#18 夜、空を眺めること について

最近、よく空を眺めます。
信号待ちをする十数秒の間や、傘を閉じた瞬間、朝起きて窓を開けたとき。
空はいつも違う顔をしていて、でもいつもそこにいて、絶対に手は届かないくらい遠いのに、なんだか目の前にもいるようで。ただそこに在るだけなのに「きれいだなぁ」と思わせてくれます。

どんな色の空も好きだけれど、一番好きなのは、夜に眺める空です。
昼間と違って、夜の空は、全部同じなように見えます。真っ黒な、どこまでも深い闇。
でも、よーく目を凝らすと、都会でもいくつかの星は見えてきます。真っ黒ではなく、紫色や青色、茶色、さまざまな色が混ざり合っているのが分かります。

そんな空が大好きで、わたしはいつも、ベランダに置いたキャンプ用の椅子にもたれて眺めるのです。時にひとりで、時に愛犬と共に。


ずっと空を見ていると、自分はなんてちっぽけな存在なんだろう、と思えてきます。と同時に、この世界を構成するひとつの要素として確かに存在していることを実感します。
わたしは、ちっぽけだけれど、確かにいるのです。あなたも、あの人も、あそこの人も、地球の裏側にいる人だって、確かに存在しているのです。

空の、宇宙のながいながい時間の中では、わたしやあなたの生きるたった数十年なんて、ほんの一瞬。わたし独りが何かしてもしなくても、きっと世界は変わりません。
でも、構成しているのです。そのながいながい時間の中の大切な一瞬のほんの一部を担い、共に歩んでいるのです。
たとえ世界が変わらなくても、この「共に歩んでいる」という事実そのものが、とても尊いもののように思えてなりません。


「わたしなんて」と思えたら、ぜひ空を眺めてみてください。
空はいつも、あなたの傍に。

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