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本格中華はバンコクの新中華街で「中華小吃(ジョンフア)」

 ラチャダーピセーク通りのホワイクアンエリアが、何年か前から新中華街になっている。バンコクの中華街というとヤワラーがよく知られているが、ここは1800年代からいる中国系移民が暮らしていたエリアだ。タイはシンガポールやマレーシアと違って同化政策が強めだったこともあり、ヤワラーの住民はほぼタイ人になっている。しかし、中国移民の流入は今も続いていて、新移民たちはホワイクワンに集まってきている。そんな場所なので、この辺りの中華料理店は今の中国そのままの味といった雰囲気があって、案外おいしかったりする。その中でボクが一番好きなのが「中華小吃」だ。タイ語ではジョンフアという。

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 新中華街はMRTホワイクワン駅1番出口から東方面に向かうプラチャラット・バンペン通りを中心にしている。ここからホワイクワン区役所があるソイ・プラチャウティットにかけて、中華料理店が立ち並ぶ。

 この辺りの中華料理店は店によっては全然タイ語が通じないという、完全に中国人客を目当てにした飲食店もある。だから、タイ人に媚びていない、本物の味を楽しめる。

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 お勧めの中華小吃はわりとラチャダーピセーク通りに近い。中国の東北料理のほか、四川や雲南省の料理が楽しめる。四川料理というと日本人だと麻婆豆腐を思い浮かべる。イコール、四川料理は辛いというイメージだ。しかし、雲南料理の方が辛いという中国人もいるほど、雲南省の食べものもまた辛い。ここではそんな中国2大激辛料理が堪能できるわけだ。

 特に中華料理の「辛い」は麻辣味というくらい、感じ方で辛さを使い分けているので、タイ料理の「辛い」とは意味合いが違う。麻味が花椒、すなわち山椒の痺れ、辣味がトウガラシのヒリヒリとするような辛みだ。そのあたりも堪能できるので、特にこの中華小吃はお勧めなのだ。

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 中華料理店に来たらボクはこれは絶対に注文する。ジャガイモの炒めものだ。これは四川とか雲南とか関係ないのだと思う。

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 それから小籠包とか餃子もあった。東北料理というのはこの餃子を指しているのだろう。

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 定番の麻婆豆腐と酸辣湯もある。値段も1品がせいぜい100バーツ台だったはず。だから、和食よりずっとリーズナブルに楽しめるのもまたいい。

 青島ビールもある。これも十何年前でしょう。それ以前はまず見ることはなかったけれど、今は中華料理店なら大体どこにでも置いてある。ただ、バンコクで飲む分にはあまりおいしく感じないのだけれど。

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 これは回鍋肉だ。これも結構辛いのだが、肉厚でボリューム感もあり、ビールにぴったりだ。

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 揚げ豆腐の炒めものも結構辛めに仕上げてあって、なかなかいい感じだった。ほかにカエルのスープみたいな料理とか、各種炒めものはどれもおいしい。

 中華小吃は雲南省の料理を扱っているだけあってか、店員の中国人はタイヤイ族だった(取材時)。雲南省にあるシーサンパンナというタイ族自治州に住む、タイのルーツと言われる地域の出身者たちだ。タイにかなり似た文化と言語を持つので、この地域の出身者はタイに来るとわりと容易にタイ語を習得するみたいで、この店の店員は大体タイ語が通じる。

 ホワイクワン通りを渡ればホワイクワン・ナイトマーケットもあるし、地下鉄で1駅ほど戻れば鉄道市場もあるので、この辺りの中華は夜のバンコク散策の際にも便利であるというのも付け加えておきたい。

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