見出し画像

平成ハイビスカスと令和バタフライ

今回は自分のグッズの宣伝みたくなってしまい、ちょっと恐縮だが、今日は「平成のハイビスカス」と「令和のバタフライ」を軸に流行の浸透について語ってみたい。

振り返れば、平成も色々なもの流行ったが、基本的に流行は因果関係が語れるものがほとんどだと思う。

私は平成カルチャーの文献やストリートファッション史、平成の廃刊したファッション雑誌と様々な平成にまつわる本をそこそこ読んでいるが、何かひとつの「流行」をとっても基本的に誰(著名人)から流行ったとか、またあるカルチャーからより進化した形になったとかきちん語られるものばかりだ。

その中で、ずっと疑問に思っていたことがひとつあった。

90年代後半の「ハイビスカスブーム」はどこから来たんだろう?という疑問だ。

◆平成のハイビスカスブーム

このハイビスカスブームの諸説は色々あり、当時のサーファーブームやアルバローザ、ある一人のカリスマ女子高生から…等と色々あるが、これに関しては当時の時代を生きた私からみて納得する部分がありつつも、全てがしっくり来るものではない。

また当時「バカっ花」と称された、大きなお花のヘアクリップが流行ったが、実際ハイビスカスではなくても、何故か90年代の女子高生…というとハイビスカスを頭につけて描かれることが多い。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

画像1

※1997年プチセブンno.16 / 小学館
何気に貴重な「バカっ花」が世に出始めた頃の記事。諸説が不明なところが興味深い。

画像2

画像3

※1998年Cawail!9月号 / 主婦の友社
ロコブームもあってからか色んなアイテムにハイビスカスがチラホラある。ハイビスカス以外だとプルメリアも人気だった。バカっ花からハイビスカスに進化したのもこの頃から。

画像4

※1998年Popteen8月号 / 角川春樹事務所
98年の夏は特にハイビスカスだらけだった。90年代のこのイメージは未だ引きずっている気がする。それぐらいハイビスカスの印象を残した。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

それぐらい90年代の女子高生におけるハイビスカスの印象は強かったのだ。
しかし、それだけ流行ったハイビスカスブームだが発祥源の情報量がどれも決め手にもっていくには少ない。なかなか一言では定義出来ないのだ。

この流行において私の肌感でいうと、もっとなんかこう、じわ~っと流行ったイメージなのである。パリコレなどの「今年の流行はコレです!」と言っていきなりバンっ!と流行を提示されたものではなくじわじわといつのまにか流行して定着したイメージだ。

先日、記事を書いたLOVE BOATのミラーと近いイメージかもしれない。
いつの間にかじわじわと流行り、皆が持つことでイメージと認識が根付き、流行が定着されたあの感じだ。

自分の青春時代の流行を振り返ると、何でも単純に流行ったとは一言で語れるが、それはどこから発生したの?と深く追求したときぼんやりとした時代のイメージや雰囲気でしか語れないものもある。

そのようなものを細かく挙げたらキリがないが、平成のハイビスカスブームもその1つだと思う。

こうしてよく「流行」そのものを考えてみると、どこかのアパレルのお偉いさんが会議で決めてそのまま素直に流行るものもあるが、それだけでない「私たち」からなんとなく流行る「流行」もとても興味深い。

皆が追う「流行」も漢字のように流れる水のように掴みたいけど掴めない…そんな風に思う。

◆令和のバタフライブーム

令和に入りじわじわ流行っているバタフライブームも私はどこかハイビスカスブームの流行の時と「同じ匂い」を感じていて、言語化出来ない流行に少し淡い期待をしている。(本当はちゃんと言語化しなくちゃいけないんだけれど。)

繰り返しの流行を今までみてきて、実は何回かバタフライモチーフは流行っているのだが、それはANNA SUIからだったりチャイナブームからだったり、はたまたAYUのPVからだったり…ときちんと流行の派生が定義できる一過性のものやワンシーズンの流行だった。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

画像5

※1998年Popteen8月号 / 角川春樹事務所

画像6

※1998年 / プチセブンno.14 /小学館
基本的にこの時の蝶々はロマ系の服に似合う繊細な蝶々が人気だった。今のようなストリート感が強い蝶と比べると面白い。

画像7

※1998年Popteen12月号 / 角川春樹事務所
90年代後半にほんのりと流行った「蝶々」ブーム。しかし、どれも大々的に流行った印象はない。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

しかし、今までの平成に流行ったバタフライモチーフの流行と令和に入ってからのバタフライモチーフの流行ってちょっと違う気がするのだ。

令和のバタフライブームはどこかのアパレルブランドが提案したわけでもなく、またこの流行の発祥源があまり定まらないところも含めて、じわじわ~といつの間にか若いコの間で流行っていく感じが、やはりあの時の平成のハイビスカスブームと似ている。

この令和のバタフライブームも流行の発祥源が「鬼滅の刃」のキャラクター「胡蝶しのぶ」からだったり、ストリートファッションからだったり、はたまた韓国ファッションからだったり…と色々意見が挙がるが、いまいちどれも納得しつつも、しっくり来ない。

※ここ最近はアパレル等も含めて全体的に「蝶」モチーフを多い気がする。

冒頭の宣伝になってしまい恐縮だが、そのようなところがとても面白く感じて、超個人的な見解で「東京パープル」で作ったキーホルダーは「平成ハイビスカス」「令和バタフライ」と名付けてみた。

画像8

↑スピンズ  池袋店 CREATORS BASE にて販売中。※写真のキーホルダーは後日納品予定。

早くも令和に入って3年経つが、このバタフライブームがどこまで続くか見届けると同時に次のブームがどのように進化していくのか楽しみだ。

令和からの流行も時間の流れに飲み込まれることなく冷静に見つめていたいと改めて思う。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

Tajimaxからのお知らせ

大変お持たせしました!9月中旬(間に合えば少し早くなるかも…!)に「東京パープル」がBASEで販売予定です!長々お待たせしてしまい、本当に申し訳ございません…!また詳細は追って告知させて頂きます!

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?