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読書レビュー『七回死んだ男』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回紹介する一冊は、西澤保彦の『七回死んだ男』です。タイトルから少し不思議な感じがしますが、私には珍しいSFを盛り込んだミステリーになります。

概要

タイトル|七回死んだ男
作者  |西澤保彦
出版社 |講談社
発売日 |2017/9/14

感想

この作品は、いわゆるループもののSFミステリーになります。同じ日を七回繰り返してしまう特異体質を持つ主人公が、殺害される祖父を救うことに奔走する物語です。

SFと言っても、ループ以外に特別な要素はありませんので、慣れていない私でも、結構すんなり読むことが出来ました。むしろコミカルなタッチで物語が進むため、自然と特殊設定を受け入れることが出来ました。

タイトルに「七回死んだ男」とある通り、祖父は何度も殺害されます。基本的に、「祖父が殺害される ⇒ 謎を解く ⇒ 次のループで対策を打つ ⇒ 祖父が殺害される ⇒ ・・・」を繰り返す物語です。何度対策を打っても、別の要因で殺害される事件を推理していくうちに、ようやく真実にたどり着き、ハッピーエンドとなります。しかしまだその先にもどんでん返しがあり、最後の最後での鮮やかな複線回収は、とても心地よいクライマックスでした。

かなりパズル要素の多い作品かと思います。主人公が試行錯誤する様子が面白く、また登場人物もなかなか破天荒なキャラが多いので、単純に推理することは難しいかもしれません。私が好きなタイプである、コミカルで読み物として楽しいミステリー作品となっています。

おわりに

今回は『七回死んだ男』を紹介しました。
この作品はSFを盛り込んでいるものの、そこまで苦が無く読み切ることが出来ました。SFやファンタジーは設定を覚えるのが苦手で、あまり手を出してこなかったジャンルです。このぐらいのあっさりしたSFであれば楽しめることが分かったので、新しいジャンルを開拓してみようと、きっかけ作りにちょうど良い作品でした。


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