見出し画像

2020年のエンタメ業界、芸能事務所のこれから

サイバーエージェントから芸能事務所へと転職してから4ヶ月程経ちました。試用期間も無事に過ぎ、正式に入社となりました。

エンタメ業界に身を置いて、2020年感じたこと、2021年以降の予想をざっくり書いていこうと思います。

コロナがエンタメ業界にもたらしたもの

転職してまず最初に思ったことは、コロナがエンタメ業界に及ぼしたダメージは大きいということです。

そんなことは言わずもがな・・・ではあるのですが、実際にエンタメ業界に飛び込んでみると傷跡が大きいなと感じる場面がありました。

エンタメ企業で見ると、ライブ事業ができない等で各社PLが落ち込み、早期退職や自社ビルを売却せざるをえない企業が出てきました。

制作は各作品の制作がストップ、公開スケジュールは遅延、制作の現場も最小人数で細心の注意を払って行いなんとか再スタート。

最近では、「ミッションインポッシブル7」の撮影現場で対策を怠っていたスタッフに激怒したトム・クルーズが話題になりましたが、皆さん対策を行って真剣に制作に取り組んでいます。

コロナの影響かは分からないですが、芸能人の方の悲しいニュースもありました。芸能人の方の身体のケアは真剣に考えないといけないと思います。

NiziUもミイヒがデビュー直後に休養に入ったりと、芸能人の働き方改革が求められると思います。

マイナスなことが起こる一方で、コロナ禍で何ができるんだ?とエンタメ企業が模索を始め、新しいエンタメが芽吹く1年でもありました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)というバズワードが後押しをして、エンタメ企業はテクノロジーへの投資、新しいビジネスの模索を始めました。

各社YouTube・インスタライブをはじめとするSNSに注力を開始、オンラインライブやオンライン握手会、リモート環境を生かした映画・CM制作など取り組みました。

嵐も最後のライブはオンラインで実施。配信前はかなり準備方法を事細かに説明、ライブでもファンの声援が使われ、リアルタイムでメッセージも送れました。

今後はオンラインライブのナレッジもどんどん蓄積されるでしょう。

誠に勝手ながら2020年のエンタメ業界を総括すると、コロナはエンタメ業界にプラス、マイナスどちらも遺していったと思います。

コロナがこれまで腰の重かった旧態依然としたエンタメ業界に変革を促した、と個人的には解釈しています。

今後の芸能事務所の行末

エンタメ業界から芸能事務所へと少し話を変えます。

各芸能事務所は引き続きテクノロジー領域の投資・新規ビジネスの模索を続けることでしょう。

芸能事務所はマネージャーというポジション以外の採用、マネージャーへ新しいスキルセットの要求を始めるかもしれません。

これまで芸能事務所はファンクラブを運営してきましたが、自社メディアとしてマネタイズ化の注力を開始するはずです。自社コンテンツの企画・制作ができる人材の採用開始が考えられます。

また、インフルエンサーのように自己プロデュースできない新人タレントのソーシャル戦略をしっかりと立案・実施できるマネージャーも求められてくる気がします。

ITに慣れ親しみ柔軟な価値観を持つZ世代、テレビ・YouTubeなど媒体問わずエンタメを見てきた企画好き、ITプロフェッショナルの活躍の場が広がる、、、そんな気がします。

そして、2020年は多くの芸能人の方が独立という手段を取りました。

アメリカのようにエージェント制度の事務所、アソビシステムのようにサロンを開始してファンと共創していく形式のものが増えていくでしょう。

エンタメ周りのスタートアップも増えると思いますし、古くからある芸能事務所も一緒に取り組みを開始するケースも増えるはずです。

エンタメ業界はコロナで大きく転換を迫られ、各社まさに種を巻き始めているフェーズかと思われます。

元々IT企業にいた身としてはIT企業はどんどん素晴らしいテクノロジーを生み出し、芸能事務所はITテクノロジーの話がわかる人が増えて新しい取り組みが生まれていけばいいと考えています。

いただいたサポートは書籍購入費に充てます!