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同情するなら金をくれ

今日のタイトルは刺激が強いことばだが、これは94年のテレビドラマ「家なき子」で主人公の安達祐実が放った台詞でそのインパクトは当時子どもであった僕にも抜群のインパクトがあった。


大人になってこの台詞と向き合うと、家なき子が同情しているならお金をよこせという意味合いで言っていないことがよくわかる。


人が自分を惨めだと感じる瞬間は、自分が何かができなかったり、足りなかったり、無かったりする瞬間そのものではなく、そう思っている(思い込んでいる)人からの同情を受けた瞬間のように思う。

同情とは自分の状態を言葉や態度にして聞かされる感じさせられる体験だが、多くの同情している人は見ているだけなので、それによって現状が変わることはないし、同情されるようなことの場合、自分でも気付いていることがほとんどなので新しい発見も少ない。


つまり同情するなら金をくれ。
という台詞は、心がないなら気にしないで欲しい。
心があるなら手や身体を使って、行動で助けて支えて欲しい、ということだろうとわかる。


あの当時の子どもの、いや、大人の、バブルやソ連やベルリンの壁も崩壊し、世界が変わっていく中で日本も昭和のファンタジーがファンタジーであったことがわかり始めた時代の、ねじれたヘルプを表した名台詞だったように思う。



今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
ジャンル問わず90年代〜00年代の作品は少し影があるので、今観るとわかる部分が増えているかも、リリィシュシュとか。




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