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【読書メモ】統計を基礎からストーリーで学べるありがたい入門書:『大学生ミライの統計的日常ー確率・条件・仮説って?』(小塩真司著)

心理統計をもう少し(というか本格的に)学ばなければならない状況のため、入門書を読み漁っています。小塩先生の書籍が個人的にはフィット感があるので、いくつか読んでおりまして本書もその一冊です。結論から言えば、修士というよりも学部生が読んで統計に興味を持ってもらえる内容なのですが、非常に基礎的なレベルから書かれているのでわかりやすいです。統計に関して苦手意識を持っているすべての方におすすめしたい一冊です。

本書では、SPSSのハウツーのようなものは扱っておらず、統計の基礎についてストーリーを基にしながら扱っています。読んでいていたく反省したのは、SPSSでサラッと使えるようにだけしていたことの背景にある、心理統計の考え方について触れられている箇所です。

正規分布の話だとか、標本の話だとか、おそらく授業の中で学んだことなのでしょうが、読み飛ばしていた部分についての理解が深まりました。また、中学・高校の数学で学ぶ「組み合わせ」(=Cを使うやつ)の数式から復習ができるため、うっかり失念していた統計の基礎的な数学についておさらいすることもできます。(恥ずかしながら、私も多々ありました)

先述した通り、ストーリーを追いながら学べるため、興味を持続しながらサクサクと読めます。また、普通の統計のテキストですと、領域ごとに分けて書かれているため、繋がり感が見えづらいこともあるのですが、本書では項目ごとのつながりがイメージできます。修士の時に読んでおけばよかったと思うレベルの良質なテキストでした。


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