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読書レビュー『丸太町ルヴォワール』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回の読書レビューもミステリー小説となります。
円居挽の『丸太町ルヴォワール』です。

概要

タイトル|丸太町ルヴォワール
作者  |円居挽
出版社 |講談社
発売日 |2012/9/14

感想

この作品は円居挽による〈ルヴォワール〉シリーズの第一弾です。
本作品は祖父殺しの嫌疑をかけられた青年を助けるべく、主人公・御堂達也が私的裁判『双龍会』で戦う物語です。私的裁判というところがミソで、「証拠を必要としない」「裁判長が納得したら勝ち」など、とにかく原告側と被告側の論述合戦が見どころです。

この作品というか、このシリーズの魅力は何と言っても、緻密な複線回収終盤のどんでん返しです。初めて読んだ時は理解が追い付かず、呆然としてしまうほどの衝撃でした。

クライマックスが始まると、まず複線回収が始まります。各キャラクターのちょっとしたセリフの違和感や嘘から事件の様相が目まぐるしく変化します。どのキャラクターもかなり癖が強めではあるものの、二週目読む時は印象が大きく変わってしまいます。
そしてクライマックスの終盤はどんでん返しの連続です。少しやりすぎではと感じるほど急展開が続きます。個人的にはどんでん返しは好きなタイプなので、とても楽しめました。

ちなみにミステリーとは言うものの、推理を楽しむタイプの小説ではありません。単純に物語を楽しむ小説であり、そして作者の緻密な計算に驚く小説です。

おわりに

今回は『丸太町ルヴォワール』を紹介しました。
個人的に最も好きな作家は誰?と聞かれたら、真っ先に円居挽を挙げます。とにかく私のツボにはまっていて、これ以外の作品もとても楽しく読ませていただいています。〈ルヴォワール〉シリーズの第二弾である『烏丸ルヴォワール』もとても面白かったので、いずれ紹介したいと思います。

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