【注意】
　今回、紹介する映画はR15指定の映画であり、暴力、グロテスク、性描写などの過激な映像があります。
　作品の性質上、性的、残酷な表現が多いレビューになりますが、作品の意図を尊重した上でレビューさせて頂きます。

【タイトル】
「ゆれる人魚」(2015年　ポーランド　92分　※R15指定)
監督　アグニェシュカ・スモチンスカ
脚本　ロベルト・ボレスト
出演　キンガ・プレイス、ミハリーナ・オルシャンスカ、マルタ・マズレク

【あらすじ】
　1980年代のワルシャ。
　そこに上半身は人間の女性。下半身は魚の尾をした人魚の姉妹が人々の前に現れる。
　姉の名はシルバー。妹の名はゴールデン。
　二人の人魚は下半身を魚の尾から人間の両脚に変えることができ、陸を歩くことが出来た。

　陸に上がった人魚の姉妹はナイトクラブで働き始める。
　二人は歌と踊りで観客たちを楽しませ、彼女たちも陸での生活をエンジョイしていた。

　人魚と人間。
　異なる種族が上手く共存しているかのように思われたが……。

　しばらくして、姉のシルバーはミュージシャンの男性に恋をする。
　だが、人魚の下半身は魚の尾から人間の脚に変えられても、陰部に性器がないため、人間の男性とセックスすることは出来ない。
　さらに、この二人の人魚には、実は食人衝動があった……。

　食人衝動と性欲が抑えきれなくなった二人の人魚の運命は……？
　キュートな人魚姉妹のカラフルポップにグロい新解釈人魚ストーリー！！

【感想】
　ミュージカルが始まったと思ったら、いきなりグロシーンが来たりと心臓に悪い映画だった……。

　あらすじに書いた通り、この映画の人魚は下半身を人間の両脚に変えられるのですが、アソコには『性器』がありません。
　なので、姉シルバーは好きになった男性と抱き合うこと……ストレートに言うと、セックスができません……。
　なので、シルバーは好きになった男性とセックスするため、人魚をやめるのを決意！！
　果たして、人魚をやめるためにシルバーが取った手段とは！？

【警告】
　以下、本編の重大なネタバレが含まれております。
　また、過激な描写もありますのでご注意下さい。

　シルバーが人魚をやめた方法を文章として書くのはやや難しいので、絵で説明します。
　絵は私が描きました。
　人にお見せできるような画力ではないのですが、精一杯描きましたのでご容赦を。

『人魚のやめ方』
画　taka田taka夫

　本当に切るヤツが居るか！！？

　なんと、シルバーは人魚をやめるために自分の下半身を捨て、女性の死体から下半身を切断して自分の上半身に繋げたのです。
　その発想はなかったわ……。
　とんでもない方法ですが、手術シーンはかなりグロいので要注意……。

　あるお笑い芸人さんが言った「笑いと恐怖は紙一重」を表現するような映像に仕上がっております。

　人魚であることを捨て、人間となった姉シルバー。
　早速、愛しの彼に抱かれようとしますが、彼女はとんでもないミスをしていました。
　それは……。

　上半身と下半身がちゃんと接合されてなく、縫い合わせた部分から血が漏れ続けていたのです……。


　これでは、さすがにエッチな気分にはなれません……。
　シルバーは愛しの彼から距離を置かれます……。　
　わざわざ人魚をやめたのに、こんな結果になってしまうなんて……。

　結局、人魚と人間が交わることは出来なかった。
　シルバーとゴールデンの姉妹は、この先どうなってしまうのか……。

　切ないストーリーではあるものの、上記のエログロ描写で観る人をかなり選ぶ映画ではないかと……。
　紹介しておいてなんですが、自己責任での視聴をお願いします……。

　以上。
　新しい『切り口』で描かれた人魚の切ないお話でした