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オゾン監督と出会った作品『スイミング・プール』

どこの国の映画かなんて本当は関係ないんだけれど、「フランス映画」っていう響きはなんだか好きだったりする。

おそ松くんの登場人物『イヤミ』の「ミーはおフランス帰りザンス!」ってセリフがあるけど、年代のせいかフランスに対しては高貴な印象を持ち続けているのかも。

それとも映画という芸術を発明したフランスに対する憧れか。

詩的なセリフに言葉の響き、色彩・映像美。
映画を小説、詩、思想、音楽、写真、絵画、色彩、演技などの総合的な芸術と捉えている感が好きなのかも。

映画『タイピスト!』の中のセリフ「アメリカ人はビジネスを。フランス人は恋を」はズバリな感じがするしね。
そーだ!どこかのタイミングで『タイピスト!』の感想文も書いてみよう。

結局は特段の理由はないのだけれど「フランス映画」って響きはなんだか好きなのです。

導入部分が長くなってしまったけれど、なにが言いたいかっていうと映画『スイミング・プール』の感想文を書くよ!ってこと。

『スイミング・プール』

『スイミング・プール 』 ポスター画像


フランソワ・オゾン監督の映画『スイミング・プール』
素敵な監督が撮った素敵な映画。

スランプ気味の女性推理小説作家サラ(シャーロット・ランプリング)が出版会社社長で愛人のジョン(チャールズ・ダンス)の勧めで南仏にある彼の別荘へ気分転換のためバカンスへ。

別荘の管理人であるマルセル(マルク・ファヨール)の案内で別荘に到着。
そこは大きなプールのある別荘。
静かな環境。

新たな構想が浮かび創作活動を開始するサラ。
ジョンの到着を望みながら。

そこに現れたのはジョンの娘を名乗る女性ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)

若く、美しい。
感情豊かで自由奔放なジュリー。

まるで対比する二人のキャラクター。
当初は衝突をするもののいつしかジュリーに惹かれ創作意欲を刺激されるサラ。

そこにジュリーがサラの通うカフェのウェイターで好意的な印象を持っているフランク(ジャン=マリー・ラムール)を家に連れ込み物語が動き始める。


感想

できるだけネタバレを回避したいけど。
絶対ネタバレしちゃうからまだ観ていない人は読まないで欲しいな。

現実と虚構が入り混じっていて、観る人によって答えや印象が大きく異なる映画。
実際にオゾン監督もそれを望んでいるようなインタビューもあるようで。

どこが現実でどこが虚構なのか?
事件は本当にあったのか?
ジュリーは誰なのか?

色々な考察もできて楽しいです。
観た人と色々はなしたくなる作品になっています。

そしてなによりも美しい。
ポスターにもあるようにプールに横たわるサニエが美しい。
そして終盤のベッドに横たわるランプリングも美しい。

年齢を重ねたサラ。
若いジュリー。
電車内で声をかけられて席を立つような閉鎖的なサラと誰に対しても開放的なジュリー。
右利きと左利き。
対比する二人。

彼女に内包するものがジュリーという登場人物に現れているかのようで、この物語は個人的にはランプリング演じるサラの創作物だと感じた映画。

色々と考察をして、難解なミステリーとして楽しむこともできるけれど、個人的に美しさの中にミステリーが少し混在した作品として楽しみました。
これはサラが推理小説作家という設定のせいかも知れませんが。。。


本当はこんな抽象的な言い回しじゃなく、俺だって考察を語りたい!
けどさ美しい芸術作品に理由付けや考察なんて野暮じゃんか。

観るものがいてはじめて作品として完成する。
映画『スイミング・プール』を観て貴方はなにを想うのか。

美味しいお酒でも飲みながら好きな映画のはなしをする夜もいいですね。
美味しいお酒を飲みながら芸術を語る。
それなら『粋』だろ。







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