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規格外の商品を販売しだすと価格破壊が起きるのか?

最近農家さんから、規格外の商品を販売しだすと価格破壊が起きて、規格品も安くせざるを得ない状況になり、結果全体の売り上げが落ちるという話を聞きました。

プロダクト業界でも規格外品を販売したり活用しようという流れになっており、共通している部分も多くあり、個人的には色々と納得がいきました。


まず作り手側からすると、廃棄予定である規格外品(B品)を安く買ってもらうより、規格品を高く買ってもらう方が嬉しいということが分かります。

つまり、規格外品がたくさん売れたからと言って、儲かるというわけではありません。むしろ消費する量というのが決まっていますので、規格品を買っていた層も減り、ブランドイメージも下がってしまう可能性があります。

買い手側からすると、少し傷があったり少し形が変であるのであれば、安くて良い物を買いたいというニーズがありますので、規格外品を販売し出すと、そちらの方が売れてしまうというわけです。

なので、ブランドイメージを保つ意味でも売り上げを下げない意味でも、目先の利益にとらわれずに、規格外品はそのまま販売するのは得策ではないかもしれません。


一方で、規格外品は廃棄しているところが問題であるという別の文脈も存在します。昨今の環境問題やSDGsの観点から、廃棄するのではなく、別の活用方法を考えるのも大事だと思います。

例えば、規格外品を同じ値段で買ってもらうアプローチを探すか、もしくは規格外品を加工して別の付加価値をつけるか。など


そしてプロダクト業界でも、様々な産地で規格外品であるB品を販売していこうという流れがあります。

プロダクトも同様に、企業や産地ごとに厳しい基準があり、それをクリアしたものが商品になります。機能性は問題はありませんが、小さな汚れやキズがあり、基準をクリアできなかったものは二級品、見切り品、B級品など呼ばれます。本来の価格よりも安く販売されることになります。

例えば陶器でいえば、釉薬のムラがあったり、色や形が不揃いであったりすると、B品になってしまいます。販売出来ないB品やB品以下の商品は通常廃棄され、販売できるB品は値段を下げて販売されています。

現状、規格外の商品を販売している産地で、ブランドイメージを下がった、売り上げが下がったという話はあまり聞いたことがありません。

今後、プロダクト業界の場合は価格破壊が起こるのか、それとも相乗効果が生まれるのか注意してみていきたいと思います。

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