SMAPに楽曲提供した邦ロックミュージシャン(2010~2015)

 特にSMAPのファンではなかった自分ですが、「夜空ノムコウ」で作詞のスガシカオが話題になったように、楽曲提供ミュージシャンがSMAPへの楽曲提供を機に、音楽ファンじゃないそうにも知られるようになっているのを見ていておもしろいと思っていました。

 特に2010年以降、若手ミュージシャンから熱心のピックアップに対して熱心であった気がします。ですので、そうしたミュージシャンやバンドを取り上げてみます。

1.サカナクション・山口一郎「Magic Time」(2010年)、「Moment」(2012年)

 シングル「アルクアラウンド」、「アイデンティティ」、アルバム『kikUUiki』をリリースした2010年に、初めてのSMAPへの楽曲提供を行いました。アルバム収録曲として「Magic Time」が制作されました。

 草彅剛主演ドラマの『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜』の主題歌「僕と花」をリリースした2012年には、オリンピック中継のテーマソングとなったシングル表題曲「Moment」を提供しました。頑張ってきた人の背中を押すような歌詞です。

 サカナクションは、5人組のロックバンドであり、テクノやエレクトロとバンドサウンドが融合した音楽を「SMAP×SMAP」でもコラボレーションが放送され、2013年には、サカナクションは紅白歌合戦に出演し、世間的な知名度も上げました。

サカナクション - アルクアラウンド(MUSIC VIDEO) -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-

サカナクション - 僕と花(MUSIC VIDEO) -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-


2.相対性理論「GAIAにおねがい」(2010年)

 「GAIAにおねがい」は稲垣、草彅、香取の3人で歌唱しました。相対性理論の路線の中毒性ある不思議な印象の楽曲です。2012年リリースの山下智久「愛、テキサス」も相対性理論が提供しています。

 2009年に「第1回CDショップ大賞」に『シフォン主義』が選出された相対性理論。収録されていた「LOVEずっきゅん」は、「SMAP×SMAP」の番組内のコーナーにサビの部分が使われていましたね。

#やくしまるえつこ #相対性理論 #Soutaiseiriron
相対性理論『LOVEずっきゅん』/ Soutaiseiriron - "LOVE Zukkyun"


3.ドレスコーズ・THE BAWDIES「I Wanna Be Your Man」(2012年)

 作詞:志磨遼平 / 作曲:Ryo Watanabeの楽曲。こちらも、稲垣、草彅、香取による歌唱で、THE BAWDIES路線のサウンドにホーンがかっこよく彩ってくれています。

 ドレスコーズは2012年にメジャーデビューしました。現在は志磨遼平によるプロジェクトになっています。バンドメンバーはレコーディングやライブごとに入れ替わっています。ほかにもゲストボーカルでの参加や、楽曲提供も行っています。

 THE BAWDIESは4人組の英語詞やハスキーなボーカルも印象的なバンドで「ROCK ME BABY」はドラマ「ハングリー!」のテーマ曲で、このドラマには稲垣も出演していました。

ドレスコーズ - Trash(medium version)

THE BAWDIES - ROCK ME BABY (short version) & MVメイキング映像


4.赤い公園「Joy!!」(2013年)

 香取主演ドラマ「幽かな彼女」の主題歌として起用されました。「Joy!!」は、歌詞が辛いことを明るく吹き飛ばすような内容で、メンバーのユニークな振り付けも楽しい楽曲です。

 赤い公園はメジャー当時と路線とは全く異なる楽曲でしたが、その後津野米咲は、赤い公園でも、モーニング娘。への楽曲提供でも幅広い音楽を制作していきました。2020年に津野が亡くなり、2021年5月に赤い公園は解散してしまいましたが、素晴らしい楽曲を多く生みました。

赤い公園 - 交信

 

5.クリープハイプ「ハロー」(2013年)

 クリープハイプの尾崎世界観がハローキティ40周年記念オフィシャルソングとなった「ハロー」を提供をしました。当時のクリープハイプのイメージからすると、意外な温かなポップスだなと感じた印象がありました。

 クリープハイプは、尾崎のハイトーンと歌詞にも注目されるロックバンドです。ドラマや映画のタイアップ作品も担当し、近年では小説家としても活動する尾崎が、芥川賞の候補に選ばれるなど、多方面で活躍しています。

クリープハイプ - 憂、燦々(ゆう、さんさん)


6.川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女。)「アマノジャク」、「好きよ」(2014年)、「愛が止まるまでは」(2015年)

 当時、二つのバンドを掛け持ちしていた川谷。「アマノジャク」と「好きよ」は、川谷が1曲だけだと自信がないから、2曲あげたら、2曲とも採用されたそうです。ゲスのサウンドを意識したピアノのイントロから始まる「アマノジャク」、アルバムの最後を飾るバラード「好きよ」。

 2015年には、結果的にはラストシングルとなってしまう「愛が止まるまでは」を提供しました。こちらもゲスのサウンドを意識したピアノが印象的な疾走感あるナンバーで、ジャケ写もピアノの上に乗ったSMAPがThe Beatlesの『Abbey Road』を意識したものになっています。

 川谷絵音は、現在4つのバンドを掛け持ちし、プロデュースするプロジェクトも多数携わっています。2016年にSMAP、川谷双方が解散・活動休止に追い込まれますが、2018年には川谷の稲垣吾郎への楽曲提供が実現しました。

ゲスの極み乙女。"キラーボール" (Official Music Video)

indigo la End「夏夜のマジック」

ゲスの極み乙女。 - 私以外私じゃないの

稲垣吾郎 - SUZUNARI


 改めて、SMAPの楽曲提供のミュージシャンが豪華で、ほかにも凛として時雨のTKや椎名林檎、久石譲、中田ヤスタカら、2010年以降だけでも当時の若手や注目ミュージシャン・作家をピックアップしていたと思います。サカナクションやゲスの極み乙女。の紅白出場は、SMAPへの提供後、さらにお茶の間への注目を集めた中での選出でした。

 SMAPの解散で、世間の認知度を引き上げるほどの存在感を持つグループがいなくなってしまったと思います(嵐は楽曲提供の方向性がSMAPとは別の良さがありました)。

 一方で、SMAPのこの路線は、元メンバーにも引き続きつながっていて、木村拓哉、新しい地図双方に引き継がれている気がします。特に香取慎吾のアルバム『20200101』はオススメです。


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