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高付加価値化に成功した東京ディズニーリゾート

10月30日、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが上半期決算を発表しました。
結論から書くとオリエンタルランドは量から質への転換に完全に成功していると言える内容だと思いました。
今回は決算発表資料から読み取れる点をまとめていきます。
また高付加価値化のポイントについては後日別の有料Noteのほうで詳しく書こうと思います

決算概要

まず決算の内容ですが、上半期は昨年同期比39.3%増の2843億円となりました。
オリエンタルランドは、テーマパーク事業、ホテル事業、その他事業の3つの事業を展開しており大幅増となっていますが8割の売り上げを占めるテーマパーク事業がなかでも昨年同期比42.1%増と大幅に増加しており
売り上げでも営業利益でもコロナ前を既に2桁増と大幅に上回っています。

オリエンタルランドの売上と営業利益はコロナ前同時期を既に超えている

売上増は一人当たり単価アップに起因

入園者数の推移を見ると2019年上半期が1,551万人であったのに対して今年は1,250万人と20%減と今年の方が低い入園者数となっています。
また期末での予想も2019年より20%減の2,630万人と予想しています。

入場者数の減少を補っているのが一人当たりの売上です。
2019年の上半期と比較して44%アップしています
飲食や商品販売も40周年ということで伸びていますが、大きな起因要素としてはチケット収入増です。
2019年に5,252円だったひとりあたりチケット収入は今年7,962円と51%増となっています。
チケット収入増の要因としては
・ワンデーパスポートの値上げ(7500円から9400円前後へ25%増)
・ディズニープレミアアクセスの利用増
・年間パスポートの廃止
があります。
世界最安と言われ続けてきたワンデーパスの値上げに関してはいろんな人に意見があったと思いますが、個人的には完全に賛成です。

プレミアアクセスについて、オリエンタルランドは1人あたりどの程度利用しているのか公開していませんが前年同期比から8つ増え11のアトラクションやショーに並ばなくてもよくなったので相当数の来園者が利用しているはずです。
実際私も何度か家族で行きましたが、子供連れで何時間も並ぶのは本当に苦行でしかなく、プレミアアクセスがあるから行くモチベーションがだいぶあがりました。
ここまでの単価アップの状況を見ると、オリエンタルランドはディズニーリゾートの高付加価値化に成功しているといえます

ゲスト1人あたりの売上を大幅に引き上げることに成功

インバウンドは需要の平準化に寄与

訪日外国人の比率は13%とこちらもコロナ前を上回りました。
下半期は9%、120万人を見込んでいるそうです。
年間では累計283万人とほぼコロナ前と同水準を見込んでいるようです。

資料にある限りでは、インバウンドのメリットとして平日利用増による稼働の平準化があるようです。
また優先入場などの制度に慣れ親しんでおり日本での滞在時間を無駄にしたくない訪日外国人はプレミアアクセスの利用比率も高いのではと推察します。

直近の値上げ、来年のファンタジースプリングス開業でさらなる収益増と満足度の両立へ

オリンエンタルランドは、開業準備をしていたファンタジースプリングスを来年6月6日開業に決定したと発表しました。
世界的大ヒットした「アナと雪の女王」をテーマにしたフローズンキングダムや「ラプンツェル」の舞台としたラプンツェルの森をテーマとしたエリアとあってさらなる集客に繋がることは間違いないと思います
当初はスタンバイ・パスやプレミアアクセスに絞って開業するようですが同時に開業するホテルと併せて年間750億円(約30%)の増収効果を見込んでいます。



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