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散文詩

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そのまま。もうちょっと若いころ(十数年前)書き散らした散文詩です。短歌の収納は今後考えます…。
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記事一覧

踏み躙れ

既に過去の くだらない記憶を 捨てろ 脆い白い骨を 粉々に砕くべきだった 何をしそうかは分…

高梨 蓮
1年前
9

カネを失う話

奨学金を借りた男がいた。 借りて返さなかった。 男は就職した。 就職して結婚した。 この結…

高梨 蓮
1年前
6

カネの話

金が好きか? 嫌いか? 本当は好きだろう。 嫌いな者はおそらくほとんどいない。 言えないだ…

高梨 蓮
2年前
7

昔は入学の季節に

十年一昔と言うが 四半世紀がひと昔のように 思える そのうち 半世紀がついこの間のように…

高梨 蓮
2年前
11

【詩】 街角の風景

 信号を待っていた。  押しボタン式であるような、地方都市の郊外の住宅地の交差点だった。…

高梨 蓮
2年前
11

【詩】相応しい言葉とは

何度も 書いたものを消す 書いて書いて書いて ほとんど似たようなことを繰り返しているこ…

高梨 蓮
2年前
18

【詩】 年の瀬だ

年の瀬だ 本当は時に刻まれた目盛りはない 暦は 月日は 人が刻むものだ ひとであるならば、時を刻まねば過ごしゆけぬ 限りある定命なればこそ (本当は正月ではなく年末に出すつもりだった、十年以上前のもの)

【詩】 冬の空気

切れる それだけで 指先がすぱりと切れる そのような 冬の空気 凍てつく その最中に 吹き…

高梨 蓮
2年前
18

【詩】オフトゥーン国

冬の朝 ひょいと首出す ひんやりと 底冷えのする朝ぼらけ ひゃっと戻りておそるおそる 再…

高梨 蓮
2年前
18

【詩】月夜に

誰かの夢を 誰かの言葉を拾い そして磨く 輝くといい 月の光のように

高梨 蓮
2年前
18

【詩】 ふくふくとした言の葉

零れ出す言葉は 今日は 勢いがあるものではないけれど ふくふくと 軽い羽根のクッション…

高梨 蓮
2年前
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【詩】冬の空の色

落ちそうだ またしてもどこかに 冬の空の色に わたしは かつて あのひとのことばを …

高梨 蓮
2年前
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【詩】 自戒

奇妙に気が焦るのは なにか 拾ってはならないものを拾っているからだと思う 例えば 己に向…

高梨 蓮
2年前
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【詩】 この季節の空の雲

そういえば 今日 空に 雲がよぎっていた 刻む 掛け合わせたような 空をよぎる雲 そんな日に