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いりこ出汁の引き方

よっしゃ!昆布と鰹の次は、いりこ出汁が引けちゃうなの一席。

前回の話を復習しつつ、私が"やまくにいりこさん"から教えてもらった出汁の引き方をお伝えしてまいります。

と、その前に。

旨いいりこの見分け方をさらりとお話。

さて、このいりこちゃん。

旨味や栄養素もたっぷりなのですが、ちょっぴり脂肪が多め。(ガリガリよりは、少しふくよかな子の方が愛着があって好き)

脂肪が多いということは、「酸化」しやすいのです。

あれですね。金属が酸化するとさびたするように、人の体でも「酸化」は起きるそうで…。これを放置しておくと老化が早まったりするのよ、なんていうちょっぴりゾッとしちゃう話をよく耳にします。

いりこも同様。酸化が進むと美味しくなくちゃっうのでご注意を!

いりこの見分け方

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1、うろこや頭がとれていないもの
→旨味がギュッと閉じ込められている証拠です。

2、茶色っぽくない=銀色でキラキラしてる
→茶色ということは酸化が進んでいるということ。

3、くの字の子を探せ!
4、口がクパッと開いている子を探せ

→これ。私がすごく大好きなお話なんですが、鰯って読んで字のごとく、傷みやすいお魚。いりこ用に水揚げされたイワシたちは、釜茹でされる前に亡くなっていることが、ほぼなのです(ちょっぴりおセンチ…)。
ただし!元気なイワシは釜茹でまで生きているそうで、生きたまま茹でられるので「あっつ!わぁぁぁ!」みたいな感じで、口を開いてくの字にってしまう子がいるのだそう(これもちょっとかわいそうかっ!)。
だから、くの字で口の開いている子が多い袋は鮮度がよいのです

出汁の引き方

<下処理編>
1、内臓とエラを取り除きます(エグミをグッパイ)

→ここは面倒なら飛ばして大丈夫なパート。ただできたらすごく丁寧でより美味しくなります。

⑴頭と胴体を分ける

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⑵エラをとる
親指と人差し指をつかって、顎が上になるように持ってスッとエラを抜く

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⑶胴体を二つに分ける
背中に指を入れてクパッと二つに割る

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⑷内臓を取り出す
黒く固い子が内臓なので綺麗に取り除いてあげましょう

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グッジョブです!えらと内臓はここでさよなら。

2、炒る(臭みを飛ばす)

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これも面倒なら飛ばしてよし。炒ってあげると臭みがとぶのでより丁寧。
量にもよるけど、焦げない程度の火加減でパチパチといい音がするまで炒ってゆきます。

!!!チャレンジタァアアアイムっ!!!
箸先の感覚を研ぎ澄ませてみましょうっ!炒っていると、最初よりも箸の感覚が軽やかな感じになってきます。でっきるかな?

<出汁を引く編>
3、水を入れて弱火でふつふつ

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他のお出汁と同様煮立たせないこと。それが一番大事♪

4、漉す(なくてもよし!)
気になる方は漉してください。私はそのまま具材として使うことが多いです。お茶パックのなかに入れておくと、漉さずに取り出すことができるので便利な小知恵。

いりこの保存方法

いりこをゲットしたら、袋の中に入っている分すべて下処理してしまうのがオススメ。、頭とエラを「2、炒る」まで終わったら、粗熱をとり密封袋の中へGO。
そのまま冷凍庫で保存すると、酸化しにくく、よい状態でKEEPできます。
(面倒なら丸のまま密封袋の中へ入れ、冷凍庫にDON☆)

以上。

今日のツボ
・エラと内臓は取ってあげたら丁寧
・炒る作業も大切
・水をいれたら煮立たせない
・保存は密封して冷凍保存!


「瀬戸内の海でのんびり育った子」

このフレーズがたまらなく好きでして、なんか愛おしい。

なんだか、ここ最近は不漁がつづいているそうで少し心配。

あとは、四国の方でも「いりこ出汁」の文化が薄れてきているという話を耳にして「むむぅ。」と口をへの字にしております。

讃岐うどんの汁もいりこじゃないところがでてきているとかいないとか…。

以前お店でいりこ三昧な定食をやったことがありましてね。

皆様が気づいていないような、むふふなお料理を伝えていけたらいいな、なんちゃって。

私も瀬戸内のいりこ同様、のんびりゆっくり参ります。

お後がよろしいようで。


食べたいものをつくる人 高橋 拝。


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