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青魚のグリル地中海風。クロアチアのラブ島で出会った味、そして美しいビーチで仰天の人々と遭遇

安くて美味しいイワシ、アジ、サバ。日本のみならず様々な国で食べてきました。そんな中から、今日はクロアチアの家庭でご馳走になった食べ方にアレンジを加えて作ってみました。クロアチアが面しているのはアドリア海であり、地中海はその先にある海ですが、イタリアからの食文化の影響も強いクロアチアですので、大きなくくりで「地中海風」と呼ばせてもらいます。今回のレシピは文末に。


クロアチアを訪れたのは2009年6月26日から8月31日までの2ヵ月強。南部のドブロブニクから入って、海沿いの街や島を巡りながら北上して首都ザグレブまで移動しました。主にキッチン付きの宿あるいは民泊を選んで自炊三昧。朝一番で魚市場でパンや魚を買い込み、サンドイッチ持参で昼間はビーチでまったり過ごし、夜はシーフード自炊という夏満喫の旅。ヨーロピアンの夏休みの時期と重なっていた事もあり、どこに行っても夏休みの雰囲気が満載で本当に楽しい滞在でした。

クロアチアの位置

〇クロアチアのラブ島

中でも一番長期滞在したのがラブ島。ハイシーズンに入ってどこも満室だったところ、島の中央のやや交通が不便な場所に快適な家がみつかり、2週間滞在する事になりました。

ラブ島の位置

3階建てのゆったりとした家。1階はオーナー夫妻の居室、2階と3階には2部屋ずつの部屋があり合計4組の家族が滞在できる家でした。キッチン、シャワー、トイレは共有でしたが、あまり人も入っていなかったので問題ありませんでした。

キッチンからの眺め
寝室
キッチン

ラブ島は北西から南東に細長く伸びた島。私たちが滞在したムンダニエから島の中心街までは徒歩20分、北方面のロパール岬は中心街から12-13km、西方面のサイクリングが盛んなエリアも12-13kmくらい。車もなかったので、徒歩かバスか街でレンタルした自転車で島中を動き回りました。

ラブ島。観光案内所でもらった地図。
中央のムンダニエに家があり、南側に旧市街、東にカンポール岬、北側にロペール岬

〇ラブ島での日課

朝一番で家から中心街のマーケットに歩いて行って食材を購入。家でサンドイッチなどを作ってから、家の前から出る一日4往復しかないバスでロパール岬のビーチに行くか、あるいは街でレンタサイクルして別の岬のビーチに行くか、あるいは街でインターネットを使って作業するのが日課でした。

街の中心部
観光案内所で電源借りて作業

食事については、新鮮な魚に事欠かないラブ島でしたが、他にも楽しみがありました。朝一番の焼き立てのパン。家と街の道中に生えている野生のイチジク採集、家の斜め前にある小さなワイナリーで買うワインなどなど。

家の斜め前のワイナリー。容器をもっていくとステンレスタンクから注いでくれる。
写真右上:コーンブレッドというおいしいパン
家から街への道中で摘んできたイチジクでヨーグルトサラダ
生ピザ生地を買ってきて自家製ピザもよかったな。

家のキッチンを使わせてもらって充実した食生活を送っていました。

〇サバのグリルのおもてなし

毎日顔を合わせて挨拶していると「一緒にご飯でも食べましょうか?」という話になるのは、国境を超えて共通している事です。この家に滞在している期間中も、オーナー夫人から2回食事に招かれ、我々と他の部屋を借りているドイツ人家族とで1回お返しの食事会を開くという、食文化の交流をしました。この時に出してもらったのが、今日のお料理のヒントになったものです。

オーナー夫人がご馳走してくれたのはサバのグリルの地中海風とサラダ。庭にあるレンガを積んだオーブンで薪を燃やして豪快にサバをBBQに。頭も骨も食べられるまでに、じっくりと焼かれた鯖にイタリアンパセリとにんにくスライスとたっぷりの美味しいオリーブオイルがかけられた一品が、強烈に美味しかったですね。

庭のオーブンで豪快に焼かれるサバ
全部食べられるくらいよーく焼けてます

サラダにも魚にもたっぷりと使われているオリーブオイルが、物凄くフレッシュで美味しい。お向かいのイタリアとこういう所は同じですね。

皆でわいわいお食事。パンも美味しかった

因みに私達がお返しに作ったのはチャーハン、ドイツ人家庭はシュペッツレという手作りパスタ料理でした。

左:オーナー夫人
右:夫人の姪っ子

〇魅力的なビーチ

南北に長く海に面したクロアチアで過ごした夏。それはそれは多くのビーチを訪ねましたが、ラブ島のビーチの美しさはクロアチアの中でもトップ3に入りました。北方面のラポール岬と西方面のカンポール岬は、水質が美しいだけでなく入江の創り出す風景がとても魅力的でした。

カンポール岬。白丸で囲んだ4つの入り江をレンタサイクルで訪ねる
街中からサイクリング開始
ビーチへ坂道を降りていく
お金持ちはボートで苦労せずにくるのだ
水が本当に美しくて気持ちよく泳げる
蝉がじゃんじゃん鳴いている中を走る。まさに夏休みだ。
街へ帰る
よく走った。お疲れ様のアイスで乾杯!

