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【趣味】平成生まれが令和の時代に昭和の歌を語ってみる

昭和の歌っていいですよね。

僕は平成生まれ。カラオケに行けば最近の歌も歌いますが、最近の歌は個人的に「聴いて楽しい曲」が多くて、「歌って気持ちいい曲」とはまた別だと思うのです。優劣ではなくそれぞれの味がありますが、昭和の歌は「歌って気持ちいい」、そして見て聴いて楽しい曲が多いと思います

今の時代ありがたいことに、某動画サイトなどで昔のTV番組映像なんかも見れまして、昭和のスターたちのすばらしさの一端を感じることができます。現代のアーティストを批評するつもりはないのですが、平成生まれから見ても、あの頃の音楽シーン、ステージというのは特別な空気を持っていると思います。

というわけで、平成生まれが令和の時代に昭和の歌を語ります

東京ブギウギ(笠置シズ子)

巷では東京と言えば「リベンジャーズ」がブームですが、僕はブギウギ。

戦後間もない1947年の曲。親すら生まれておりません。
今生きている世代にとっては、原曲よりも某ビールのCMの方が有名かもしれません。歴史の教科書にも載っているそうです。

ブギウギは音楽の種類ですが、「ウキウキ」と語感が似ているという歌詞の着眼点。そしてまさにウキウキするようなリズムに乗りやすい曲調。笠置シズ子さんの力強いお歌。
今の時代にも通ずる生身の人間の力強さと、前向き、そして敗戦から復興へ、必死に「今」生きているこの瞬間に向けられた「今向き」なメンタリティを感じる曲です。

たまたまYouTubeで笠置シズ子さんのステージ映像を見たことがあるのですが、戦後間もないこの時代に、白黒の映像でも伝わる華やかさとパワフルな歌唱。戦後の日本を元気づけたのがうなずけるパフォーマンス。戦争が終わってたった2年後の曲とは思えないです。

君は薔薇より美しい(布施明)

超有名曲ですね。星野源のファンの方は「ニセ明」経由で知っている方も多いのではないかと思います。僕もちゃんと聞いたのはニセさんきっかけ。ニセさんありがとう!

トレンディな感じの歌詞。実体験でこういう場面に遭遇した人も多いのではないかなあと思います。ジェンダーで語るのはナンセンスかもしれませんが、久しぶりに会う人で男性は「お前変わらへんなあ」という人が多いけど、女性はめきめきキレイになる方が多いですよね。それです。

カラオケでサビラストの「変わったぁぁぁぁぁぁぁ」を気持ちよく歌えると超気持ちいい。裏声でなく地声で歌う布施さん、改めてすごいなと思います。
この音域が出るかでないか、一人カラオケで自分のコンディションを確かめるために歌うときもあります(世界一役に立たないニュース)。

プレイバック Part1(山口百恵)

伝説。
その一言では語りきれないが、そう語るしかないアーティストであり、女優であり、アイドルであり、歌手。昭和の歌手で一番好きです。

好きな曲がありすぎて1曲に絞れませんが、あえてこの曲を。「プレイバックPart2」の方が圧倒的に有名ですが、こちらはPart1。でもできたのはPart2の方が先らしいです。

「2」と同じく、演奏が途中で停止するというアレンジがあります。
「2」はカッコいい女性という感じですが、「1」はもう少し淑やかで若い雰囲気があります。百恵ちゃんの曲は、有名な曲では少し陰のあるカッコいい曲が多いですが、決してそれだけではない。
緩急が聴き手を「プレイバック」させてくれる曲調。そして「プレイバック=過去を振り返る」なのに、最後は次に再会するときという未来と、そこに向かう女性の強さを感じる歌詞。短い曲ですが、聴きごたえのある曲だと思います。

ちなみに僕が一番好きなのは「プレイバックPart2」はもちろん、「イミテイション・ゴールド」「ロックンロール・ウィドウ」「不死鳥伝説」「曼珠沙華」などなど(「一番」とは…?)。

マンデー・モナリザ・クラブ(ピンク・レディ)

「ペッパー警部」「渚のシンドバッド」「UFO」「サウスポー」などなど。聴いたら誰でも歌える踊れる、そんな大ヒット曲が圧倒的に有名ですが、僕はこの曲「マンデー・モナリザ・クラブ」を推したい。

一言、超かっこよくないですか。

まさにカクテルの「ピンク・レディ」でも片手に持ちながら聴いていたい曲。現実のすべてを忘れさせてくれるような刹那の空間に誘うような、そんな雰囲気が好きな曲。聞いたら必ず、ピンク・レディのイメージが少し大人っぽくなるはず。

モナリザはあのダヴィンチのモナ・リザですね。あの絵画のように世界中の人を惹きつける微笑み。
モナ・リザが飾ってある店とか、モナ・リザみたいな店員がいるとか、そういうことではなくて、人を惹きつけ❘誘《いざな》う不思議な魅力を「モナリザ」という象徴として使っているのかなと勝手に解釈しています。

摩天楼(岩崎宏美)

