【マクロビ事始め】①出会い

【マクロビとの出会い】
私が初めてマクロビオティックという食養法に出会ったのは、たしか30年程前だったと思います。その頃は、まだマクロビという言葉は一般的ではなく、正確にマクロビオティック、あるいは玄米正食と呼んでいました。

当時、私は最初に入った会社を辞め、すぐにまた次が見つかるだろうと呑気に考えて、無職を楽しんでいました。しかし、楽しい日々は長くは続かないもので、収入がないので、当たり前ですがお金が底をつきました。お金がないと食べるものが買えない。

そんなある日、当時入り浸っていた用賀にある音楽スタジオ(現存しない)で、A氏に出会いました。日本のペダルスチールギター奏者の草分けで、ユーミン、大瀧詠一、山下達郎、はっぴいえんど、矢野顕子などのアルバムにもクレジットがあるレジェンドです。

しかし当時の私は、A氏のそんなキャリアはつゆとも知らず、いつも毛糸の帽子を被ったちょっと変わった人で、音楽にやたらに詳しく、私のような若造ともスタジオで演奏してくれたり、ライブもいっしょに演ったてくれたりする、いい音楽仲間という存在でした。

そこで、A氏に実は仕事探しててということをこぼすと、「じゃぁ、食うに困らない仕事を紹介するよ」とかんたんに引き受けてくれました。それが荻窪の自然食糧品店グルッペでした。

話の通りに、この店で働いている間は、全く食うに困ることはありませんでした。まかないが出る上に、店頭に出せなくなった食材はもらえました。店のものを使うから、まかないは毎日が玄米菜食で、身体も使うし、これはうまいなぁと食べるたびに思ったものでした。

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