〇注意!ビーチで仰天の出会いの可能性

ラブ島のビーチライフでは、ちょっと注意点があります。ラブ島はヌーディストビーチ発祥の土地なんです。私たちが訪れた当時でもヌーディストビーチに指定されているビーチがたくさん残っているので、観光案内所ではヌーディストビーチをマーキングした案内図を配ってくれていました。

世界を旅行していて、一番ヌードになりたい国民はドイツなんだろうと思います。ドイツにはFKK(エフ・カー・カー)という言葉があります。フライ→自由、ケルパー→肉体、クルトゥア→文化、の略語で「自由な肉体の文化」という言葉の組み合わせで「ヌーディスト」を示します。ドイツをレンタカーで周遊するにあたって買った地図には、湖畔やホテルに「FKK」というマークが記載されている場所がありました。そんな地図、他の国では見たことがないので、ヌーディスト希望者が一番多いのはドイツなのでは?という感想を持っていました。

そして、ここクロアチアで頂いた地図にも「FKK」の文字が! そうなんです。ここラブ島はヌーディスト愛好家のドイツ人が多く訪れる事で有名な島だったんです。そうじゃない人ももちろん大勢いるから、普通に観光できるんですけどね。

私達も自転車で様々な入り江を訪ねる際にマークがないビーチに行くようにしていました。

と・こ・ろ・が。

FKKの愛好家は良さそうなビーチがあると移動してきちゃってるんです。FKKマークがないから大丈夫だろうと訪れたビーチが、ヌーディストに占拠されていて、服を着ているこちらが異常で恥ずかしい気持ちになる経験をしました。「恥ずかしい」という感情は、周囲の環境と自分だけが異なると思った時に発生する場合があるという斬新な体験でした。

こういう美しいビーチにはFKKの人が裸でボートに乗ってきちゃうのだ。お気持ちはわかります。

余談ですが、ドイツ人観光客がたくさんいるお陰でドイツ製ビールのレーベンブロイがたくさん売られているし、豚肉塊肉のシュバイネハクセも買えちゃう。バカンス時期だったからだとは思いますが、クロアチアにいながらにしてドイツ食文化を得られる特典もありました。

右下が出回っていたレーベンブロイ

それでは、あの時にご馳走になった魚の地中海風。今回はサバではなく、イワシとアジを使って作ります。


★ 『青魚の地中海風グリル』
<材料 2人前>

  • いわし 4匹

  • あじ 3匹

  • 玉ねぎ 1/2個

  • トマト 1個

  • ローズマリー 1本

  • オレガノ 1本

  • にんにく 1かけ

以下は付け合わせのグリル野菜用

  • じゃがいも 1個

  • たまねぎ 1個

  • しいたけ 2枚

  • ブロッコリー 半分

  • オリーブオイル 適宜

  • 塩 3つまみ

  • 水 30cc


<作り方>

  1. 付け合わせのグリル野菜を先に作っておく

  2. じゃがいもは電子レンジで5分加熱後、2等分。玉ねぎも2等分。しいたけは石突を取って傘の表面にXの切り込みを入れておく。ブロッコリーは一口大に切り分けておく。

  3. フライパンににんにくを置いてオリーブオイルを入れて弱火をつける。にんにくが茶色になったら取り出す

  4. 3に2の野菜を入れて、塩3つまみとオリーブオイルと水30ccほどを入れて蓋をして蒸し焼き。水分がなくなって少し焦げ目がつく程になったら火をとめておく。

  5. 玉ねぎとトマトはサイコロ状に切り、ローズマリーとオレガノは刻んで、にんにくはすりおろし、全てを混ぜておく

  6. 魚焼きグリルを温めておく。

  7. グリルの大きさに切ったアルミホイルに油をぬり、その上に魚を並べ、塩をふったら5を魚にふりかけてオリーブオイルを垂らしてグリルする

野菜は塩、オリーブオイル、水少量入れてフタをして蒸し焼き。焼き目がついた方が美味しい
魚の上にふりかける玉ねぎ、トマト、ローズマリー、オレガノ、すりおろしにんにく
魚、塩、トマトなど振りかけて、オリーブオイルをかけて焼いたもの
トマトの酸味もいいね

クロアチアで食べたものは、イタリアンパセリとにんにくとオリーブオイルでしたが、今回は揃えやすい材料に変更しました。ポイントはハーブ、にんにく、オリーブオイル。お好みでビネガーをかけても美味しいと思います。

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