小噺Ⅰ:筑後と久留米、微妙な隣人関係
筑後(ちくご)は自分の地元を愛していたが、隣の久留米(くるめ)をも護る大神 大山咋神 の影に常に隠れているような気がしていた。タマスタ筑後で過ごす野球観戦の日々と、静かな田んぼの風景が心の平和だったが、それだけでは久留米のような大都市には勝てない。
「久留米(大山咋神 )さんって、どうしてあんなにも大きいんだろう…」筑後はよくひとりでつぶやいた。久留米は人口も多く、経済も発展している。さらに、その存在感にはヤクザの影もちらついていた。
ある日、筑後は久留米に向かった。緊張