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パブリックリレーションズ2つの大きすぎる課題

その1:経営者がマーケティングとか営業とかと勘違いしている

マーケティング・営業・宣伝。。。コミュニケーションの領域が狭すぎます。マーケティングは商品やサービスがメイン。パブリックリレーションズは企業がメイン。企業の信用力向上など、マーケティングがカバーできないことも含めて(潜在的パブリックの定義がマーケティングよりもはるかに広い)担当しています。概念図を作ってみると、こうなる。

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大抵の人が驚く、「●●は広報の下なのか!」と(笑

パブリックリレーションズ(広報)が企業の窓口としてステークホルダーたちとコミュニケーションしていくと、決算情報から商品情報、社長同行、社内でのコミュニケーション円滑化と、やればやるほど仕事が増え、かつ、カバーしなければならない範囲がエンドレスに拡大します。ゆえに、PR担当者はすべてのコミュニケーションに通じていかなければ対応できなくなる。結果として、パブリックリレーションズがマーケや営業よりも上位概念に身を置かないと、会社全体のコミュニケーションのかじ取りを誤ってしまうわけで。

会社の広報は、ステークホルダーとの対話が基本、としていますが、それもウソ。正確には「ステークホルダー候補も含む」ということで、場合によってはアンチも相手にします。端的な例は新卒採用広報。

ステークホルダーとの折衝は、実はライン部門が直接行っていることが多い。パブリックリレーションズは、リレーション構築後は専門部署にその関係を「パス」して、新たなAwareness獲得にチャレンジしていくものです。

直近、わたしが勤めていた残念な設計事務所も、社長はマーケティングのことを「広報!」と叫んでいました。いやいや、マーケティングですから。

コミュニケーションの要諦をちゃんと体系的に説明できる人が皆無のこの国のパブリックリレーションズでは、当然ながら社長にコミュニケーションの重要性をレクチャーできる人などほとんどおらず、社長のセンスにほぼ100%頼らざるを得ない状況です。その中で社長が間違えてコミュニケーションを覚えてしまうことも多々あり、マーケなのに「広報!」と言ってしまったりということは、日常茶飯事です。みんなまちがっているので、恥ずかしがることはないです。

どうしてこの概念図を自称PR専門家やセンセイさまがまとめることができないのか?

それは当人たちがパブリックリレーションズ学部を卒業しておらず、コミュニケーションの体系をまとめたことがないからです(ためしに有名な人たちの経歴を見てみればよろし。へたをすると1方向コミュニケーションの広告業界出身者だったりしますよ)。手元の報道対応や広告のまとめから始めた現場主義のため、

下流から上流にボトムアップすることを戦略、と考えてしまっています。

対処的「戦術」としては正解ですが(問題解決型)、ビジョンを掲げて理想に向かって突き進む戦略ではなく、クリエイティブの範囲も限定的になりがちです。局地的戦術は木を見て森を見ずなことが多くなる。しかし1パーツと考えれば、それはそれで最大限がんばってらっしゃるのも、わかります。体系化がいまだにはじまらない日本のパブリックリレーションズ(広報)には、法律部門の法学部のような、PR学部が各地の大学にホイホイできてもらわないと困りますね。

その2:若い人がいきなり広報担当をしている

広報は、部長でも担当者でも「会社の情報機関の長」です。ステークホルダーに対し、その場で対応しなければいけないことだらけ。ゆえに、このポジションに限っては年齢・性別・役職関係ありません。1次対応でしっかりと相手の心をつかめない担当者は失格です。

しかし、

日本は年齢差別と性差別横行の徒弟制度型封建社会。この傾向もふまえると、日本におけるパブリックリレーションズの適正は、30代後半以降でやっと「効いてくる」のが実情です。基本的に若いというだけでナメられます。それが女性だとさらにひどくなる。性差別、年齢差別の最前線に立たされている、と言ってもいいかもしれません。

落ち着いた人が、

理路整然とものごとを述べ、

その内容が時に心震わせるような破壊力と説得力のある

ことが情報発信に課せられたステレオタイプです。これを若い人にできるのかというと、まずムリです。共感を得るマーケティング的なアプローチは、彼ら・彼女らに分がありますが、これは結局のところ新しい道具の使い方の有無でしかなく、戦略やフレームワークの普遍性は、いつ学んでどう活用したか、に左右されるはず。超現実的に見れば、PR担当として出てくる人はミドル層でないとおかしいわけです。

じゃ、どうすんのよ?若いうちにPR担当になってしまったじゃないの。経営者残念さんじゃないの。次回にそのあたりを書いてみたいと思います。

◆ ◆ ◆

*このnoteは本家pr401.comのためのブレストノートです。下書きです。ながーーーーーくて理論あふれるいい記事なんてないです。たまに加筆修正します。気が向いたら長文になっていることもあります。為念。

pr401.comについて。

PR401は、近代パブリックリレーションズの基礎知識の解説をその知識のないまま仕事をはじめてしまっている広報担当者向けに作ったウエブページ。コミュニケーションを経営に沿って構築するストラテジックコミュニケーションなど、経営者層にも読んでもらいたいトピック満載のページです。

とくに、日本国内の広報担当者がまったくといっていいほど話すことができないパブリックリレーションズの定義解説をしたページです。体系化された本国アメリカではまずこれを学び、諸学に広げていくので、報道対応からたたきあげる日本の従来型とは比較にならない知識と経験を学生のうちに積むことができます。国内担当者もこれに負けない実務実現をするためには、まず定義をしっかり自分のものにしてほしい。そういう背景からどこの自称専門家よりも詳細の解説を作ってみました。

パブリックリレーションズとは(定義解説)全米PR協会が定めた最新のパブリックリレーションズの定義(PRの定義、広報の定義)を解説します。企業は情報発信を担う人材をpr401.com

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