マジシャンのマジックスタイルは十人十色。
世界には、日本で見られないスタイルのマジシャンも多い。
今回は、ぜひ会って、間近で見てみたいマジシャンを紹介したい。
いつか、会える日を願って。

「マークスペルマン」（イギリス）

ブリティッシュゴットタレントに出演し、人気を博した奇跡のマジシャン。
「家族」をテーマにした彼のマジックは感動的だ。

概略は、こうだ。
5年間の不妊治療の末に妊娠したマークスペルマンの奥さん・テッサ。
だが、妊娠4カ月目に乳がんが発覚。
母子両方を救うために、彼は活躍していたマジックの世界から姿を消した。
そして2年が過ぎたブリティッシュゴッドタレントでは、審査員たちにいろんなモノを選ばせていく。
そして次に流されたビデオでは、これまでの事、未熟児として生まれた娘のことが紹介されるが、そこで出てくるいろいろなモノは、さっき審査員たちが選んだモノと同じだった。
彼は自分を紹介するとともに、見事な腕前を披露し、復活を果たしたのだ。
まさに、奇跡としか言いようがない。

「トム・ストーン」（スウェーデン）

白くて長い指から繰り出されるワザは、とにかくスマート。
彼の代名詞と言える「カップアンドボール」と「コインマジック」では流れるようなマジックで、最後まで一気に見せてくれる。
三個のボールを一つずつカップの中に移動させていく「カップアンドボール」
では、見ているうちにボールの行方に翻弄され、最後にカップからボールがあふれた時には、思わず感嘆の声があがる。
「コインマジック」では、コインロールやマッスルパス等のコインテクニックも秀逸。
レギュラーコインをジャンボコインに変化させ、さらに意表をつくように「靴」に変化させる手順は見事としか言いようがない。

「マリオロペス」（スペイン）

代表作「喫煙しないタバコ」で、マジックのオリンピックとも言われる「FISM」で賞を受賞している。彼のマジックに大きな装置は必要ない。
わずか1本の煙草で、会場を魅了する。

「喫煙しないタバコ」は、ステージ上で煙草を吸おうとするが、上下が逆さまになり、なかなか吸えない。
煙草から隠れたり、半分に折ったりと、あの手この手で吸おうとするが、煙草をちゃんとくわえることさえ難しい。
ついには、ライターまでも上下逆さまになる。
会場の視線が手先に集中する中で煙草を操り、驚きと笑いの世界に連れていかれる。それは、まさに妙技。

彼のマジシャンらしからぬ風貌も、マジック内容にぴったり。
気負わずマジックをしているカジュアルな雰囲気と高度な技術のギャップにも魅了され、彼のファンにならずにはいられない。

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