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本当の強者は誰なのか?(寄生の不思議)

最近、息子たちの間でカマキリ飼育がブームだ。夏のはじめからちらほら見かけるようになった幼虫を捕まえて、成虫になるまで飼っていたり、今の時期は産卵前のお腹の大きな成虫をよく見かける。

そして、飼育する参考にYouTubeでカマキリの生態を調べてみると、地面を歩いているカマキリはたいてい「ハリガネムシ」に寄生されているという情報を得た。

ハリガネムシはその名のごとく、針金のような体でミミズがより細く、固い生物だ。水中でトンボの幼虫などに産卵し、その幼虫が成虫になり、カマキリに食べられカマキリのお腹の中で大きくなるというサイクルで一生を終えるらしい。カマキリのお腹の中で成長し、最後にはカマキリをコントロールし、水の中に飛び込ませ、お腹の中から脱出するという変わったライフサイクル。

昨日、そんな地面をフラフラと歩いているカマキリを2匹見つけた。確かに言われてみると、動きは普通のカマキリと違ってなんとなくおかしい。これはハリガネムシにコントロールされているのかもしれないと思い、捕まえて水につけ、ハリガネムシがいるかどうか確かめてみることにした。

用意したのはジャムの空き瓶。ここに水を入れて、カマキリのお腹を水につけると、ハリガネムシに寄生されているとカマキリのお腹を突き破って出てくるらしい。想像しただけで気持ち悪い。

実は以前もこの「ハリガネムシ検査」をやったことがあった。お腹がパンパンのオオカマキリを捕まえたので、もしかして、、、と思い検査してみたのだ。1分ぐらい水につけても何も出てこなかったので、このカマキリは検査をパスし、その後卵を産んだ。

で、昨日捕まえたのはコカマキリとハラビロカマキリ。特にハラビロカマキリは寄生されている確率が高いとのことで、検査に臨んだ。

そうすると、開始からほんの10秒ほどでお腹を突き破って出てくるではないか。今までYouTubeの中でしか見たことがなかったけれど、実際に見てみると本当にキモい。子供達は大喜びだけど。

結果として2匹とも寄生されていた。あのフラフラと地面を歩く姿は水辺を求めてさまよっていたんだな。自分が死へ向かっているとも知らずに。なんとも不思議。

最新の研究ではカマキリは水面から反射する「水平偏光」という光に引き寄せられて入水してしまうらしい。あのミミズのような虫がそこまでコントロールしているのか。不思議すぎる。

昨日の日経新聞朝刊では、アブラムシはアリをコントロールして、天敵であるテントウムシから身を守っているという記事が掲載されていた。今までの常識では、弱者であるアブラムシが、甘い蜜をアリに提供し、相互依存している関係かと思っていた。だが、実はあの蜜の中にアドレナリンが含まれていて、アリを凶暴化させてコントロールしているとのこと。これも不思議。

いま、人類が闘っているあのウイルスも、実は我々に寄生していて、我々をコントロールしているのかもしれないな、と考えると。本当の強者はどこに存在するんだろうか?なんて考えてしまった。まあ、ウイルスが生物であるって意見には異論もあるだろうけれど。

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