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『これだ!』ついに出会えた、若かりし頃の私の理想の音

2001年頃、私は、
自分好みのバンドを見つけることを、ひとつの楽しみとしていたのだが、
その中でも、
スリーピースのバンドばかりをチェックしていた時期がある。
そこで、
NIRVANAを好きになり、Blankey Jet Cityを好きになった。
そして、
最も私に影響を与えたのが、
ポール・ウェラー率いる、The Jamだった。


The Complete JamというDVDを買った。
何故いきなりDVDを買ったのか、その理由は全く覚えていないのだが、
CDで聴くより先に映像を見たのは、大正解だった。
ジャムを判断するのは、ライブに触れてからにするべし。


DVD、
初期のライブ映像、
狭いライブハウスで演奏される「IN THE CITY」に、私は度肝を抜かれた。

「何だこれは!」
「初期衝動のぶちまけ方がスゲー!」
「みんな細身のスーツで揃えて、さらにフロントのふたり、ふたりとも赤いリッケンバッカー!絵になる!バチかっこええ!」
「ギター、ディストーションとかで歪まさずに、クリーントーンで攻撃的な音を出しとるの、マジかっこいい!」
「ベース、全体の音の土台を支えるとかじゃなく、音の輪郭ゴリゴリで、ギターと同等に前に出てくる感じ、ブチかっこええ!」
「ボーカルの声、基本、細い声だけど、時折こぶしを入れるというか、表現の仕方、スタイリッシュで、エモーショナルで、バンドの音とマッチしてて、独特だなぁ、かっこええなぁ。ベーシストも、ベース弾きながらコーラスめっちゃ入れるし、楽器の音はパンクだけど、歌はハーモニー綺麗で、いいなぁ、このバランス」
「歌ってないときのフロントふたりの動きがヤバい、所狭しと動き回る、衝動が抑えれない感じ、いいなぁ…」
「っていうか、ベーシストのベースの弾き方が、バチかっこいい、すんげー俺の好みだわ。特に右手のピックの持ち方、弦の振り抜き方、かっこいい…」


と、
そんな風に感じた。思った。
見入った。

スタイリッシュで、シャープで、知的で、
それでいて、荒々しく、1音1音に魂を込め、強い意志がほとばしる。

The Jam、
最高。
当時の私からしたら、何もかも完璧だった。

ベースは、リズム楽器としてだけじゃなく、メロディー楽器としての役割も果たす。
ギターは、曲の荒々しさを、歪ませるじゃなく、クリーンあるいはクランチで表現する。
そして、3人だから、ひとりひとりの音が、全体の音の3分の1を占めるわけだ。だからそれぞれがよく聴こえるし、その中でも、ベースの存在感、前にぐいぐい出る感じが、たまらない…。
ここら辺のセンスに、
ポール・ウェラーのセンスに、
私は、
心の底から共感した。
こういうのを探してたんだ!
こういうのに出会いたかったんだ!


そして、
私がグッと来たもうひとつの理由。
当時、私自身、バンドをやっていたのだが、
ビートルズの「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のMVでベースのポール・マッカートニーが弾いているペイントされた赤いリッケンバッカーを、私はメチャクチャかっこ良いと感じ、それきっかけで赤いリッケンバッカーを買った、そんな時期だった。
(ちなみに、73年生まれの4001。20万で購入。もちろん今も手元にある)
そんなだったから、
The Jamのベースのブルース・フォクストンが、赤いリッケンバッカーを弾いている姿を見て、
すごく嬉しかったのだ。
「おっ!赤いリッケン使っとる!」
「うぉー、リッケンをこんなにもかっこ良く弾きこなしている人が存在していたとは!というか、リッケンかっこいい!」
「リッケン買って良かったー!マジで買って良かった!」
「俺は、こういうベースが弾きたかったんだな。メチャクチャ心がうずくわ!」
以来、
私のベースの弾き方のイメージは、いつだってブルース・フォクストンだった。

というか、
そのときから、
今も変わらず、
私の世界一好きなベーシストは、ブルース・フォクストンである。


DVD、
初期のライブ映像、
他にもかっこいいのはいろいろある。
「Billy Hunt」という曲と「In The Street Today」という曲の映像もたまらない。とても貴重な映像。

また、
後期のライブ映像もかっこいい。
The Jamの曲は、
アルバムを重ねるにつれ、
シンプルなビートロックから、70代のモータウンの要素が取り入れられた楽曲に移行していく。
もともとメンバーは、モータウンが好きだったこともあり、
表面的ではなく、
グルーヴ面でもしっかり楽曲が成り立っている。
進化していったバンド、
The Jam。


私は、The Jamを知って、人生が変わった。
うむ、間違いない。
ありがとう、ポール。
ありがとう、ブルース。
ありがとう、リック。



以下👇、かっこいい写真。




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