃逆にはおまじない』

14歳のときにシノサキ先輩に教えてもらった
おまじないの話をラジオでしてから
頻繁にそれを使うようになった

そのせいもあってだろうか
どうやら最近、その効力も失いつつあるらしい
効き目が悪くなっているのだ

大好きなアニメ映画で空を飛ぶ魔女の女の子
その力を失い始めた理由はなんだったっけ
と、どうでもいいことを調べたくなる

久々に先輩の苗字を口に出し
久々にあの頃をゆっくりと見つめることをしたなと思う
この3日間はとても不思議な気分だったと思いながら
また静かに包み込むとともに
このおまじないもしばらく使わないようにしようと思う

先も人生、最後まで大切に使い続けるために

– 完 –

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あとがき
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歳を重ねれば頑なな自我を押し通す危険や
そうなる予感を自身で感じている

その反面、昔より
どうにもならない過去のいろいろを認めて受け止める柔軟性が備わってきた気もする

日々、自分の進化と退化を思いながら時は過ぎていくものなのだろうと解釈する

だからまた、こんなどうってことのない記憶を
思い出しては過去にふけることもあるんだろう

最後に
携帯電話の普及やセクシャルマイノリティの話題がオープンになりつつあるこの世の中
この今の時代にあの出来事が私の身に起きていたらどうなっていただろうか と思う

そうなればわたしは上手くやれただろうか

わたしの初めては先輩であっただろうか

そう考える一方で
歯磨きもろくに習慣化できていなかった14歳の自分を冷静に思い出し
苦笑いするのだ


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