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大前研一 日本の論点2023-2024②:これからの必須スキルは「〇〇力」。ゼロから自分で考えよう!

読書ノート(83日目)
さて、本日もこちらの本を
紹介していきます。

本書は大前研一さんがプレジデント誌で
連載している「日本のカラクリ」の1年分の
原稿を書籍化したものです。

本書の目次を見る限り
日本編で12章、海外編で10章と
合計22章にわたって
大前さんの考えが掲載されています。

今日は大前さんが考える
これからの時代の必須スキル「構想力」
についてです。

■人材不足の日本のIT・デジタル業界
 プログラミング思考が必須科目に
・世界でのIT人材といえば、アメリカのシリコンバレー、中国の深圳、
 インドのベンガロール(バンガロール)やプネ、ハイデラバードには
 スーパースターのIT人材が多数いる
・米中印のスーパースターは構想力を持ったエンジニア
 つくりたいシステムを構想し、それをスペック(仕様)に書き出せる
・一方で、日本のIT業界は多重下請け低賃金の温床が実情
 人に言われたことをプログラミングするだけの人材しか育っていない点で
 世界では到底評価されない

・経営者にとって、今やプログラミング思考は必須科目
 自分のアイデアをどうシステム化するのかを語れることが重要
・例えば、日本交通の川鍋一郎会長は日本初のタクシー配車システムの
 「ジャパンタクシー(現在はGO)」の原型を構築した
・川鍋会長はウーバーがアメリカで登場した際に危機感を感じ
 プログラミングスクールに通ってシステム開発を進めたという

・経営者の頭の中にある構想をシステムに落とし込むことが
 できる人材こそ、本当のDX人材。
そこには文系出身でも関係はない


■「自分の頭で考えよ」混迷の時代を生き抜くための必須スキル「構想力」
・現在の正解のない時代には、
 ゼロからイチを生み出す「構想力」が求められる
・大前研一の「構想力の原点」はMITの原子力工学科博士課程の
 大学院時代。一生の師と仰ぐロバート・オグルビー教授との話
・「ケン、電子顕微鏡で原子を見たい。どうすればいいか考えろ」
 と言われ、「わかりました。図書館で調べてきます」と立ち上がると、
 チョークが飛んできた。
 「バカ、図書館に答えがあるか。おれとおまえで考えるんだ。
  ゼロから自分で考えろ」と叱られた。

・やがて電子を使った顕微鏡を開発し論文を書き上げ
 「さっそく2人の連名でこの論文を投稿しましょう」
 と言ったら、またチョークが飛んできて
 「バカ、同じ内容の論文が過去に無いか、図書館で調べろ」と
  今度は他人の先行研究を確認するように叱られた。

・オグルビー先生は最初に「顕微鏡で原子を見る」という目標を定め、
 二人で実現するための方法をゼロから考えていった。
 この経験から初めて研究の基本を教わった。

・図書館に行けば思考範囲がぐっと狭くなる
 構想はあらゆる可能性の空間を駆け巡ることによって
 他人の思いつかなかったモノが生まれてくるもの

・科学者や技術者のように「本当の原因は何か」という現象を
 よく観察して考えれなければ対策が的外れになる
・21世紀の新しい世界では、すべてを物理学的に一度見直して
 理論を組み立て直す必要がある
・だからこそ、若い人に「構想力」の原点を教えたい。
 過去の前例や旧来の方程式ではなく、物事の真の原因や現象を
 深く観察し、自ら答えを探す姿勢が大切
・オグルビー先生の教えを日本でも多くの人に学んでもらい、
 新しい発想と構想を生み出して欲しい

今日は大前さんが今後の必須スキルとする
「構想力」についての紹介です。

以前、大前研一さんの本の中で
未来を予測するときは
Forces at Workに注目するという言葉が
印象的で、今でも覚えています。

目の前の現象をよく見て、考える。
そこに作用する力(Forces at Work=FAW)を見抜けば、
新たに生まれ来る変化や特徴をとらえることが出来る。

達成したい目標を定めて
ゼロから考える「構想力」と
現在から未来を予測する「Forces at Work」、
この2つを身につければ、もっと
世の中のことを理解でき、
トレンドにも上手く乗れるのかなと思い、
昔に読んだ大前さんの本の話ですが
ふと思い出しました。

これは余談ですが、
MITでの大学院時代、大前さんが
一生の師と呼ぶオグルビ―先生から
チョークが飛んできて叱られた
というエピソードも印象的でした。

大前さんにもそういった時代があったのだ
という意外な思いと、その後にマッキンゼーで
コンサルタントとして活躍されるときの
発想の原点にもなったとのことで、
少しほっこりする思い出話でしたので
合わせて紹介させて頂きました。

この次は同じく本書から
「MaaS革命」の勝者は
 EVメーカーではなく「IT企業」
について紹介しようと思います。

それではまたー!😉

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