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【趣味】2022年の1曲目 人生というキャバレーの幕を上げる

ミュージカルを観るとき、幕が上がる瞬間という何物にも代えがたいドキドキ感。自分が生きている現実と、その作品の世界とを隔てていたものが取り払われて一体となるような、そんな瞬間が好きです。

翻って日々続いている現実は、幕が上がったり下りたりするわけではなく、生まれた瞬間に幕が上がり、幕が下りるのは死ぬときのみ。この地続きの現実だからこそ、人は「節目」を大切にするのかもしれません。

というわけで2022年、あけましておめでとうございます。

年が明けるというのは、ドライなことを言えば別に現実の何が変わるわけでもない、誰かが決めたカレンダーの数字が変わるだけです。
とは言え気持ちを切り替えたり、初物に感謝してみたり、というのは長い人生の中で必要なアクセントなのかもしれません。

そんなことを想う2022年の音楽、「聴き初め」。2022年の1曲目に選んだのはこの曲。

ENVii GABRIELLA「CABARET」

リリースはついこの前、2021年の12月24日。まだまだ世に出て新しい曲です。1回聴いてから頭から離れないこの曲。2021年最後にとてつもない衝撃でした。リリックビデオの映像を含めて好きな曲です。

この曲で面白いのは、曲調の切り替わりが多くて1曲で数度おいしいところ。1番、2番、Cメロ、ラストとそれぞれテイストが違っていて、ロックで艶っぽくて、皮肉的でゴージャス。人の、人生の多面的なところを楽しめるような感じです。ちなみに僕は2番が好き。

そして歌詞。人生を何かに喩えること自体はよくあるもの。川の流れに喩えてみたり、バイクのライダーに喩えてみたり。枚挙に暇がありませんが、ミュージカルや舞台が好きな僕としては、人生をキャバレーに喩えた世界観がたまらなく好きです。

自分自身が自分の人生というキャバレーのオーナーであり、どんな夢や希望を描くのも自由。自由の反面として、舞台に何を置くか、どんなキャストにどんな踊りをさせるか、すべて自分が決めなければならない。「できる」という自由には、「しなければならない」という責務も付きまとう。

どんなに成功しても、どれほどの負債を負っても、キャバレーは続けなければならない。Show must go on。幕は常に上がっており、死ぬまで降ろすことが許されない。それはたとえ、賭けるモノがなくなり「GAME OVER♡」になったとしても。その人生そのものを賭け金として払うことになったとしても。

この曲を聴きながら思い起こすのは、昨年見たミュージカル「BARNUM」。人を楽しませることに人生のすべてを賭けたグレイテスト・ショーマン、P・T・バーナムの人生を舞台化した作品。作品が持つメッセージは少し違いますが、この作品も人生とShowを一体化させたような世界観(ひいてはバーナムの人生観)が非常に魅力的でした。

「自分のキャバレー」を振り返って見た時、平均寿命のだいたい80歳まで生きるとすると、3分の1くらいがすでに終わっている。過ぎた3分の1だって、残りの「演目」をどうするか、どうしていきたいのか、考える余裕がないほどに、悩むだけ悩んで結果を出せないままに、必死に自分のキャバレーを回していることも多かった。特に去年、2021年はそんな1年でした。

でも自分のキャバレーは自分次第でどんな姿にも変えることができる。途中で幕間の休憩を挟むこともできるし、内容をガラッと変えることもできる。一方でキャバレーを回すには、人生を自分の望み通りに生きようとすれば、相応のエネルギーが必要になる。時にはとんでもない負債を背負うことになるかもしれない。
それでも自分のショーは誰にも止められない。この曲の特徴的なフレーズ「Show must go on」は枷にも捉えられるし、希望にも捉えられる。そんな気がします。

夢には代価を、自由には責任を。そんなある種残酷で平等なルールが描かれつつ、色々悶々と考えていた僕にとっては、希望の歌にも聞こえたこの曲。そんな曲を2022年のオープニングに持ってきてみました。


ENVii GABRIELLA(略称エンガブ)は、3人組のオネエユニット。音楽だけでなくバラエティやファッション・メイクなどマルチなエンターテイナー。
YouTubeでたまたまおススメに出てきたのがきっかけだったと思うのですが、トークや企画も面白くて、この1年で大好きになったユニットです。

音楽方面では、昨年メジャーデビューされたばかりですが、インディーズ時代の楽曲含め幅広いテイストの曲があります。ポルノしかり、僕が好きなアーティストは引き出しの多さを持っているのかもしれない。


さて今年、2022年も引き続きボチボチマイペースにnoteもやっていこうと思います。特定のテーマに特化するより、雑多な方が向いているので取り留めはありませんが、今年もよろしくお願いします。

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