みんなが好きだという話。
長編映画『莉の対』
夏から始まった撮影が、ついに、北海道の地でクランクアップを迎えました。
初めての、長編の主演。
役者として目標のひとつだったけれど、いざその役割をいただくと、なんだかとても他人事のようなね。結果的に最後まで、私が思い描いていたような主演感、というかを掴むことはありませんでした。
主演というと、絶対的な信頼感と安心感があって、常に前を向いていて、みんなを引っ張っていって
そんな自分を何度も想像してみたけれど、行き着く先はいつも「あ、むりだ。」
撮影に入る前から諦めていたので当たり前の結末。
一方で、自分が主演として何ができるかというと、何もできないことはわかっていたというか。
私の演じる “松下光莉” という役も、ゆらゆら流されて生きて来たような子だったので、都合よくリンクさせ、ある種堂々と周りに甘えてここまでやってきました。
「みんなとコミュニケーションをとって楽しくやっていこう!」
以上が私のゆるすぎる決意だったのですが、それすら頑張るまでもなく、自然とそうさせてくれるスタッフキャストのみなさんが周りにはいました。
映画制作の過程や思いは監督がNoteに書かれているのでそちらをぜひぜひ参照して欲しいのですが、この作品は関わるほぼ全ての人が自分の意思で集まってきている構成。
だから、みんな作品やキャラクターについて、とても自分の言葉で喋ってくれる。そしてやりたいことにめちゃくちゃこだわる。
学生もいるし、普段とは役職が違う人もいるし、経験値もバラバラ。
そんな中で全員が意見を言えるって当たり前ではないし、それが自然とできる空気感もすごいよなぁと思うのです。
みんなが一つのピースとして自分にできることを考えて、やる。
とても健全で、最高なクリエイティブだと思います。
より良いもの、よりワクワクするものに貪欲で、みんな楽しそう。
好きでこの仕事をしているはずなのに、そんな現場にはなかなか出会えない。
だから、この座組みが特別で、大好きです。
撮影の日々が終わってしまってさみしい気持ちは拭えないけど、公開のその時まで、まだまだ大事に一緒に歩んでいきたいと思います。
楽しかった!