見出し画像

3分で語るままならない創作の日々(2024.3.23)

創作は孤独との戦いだ。常にだれかに囲まれているように見える売れっ子作家も、生きているのか死んでいるのかわからないような木っ端作家も、机に向かうときは、戦いに臨む時間は、究極的な意味で孤独だ。従って、この孤独に呑まれないための算段が作家には必要となる。

売り上げを気にしたり心無いコメントに傷ついたりいつ終わるとも知れないリテイクの連続に疲弊したりしながら、それでも孤独に押しつぶされない心の健全さを作家は維持しつづけなければならない。もしも心から健全さが失われたら、人の心を打つ作品を長く作り続けることはできないだろう。

「心と体はつながっている」「健全な肉体に健全な精神は宿る」というが、ぼくはこれを真理だと思っている。勤め人だったころ、高ストレス環境に置かれて心が疲れ切ってしまったとき、ぼくは運動をすることにしていた。一晩寝て疲れた肉体が回復すると、心の方も回復しているような感覚があったからだ。肉体の超回復にひきずられて心も一緒に超回復していたのだと思う。

だから、ぼくはジムに通っている。けっして潤沢とは言えない収入をジムの会費に充てるのは正直痛いが、心の健全さを維持するためには健全な肉体を維持することが不可欠だと信じるがゆえだ。

健全な肉体が崩れれば、孤独に打ち克つ健全な精神も崩れ、作品の健全さもやがて失われる。作家としてはそこで終わりだろう。

創作は孤独という闇を背後に感じながらの戦いだ。そして、一人の人間の肉体と精神を根こそぎ投入しなければ勝利することができない、孤独な総力戦だ。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?