昭和の歌謡曲は、一言で言えばドラマチックだと思っています。メッセージを届ける曲ではなく、世界観とストーリーを届ける曲、という意味で。

プロの作詞家・作曲家がいて、TVでもプロのオーケストラが生演奏。そしてステージには「主演俳優」としての歌手がいる。1曲聴いただけで、連続ドラマの第1話から最終話まで見たかのような錯覚に陥ります。
歌詞も、あえて全てを語らず行間を読ませる「ゆとり」がある。昭和の歌は、そんな曲が多いように思います。

「摩天楼」はその中でもドラマチックさを感じる1曲。星の代わりに輝く街のネオンのようなイントロ、都会を走り抜ける車のようなギターの間奏。テンポの速い曲ではないのにどこか疾走感があります。
歌詞の面では、悲しきラブロマンスの描写だけでなく、街全体から「あなたの部屋」まで空間の広がりも感じる曲。大きいだけでどこかハリボテ感のある街と、雨のなか一人立ち竦む主人公のスケール感も趣があります。

ヒロリンと言えば「聖母たちのララバイ」「思秋期」「ロマンス」などが有名どころと思います。あとは某モノマネでの「シンデレラ・ハネムーン」。
そして何より透き通った声と圧倒的な歌唱力。歌唱力は、令和の現代でもここまでの歌手は中々いないのではないかと思います。岩崎宏美が歌うと簡単に聞こえますが、この曲めちゃくちゃ難しい。

鋼鉄の巨人(THE ALFEE)

こちらの巨人は壁を壊したり人を食べたりはしません。

70年代~80年代は、やはり歌謡曲やアイドル曲のインパクトが強いですが、こちらはバンドロック。ALFEEと言えば「星空のディスタンス」「メリーアン」とかが有名ですが、僕がALFEEで一番好きな曲はこれです。「サファイアの瞳」も好き。

この曲はカラオケ機種によっては入っていないところもあるのが残念。どちらにせよ原曲キーでは歌えませんが。

リンクさせている音源は比較的最近のライヴ音源ですが、最近の歌声の方が好きだったりします。齢50、60を超えてなお成長する歌、もはや歌という概念ではない何かなのか。
バラエティ番組などでの茶目っ気おじさん3人組のイメージと打って変わって、さすが本業、めちゃんこカッコいいです。

哀しくてジェラシー(チェッカーズ)

THE 80年代。個人的には80年代よりも70年代の方が好きな曲が多いのですが、このギラギラ感は80年代を彩ったアイドル系アーティストならではだと思います。

余談ですが、チェッカーズの有名な曲のタイトルって、漢字とカタカナの組み合わせが多いですよね。

昭和の歌を手軽に聞ける令和

好きな曲はまだまだあるのですが、際限ないのでこれくらいで。

さて、僕が昭和の歌を好きになったのは、親や周囲の人の影響というわけでもなく、TVの影響が大きかったです。
僕が小さい頃は歌番組もたくさんやっていて、最新の曲はもちろん、「懐かしのヒット曲」と題した特番やコーナーを見ることも多かったですし、モノマネ芸人さんを経由して曲や歌手を知ることもしばしば。いずれにせよ、TVからの情報が圧倒的に多いです。

そして幼い僕にとって、昔の歌手に触れる貴重な機会はYouTubeでした。今でこそ「YouTuber」という職業があるほどですが、昔はどこから持ってこられたのかも分からないTVの切り抜きや音源があるだけのサイトでした。YouTubeというサイトを通してとは言え、やはりそこで見るのも「ベストテン」「夜のヒットスタジオ」など、TVの映像が多かったように思います。

時は過ぎ令和。サブスクでいつでもどこでも音楽が聴ける。昔の曲も最新の曲も、往年の名曲もマイナーな曲も、すべてが横並びになった世界。時代を超えて手軽に聞けるのは本当に素晴らしい世界だと思います。

そして短時間の動画が流行っている昨今、昭和の時代の曲の一部やフレーズを取り出して動画が作られ、「再ブーム」が起きるような曲もあるみたいです(「違う、そうじゃない」(鈴木雅之)とか)。若い世代にも往年の名曲がたとえ一部でも知られるのって、ステキなことやなあと思います。

その一方で、1曲をじっくり味わうという機会は減っているとも思います。自分が音楽を聴く場面を振り返っても、ながら聴き、通勤時間に聴く・・・例えば歌詞カードを見ながらじっくり聴き込むという時間を作っていないなあと。
YouTubeでサビだけ聞くとか、シャッフル再生でイントロを聴いて「違う」と思ったら飛ばすとか。曲に触れる機会には溢れているけれど、情報の海に還っていくスピードも速い。

今回ご紹介した曲の多くもイントロが長めなのですが、この時代においてはAメロに辿り着く前に次の曲に切り替えられてしまうかもしれない。サビまでの展開がワクワクするのに、聴かれないかもしれない。そう思うとそれって少し、もったいない気もするのです。

手軽に聴ける手段が豊かな時代だからこそ、じっくり聴き込む余裕、心の豊かさも必要なんじゃないかな。今回改めて自分の好きな曲を集めて聴いて、そんなことを想ったり。

音楽は時代を超えるから。どんな時代になっても、残していけたらいいなあ。

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