【映画レビュー】「ザ・キャビン 監禁デスゲーム」(2020年 イタリア)~人間関係の崩壊を描くのは上手かったが、もう少しなんとかならなかったのか……~

【タイトル】
「ザ・キャビン 監禁デスゲーム」(2020年 イタリア 84分)
監督 リッカルド・グランディ
脚本 アルフレド・アルチェロ、クラウディア・デ・アンジェリス、リッカルド・グランディ
出演 アレッシオ・ラピーチェ、エウジェニオ・フランチェスキー二、ヤコポ・オルモ・アンティノーリ


【あらすじ】
 ヴェロニカという画家の個展に集まった男たち4人。
 彼らはこの画家の亡き息子、アレッサンドロの友人達だった。
 久々の再会で酒を飲んでいた4人。

 ……だが、目を覚ますと、何故か4人は雪に囲まれた山小屋に居た。
 ここは彼らが学生時代、パーティーに使った別荘だ。
 小屋には監視カメラがあり「アレッサンドロの死の真相について語れ」というメッセージが。

 ……アレッサンドロは学生時代に不慮の事故で死んだはずだが、本当は事故で死んだのではなかった……。

 雪山の小屋に監禁された男たち4人。
 彼らは過去を振り返りながら、アレッサンドロが死んだ真相について語り始める。
 やがて、4人は疑心暗鬼となり、惨劇へと物語は進んでいく……。


【感想】
 小屋に監禁されているが、それ以外は割と自由に動けるのと、登場人物たちも小屋が寒い以外、特に困っていないので緊張感がない。
 回想シーンが定期的に挟まるが、登場人物の現在の姿と学生時代の姿がわかりにくく、誰が誰なのかわからなくなって混乱する。 
 真相も驚愕するほどの話ではなく、グダグダなんで面白味に欠ける作品だったかと……。

 だが、表向きは仲良し5人組に見えても、裏では嫉妬や愛憎などで歪んだ人間関係になっており、その歪みが徐々にひび割れて崩壊していく様子は良かった。
 結局、友人同士だからといって心の奥底までが通じ合っているわけではなく、お互い、無意識に不満や不信感を持っている。
 そうして、いつかは些細なキッカケで友情は粉々になっていく脆さを描いた点は見事だったかと。


 とりあえず、監禁ゲームという邦題だから誤解を招くが、ただの同窓会での揉め事を描いているだけの映画なんで、サスペンスやデスゲームではなかったかな……

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